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奮闘する村人たち


 ロストジャスティスと家光とニートゥムは、ロメス村の近くまできていた。団員たちは危険な道を通ってきたせいか、かなり疲労していた。


「あらあら、だらしない人たちですねぇ。これでも世界最大の裏ギルドの団員ですか?」


「よく言うぜ……下手したら命を落とすところだったぞ」


「実際に仲間の何人かが死んじまった。次は俺かもしれないってビビっている。そんな中で進めと言われたら、嫌だと思うだろう」


「ま、それもそうですね。こんな中で進んだら次に死ぬのは自分かもしれないって思いますからね」


 家光は団員にそう言うと、少し離れた所に見える明かりを見てこう言った。


「喜んでください、ゴールは近いですよ。あともう少し、踏ん張ってください」


「す……すまねぇ……少し休ませてくれ」


 先へ急ごうとする家光に対し、団員の一人が疲れたような感じでこう言った。それを見た幹部クラスの人物も家光の方を見てこう言った。


「少し休ませろ。この状態じゃあハーレムパーティーと戦ってもすぐにやられる」


「そうですねぇ……ま、仕方ありませんね。少し休みましょう」


 家光はため息を吐いてこう言った。その後、後ろにいるニートゥムを見て家光は近付いた。ニートゥムは荒く呼吸をしており、右腕をずっと抑えていた。


「ジェロディアのせいで疲れが酷くなっているのですか?」


「ああ……そうかもしれない。さっきティーアと戦わなかったのは……この疲れのせいだ」


「勇者と戦っている時に言った言葉は強がりだったのですね。ま、あなたも人間だから疲れがあるのは仕方ありませんね」


「悪いな……俺は少し寝る……気だるさをごまかしたいからな……」


 ニートゥムは家光に返事をすると、目をつぶって眠ってしまった。家光はあらあらと呟きながらロストジャスティスの団員から毛布を借り、倒れたニートゥムにかけた。


 数時間後。到着した時はまだ昼だったが、昼寝を終えた家光が目を開けた時はもう日は暮れ、周囲は暗くなっていた。


「さて、皆様の疲れも取れたようですし、そろそろ攻め込む時間となりましたね」


 家光の言葉を聞き、ロストジャスティスの面々は武器を持ってにやりと笑っていた。数時間休んだためか、かなり体力も魔力も回復してしまったのだ。


「さぁ、宴の時間ですよ。この先の村ではやりたい放題やって構いません。もちろん、ティーア以外のハーレムパーティーの連中をやっちゃっても構いませんよ。では、参りましょう」


 その後、家光の後に続いてロストジャスティスの面々はロメス村へ向かって行った。村へ着き、家光は不信感を覚えた。立派な門が立っているが、門番らしき人物は立っていなかったのだ。


「こんな立派な門なのに、門番が一人もいないとは不自然ですねぇ」


「関係ない! このまま攻め込んで暴れまくってやるぜ!」


 団員の一部が一斉に門へ向かい、村の中へ入りこんだ。だが、その瞬間に風を裂くような音と共に矢が放たれ、村に入ったロストジャスティスの団員を貫いた。


「クソッたれ! 俺たちがくるのを待っていたのか!」


「あら、結構敵の方もやるようですねぇ」


 家光は飛んでくる矢をかわしながらこう言ったが、団員の一人は村の方を睨んでいた。


「仲間の仇だ! 全員ぶっ殺せ!」


 仲間の死を見た団員が一斉に村の中に侵入した。矢の攻撃はなかったが、次に現れたのは鍛えられた村人たちだった。




ヴィルソル:ロメス村


 村人たちは雑魚の相手は我々に任せてくれと言っていた。だが、相手は一人一人の実力が高い奴らだ。たとえ力が強くても勝てるかどうか我は不安だった。


「では行きましょう」


「うす!」


 村人たちはこう言うと、一斉に突っ込んでくるロストジャスティスの団員たちに向かって走り出した。


「こっちからくるのか!」


「好都合だ! このままぶっ殺してやるぜ!」


 我は武器を持ったロストジャスティスの団員が攻撃を仕掛けると思い、声を出そうとした。だが、その前に村人たちによる強烈なストレートがロストジャスティスの団員の腹を貫いていた。


「う……嘘だろ……」


「教えてやろう。極めし拳は鋭い刃のように貫く」


「悪く思うなよ。村長から命を奪ってもいいと言われたのだ。まぁ、悪党の命など価値は無に等しい!」


 予想外の光景を見て、我らは口を開けて驚いていた。今の攻撃は魔力を使っていない。ただのストレートパンチだ。それだけなのに、相手の腹を貫くほどの威力があるとは……。


「何だよ、こいつら……」


「ただのパンチで腹を貫きやがった……」


「クソが……クソが! こうなったらやけだ!」


 奴らはそう言うと、やけくそ気味に武器を持ったり、魔力を開放したり、禁断スキルのような技を使って村人たちに襲い掛かった。しかし、奴らの攻撃は村人たちには一切通用しなかった。攻撃を仕掛けても反撃されて鋭いストレートによって腹を貫かれたり、攻撃をかわされ、そのまま急降下キックでジャングルの方へ蹴り飛ばされたり、喝と大声を出したその衝撃で体がぶっ飛んだりしていた。その結果、ほんの数秒でロストジャスティスの団員の数は半分以下に減ってしまった。


「強い……強すぎる」


「この人たち、強すぎる」


「私たちの出番いらないじゃない?」


「かもしれないわね」


「あわわ……」


 ケンジたちも、村人たちの無双を見て驚いている。だが、一部の奴らが隙を見て邪神の心臓がある神殿に向かって走って行った。


「一部の連中が神殿の方へ向かっている! ここは村人たちに任せて俺たちは神殿へ行こう!」


 ケンジの声を聞いた後、我らは急いで神殿へ向かった奴らの跡を追って行った。その奴らの中には、イエミツとニートゥムも混じっていた。


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