表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
466/594

神殿までの悪路


成瀬:ロメス村


 ロストジャスティスの団員は村人たちの奮闘によって倒されている。しかし、一部の団員が村人たちの手を逃れ、邪神の心臓がある神殿へ向かっている。奴らのことだ、厳重な守りがある神殿に邪神の心臓があるに違いないと睨んで向かっているのだろう。


しかし、そう簡単に心臓を奪われると私は思っていない。神殿の前には危険なジャングルと剣地よりも強いリュッセさんの守りがある。それに、リュッセさん以外にも神殿を守る人はいる。私たちが遅れても、リュッセさんたちが抑えてくれればいいけど。




 家光たちは邪神の心臓がある神殿の前にあるジャングルに到着していた。闇のように深いジャングルを見た団員の一人が、ため息を吐いて呟いた。


「またジャングルか。周りがちゃんと見えないし……」


「変な生き物がいるよな。下手したら死んじまうかも」


「そうですねぇ。ま、気を付ければいいってことです。じゃあ行きましょう」


 家光はジャングルを行くのを渋る団員を連れ、ジャングルへ向かって行った。ロストジャスティスのボスや幹部はため息を吐き、家光の後をついて行った。


 ジャングル内に入り、家光は周囲を見回した。闇のように暗いジャングルだが、目が慣れればそれなりに辺りを見渡すことができた。


「ほう。ご丁寧に神殿までの道筋が書いてありますねぇ」


 遺跡への道筋が記されてある看板を見て、家光は嬉しそうにこう言った。だが、かなりの遠回りになると察した団員たちは、嫌そうな声を出した。


「しかし、結構な遠回りになるな。奴らに追いつかれてしまうぞ」


「面倒だ。近道しようぜ」


「その通りだ! ここを直進すればすぐに目的地に到着するぜ!」


 団員の一部が道筋を離れ、近道をしようとした。しかし、沼から現れたワニのようなモンスターが現れ、団員を飲み込んでしまった。仲間がワニに食べられた光景を見て、団員は悲鳴を上げて後ろに下がった。


「嘘だろ……何でこんなもんが……」


 その時だった。家光は何かに気付いて後ろに下がった団員を後ろに倒した。


「何をする! こんな状況でふざけているのか?」


 団員が立ち上がって家光に文句を言いかけたが、立っていた場所に向かって巨大なクモが降りてきた。団員は察した。下手したら巨大なクモの餌になっていたと。


「ひ……ひェェェェェ……」


 団員が巨大なクモを見て悲鳴を上げたその直後、木の上から巨大な蛇やムカデが降りてきて、団員たちを襲い始めた。


「うわァァァァァァァァァァ!」


「ギャァァァァァァァァァァ!」


「何だ……何だ? こいつらは!」


 奇襲を受けたせいで隙だらけになった団員に対し、容赦なしに蛇やムカデは団員を襲った。蛇に噛まれた団員はその場に倒れてのたうち回り、しばらくして動きが止まった。幹部の一人は動きが止まった団員を調べ、舌打ちをしてこう言った。


「毒が全身に回ったようだ……もう遅い」


「そんな……毒が回るのが早すぎるぞ」


「先へ行きましょう。木の上からも沼の中からも襲ってくることが判明したなら、もう襲われても対処できますよね?」


 家光は刀を握って襲ってくる蛇やムカデを斬りながら団員たちにこう言った。この言葉を聞き、団員たちは心の中でこいつは何が何でも行く気だなと思った。


 その後、家光たちは襲ってくるモンスターたちを斬り捨てながら先へ進んだが、まだ神殿へ到着することはできなかった。


「はぁ……はぁ……」


「こりゃーキツイ」


「仲間がさらに減っちまったよ……チクショウ!」


 と、団員の一人が地面を殴ってこう言った。その時、地面から大きな蛇が現れ、その団員を丸呑みにし、再び地面に潜ってしまった。


「これでまた一人減ったか……かなり危険なジャングルだな」


 ニートゥムはロストジャスティスの団員を見回してこう言った。ジャングルに入った時よりも、数がかなり減っていたのだ。


「それもそうだな。ジャングルに入ってから半数以上が死んでしまった」


 そう呟いた直後、地面に潜っていた蛇がニートゥムを丸呑みにしようと襲い掛かったが、逆にジェロディアによって二つに裂かれてしまった。その時、家光が何かを見つけた。


「見てくださいよこの看板。神殿まであと半分と書かれていますよ」


「まだ半分もあるのか……死ななければいいが」


 幹部の一人が小さく呟いた。団員もまだ危険な道が半分続くのかと思うと、少し嫌な顔をしていた。再び歩きだそうとした時、家光に目がけて何かが飛んできた。家光は刀でそれを叩き落として拾った。


「これはあいつの弾丸ですね……」


「その通りだ、家光! やーっと追いついたぜ!」


 聞き覚えのある声を聞き、家光はため息を吐いた。後ろを見ると、剣地たちが武器を持って構えていたのだ。それに、背後にはオノブたちオハリのメンバー、そしてヤーウが立っていた。


「ハーレムパーティーとそのおまけの連中か……」


 幹部の一人がこう呟き、武器を手にしようとした。だが、ティーアを見たニートゥムが笑い出し、ジェロディアを構えた。


「ティーア! 疲れや怪我はなくなったようだな、なら……心置きなくお前を殺せるぜ!」


「あんたはここで戦うな。俺がやる」


 幹部の一人は前に立ってこう言った。ニートゥムは舌打ちをし、その幹部に文句を言おうとした。だが、家光がニートゥムを止めた。


「私たちは先へ行きましょう。多分あの人、時間稼ぎで戦うと思います」


「そんなこと知るか、ティーアがこいつに殺されれば、俺の戦う理由がなくなる!」


「ほいっと」


 暴れだしたニートゥムに対し、家光はニートゥムのみぞおちを殴って気絶させた。その後、ニートゥムを背負って先に急いだ。ボスは幹部の一人に近付いてこう言った。


「勝てよ。負けそうになっても、誰か一人ぐらい道連れにしろよ」


「了解です」


 ボスは幹部の返事を聞くと、家光と共に先へ向かって走り出した。


 この作品が面白いと思ったら、高評価とブクマをお願いします! 感想と質問も待ってます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ