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魔剣ジェロディアの完全復活?


剣地:神殿内


 おわっ! さっきは弱くなっていたニートゥムの魔力が急に強くなりやがった! ジェロディアの奴が何かしらやったのだろう。しつこい奴だな、本当に。ティーアの魔力はまだ感じるから大丈夫だと思う。いや、思いたい。ニートゥムとの戦いで傷を受けたと思うし、疲れもある。ティーア……無事でいてくれ。




ティーア:神殿内


 失敗したな。本当に。ジェロディアを破壊すればニートゥムを痛めつけなくてもよかったし、私自身も楽ができた。ニートゥムが感情的に戦ったせいで、私も少し熱くなっていたのだろう。まぁいい、起こったことを考えるのはもう止めよう。あれこれ考えても今の状況は変わらないからだ。


「ここを貴様の墓にしてやろう!」


「悪いけど、こんな所で死にたくはない。消えるのはお前だけだ!」


 私は闇の魔力を開放し、襲ってくるジェロディアに反撃をしようとしていた。私の魔力を感じたか、ジェロディアは少し離れて衝撃波を発した。固い地面をえぐるほどの威力がある衝撃波だが、何とかかわせる。


「やはり勇者だな。俺の攻撃を難なくかわすとは、これでも少し力を込めて攻撃しているんだぜぇ?」


「あんたが放つのはただの衝撃波だよ。腕のある剣士なら簡単に使えるし、避けることだって簡単にできる」


「クフフフフフ……俺をそこら辺にいる雑魚と一緒にするなよ。さぁ、戦いは始まったばかりだぜ! もっと派手にやろうぜ!」


 ジェロディアはこう言うと、剣を突き刺して何かをした。私は不審に思い、ジェロディアの周りを走り始めた。きっとその場に立っていたら何かあるに違いない。


「この攻撃を察するとは……素直に素晴らしい勘だと誉めてやろう」


 この言葉の直後、私の跡を追うように地面から衝撃波が発した。やはり、衝撃波を地面にめり込ませて私の跡を追うようにしたのだな。


「仕方ないな。一気に終わらせよう」


 私は魔力を開放し、猛スピードでジェロディアの元へ接近した。この距離ならジェロディアに一閃を浴びせることができる。そう思っていたが、ジェロディアは魔力を開放し、私を弾き飛ばした。


「ウワァァァァァ!」


「そう動くと思った! 強敵だと思ったが、まだまだ甘いな!」


 私がぶっ飛んだ後、ジェロディアは私に目がけて衝撃波を放った。しまった! このままじゃ衝撃波が私に……うわァァァァァァァァァァ!


「フフフフフ……どうやら俺の攻撃を受けたようだな。いい悲鳴だったぞ」


 ガアッ……ま……まずい……さっきの攻撃でお腹に傷ができた。血がかなり出ている感覚がする。かなりの量だ。すぐに魔力を利用して傷を塞ごうとしたが、ジェロディアが迫ってきている。


「さぁ、最期の時間だ! この汚い遺跡の中で永遠に眠っていろ、勇者ティーア!」


「ウッ……クソ」


 倒れている私に対し、ジェロディアは剣を突き刺した。だが、ジェロディアが持つ剣は私の体を貫かなかった。私は体を回転させながら攻撃をかわしたのだ。私はそのまま柱の近くまで転がり、立ち上がった。回復しながら回避したため、傷をそれなりに塞ぐことができた。


「ほう。回避する中で回復したか。だが、無駄なことだ。そんな傷じゃあまともに動けないだろう」


 ジェロディアはそう言うと、かなり巨大な衝撃波を私に向けて放った。逃げるのは無理だ、ここは防御して衝撃波を耐えよう!


「ふぅ……」


 発している闇の魔力を利用し、私は闇の盾を作った。その結果、私は無事に攻撃を防御することができた。


「闇の力で防御したのか……」


 どうやら、あいつの攻撃は闇に弱いようだ。そうだ、ジェロディアは闇に弱いから攻撃に対しても守りに対しても、闇に弱い!


「あらら、弱点発覚したね」


「クッ!」


 私は闇の力を利用し、ジェロディアを追い詰めようとした。弱点が発覚したためか、ジェロディアは何度も剣を振って衝撃波を放った。だが、私の闇の前では衝撃波は無力だった。


「しまった……こんなことで……」


「もう終わりだよ、ジェロディア!」


 隙を見せたジェロディアに接近し、私は剣に闇の魔力をさらに解放して闇の刃を作り出した。ただの闇じゃダメだと思い、私は自分の光を少し混ぜた。


「光と闇が混ざったのか……クソッたれが!」


「消え失せろ、この世から消えてなくなれ! ジェロディア!」


 私は大きく剣を振り下ろし、ジェロディアを一閃した。剣が地面にぶつかった直後、光と闇が混ざった衝撃波が地面から発し、ジェロディア……もといニートゥムの体を飲み込んだ。私の全ての魔力を注ぎ込んだこの一撃、恐らくジェロディアはこの攻撃を耐えられないだろう。


「クソ! 俺はまだ消えない! 消えたくない……こんな闇に飲まれて……消えたくない!」


 ジェロディアは何か言っていたが、結局闇に飲まれてしまった。闇の中から悲鳴が衝撃波の中から聞こえる。とても悲痛な声だ。しばらくして衝撃波が止み、ボロボロになったジェロディアが現れた。剣もかなり傷ができており、あと少しでも衝撃を与えればすぐに壊れそうだ。


「私の勝ちだね」


 私はそう言い、ジェロディアを破壊しようとした。しかし、ニートゥムの体が動き出し、ジェロディアを手にして私から離れた。今のニートゥムはジェロディアが操ったのか!


「このまま殺されてたまるか! 俺は逃げる! まだ殺したりないからなぁ! ハーッハッハッハッハ!」


 ジェロディアはそう言うと、魔力を爆発するかのように開放し、天井を突き破って逃げて行った。私はその後を追おうとしたが、魔力も体力も底尽きてしまい、その場に倒れてしまった。意識はあるが、体はもう動かない。仕方ない……ケンジたちが全てを終わらすのを待つしかない。頑張ってね……皆……。


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