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崖の上での戦い


ティーア:崖の上


 鳥にはあまり知能がないと本で書いてあった。歩いて三歩で前の記憶がなくなるらしいが、カラスだけは別で、鳥の中でかなり賢いという。私たちと戦うことになるであろう、鳥のモンスターであるメーアクバードは多分、カラスに似たモンスターなのだろう。


「グッ、こいつら……俺たちを下へ突き落すつもりだ!」


 ケンジはこう言いながらメーアクバードを睨んだ。メーアクバードは私たちを橋から突き落とすように攻撃をしている。自分たちが手を出さなくても、崖へ落せば下にある鋭利な棘で獲物が確実に命を落とすことを奴らは知っているのだろう。そして、その死骸を食べる。えげつない奴らだなー。


「ヤーウ、こいつらモンスターだし、やっつけてもいいよねー?」


「うん。こいつらカラスのモンスターだけど、肉が美味いの。倒して後で焼いて食べよう」


 と、ヤーウは笑いながらこう言った。多分対処法を知っているのだろう。まぁ、何度もロメス村へ行っているのであれば、何回か戦っているだろう。


「さーてと、腹も減ったしこいつらを倒して焼き鳥にしてやろうぜ!」


 ケンジは銃を持って襲ってくるメーアクバードを打ち落とそうとした。だが、ケンジが放つ弾丸はメーアクバードを外してしまった。いや、あれは外したわけじゃない、奴らは弾丸が飛んでくると予想してかわしている。クッ、そこまで頭が回る鳥がいるなんて!


「こいつら、結構頭がいい……」


「銃が駄目なら魔力でやるわよ!」


「ナルセ、手を貸すわ!」


 ケンジの弾丸の攻撃の後、ナルセとヴァリエーレの魔力の攻撃がメーアクバードを襲った。この攻撃をかわすメーアクバードはいたのだが、一部のメーアクバードは変則的に動く魔力の攻撃に命中し、下へ落ちて行った。


「おーおー、自分たちが下の岩に突き刺さるとは考えてもいなかったようだ」


「そうじゃの」


 オノブさんと魔王が下に落ちたメーアクバードを見て行った。どうやら、下の鋭利な棘に突き刺さったようだ。エグイエグイ。


 敵の心配をしている場合じゃないな。メーアクバードを倒さないとこの先へ進めない。進むことはできるだろうが、メーアクバードが絶対に邪魔をしてくるだろう。倒してから先に進みたいな。


「うるさい鳥ですねぇ。カラスよりも騒がしい」


「さっき戦ったロストジャスティスよりも邪魔ですね……」


 背中合わせで戦っているタトミさんとニッコーさんが呟いた。確かに、人よりも空を飛んで戦うメーアクバードはかなり邪魔だ。私も剣で戦っているが、なかなかメーアクバードに攻撃は当たらない。派手に動いたら、橋が壊れて落ちてしまう。そう思っていると、私はあることを思いついた。


「皆、次の崖へ行こう! 橋で戦うと落ちる恐れがある!」


「そうだな。ここで戦ったら、橋が壊れて真っ逆さまだ。皆、俺が銃であの鳥を惑わすから崖へ向かってくれ!」


 その後、私たちは次の崖へ急いで向かった。ケンジが銃を撃ってメーアクバードの動きを翻弄してくれたため、無事に次の崖にたどり着いた。周りに柵があるため、落ちる心配はないだろう。さて、反撃開始だ!




ルハラ:崖


 空を飛ぶメーアクバードはかなり強敵だ。ケンジが銃を撃ってもかわしちゃうし、でたらめに動くからナルセとヴァリエーレの魔力の攻撃も当たりにくい。ヴィルソルやティーアも魔力で応戦しているが、なかなか当たらない。光や闇も当たらないと無意味だ。魔力の無駄使いになってしまう。


「ふむ……そうか。ちょっと試してみるか」


 私はある考えを思いつき、行動に移した。奴らは目に見える魔力による攻撃や銃弾をかわしている。なら、見えない攻撃ならどうだ?


「ルハラ? 何か手を考えたの?」


 おっ。私の魔力を察したナルセが私の方を向いた。私は思いついた考えをナルセに伝えた。


「うん。あの鳥は見える攻撃はかわすことができる。なら、見えない攻撃はどう対応するかと思ってね」


「見えない攻撃……もしかして、風で攻撃するのね」


「その通り!」


 ナルセに返事をした後、私は風の刃を発した。見えないように細工してあるため、メーアクバードは私が攻撃したと思わないだろう。


「ルハラの攻撃がうまく行けばいいんだけどな……」


 ケンジは少し不安そうに呟いた。まぁ、私もこの攻撃が効果あるかどうか分からないけどね。けどま、何もしないよりかはましだ。考えたらすぐに行動!


 しばらくすると、少し離れた所で飛んでいるメーアクバードが血を流しながら落ち始めた。おっ、私の風の攻撃が当たったようだ。それから次々とメーアクバードが落ちて行った。


「ルハラ、お前の攻撃が当たっているぞ!」


「いいアイデアを思い付いたわね。これで勝てるわ!」


「フッフーン。褒めるならもっと褒めてー」


 ティーアやヴァリエーレが私に近付いて私を褒め始めた。これだけ褒められるのは気分いいよねー。


 しばらくし、私の風による攻撃を受けたせいか、メーアクバードの群れは姿を消した。見えない攻撃で落ちて行く仲間を見て、驚いて去って行ったのだろう。そして、私たちの強さを察し、敵わないと思って逃げたようだ。焼き鳥にして食べようと思ったのに、ちょっと残念。


「いやー、ルハラ殿のおかげで助かりましたよ」


「これで先に進めるね。でも、メーアクバードの焼き鳥を食べたかったな」


 ニッコーさんとヤーウがこう言った。私もメーアクバードの焼き鳥は一度食べてみたかったなー。ヤーウが食べたかっていたから、かなりうまいだろう。でも、今は食欲よりも先へ進むことを優先しよう。ロメス村まではあと少しだ。


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