心臓を守る化け物VS最強幼なじみコンビ
成瀬:ボーンアレクスの心臓付近
ようやくこの戦いに終わりが見えたかと思った。私と剣地は運よく心臓付近に流れ着いた。このチャンスを生かすため、ボーンアレクスの心臓を破壊しようとした。しかし、突如周囲の壁や床から化け物のような物体が現れた。
「ケーッケッケッケ!」
「グッパァァァァァ!」
化け物はピンク色をしているが、人のような形をしている。剣地が剣を振って攻撃をするが、柔らかい体のせいで剣の攻撃が通じていない。
「クソッ、粘土でも斬っているようだぜ」
剣地が剣であいつらの体を斬っても、すぐに再生してしまう。完全に倒すには消滅させるしかないのか。
「下がっていて、剣地! 魔力で倒すわ!」
私は光を発し、剣地の近くにいた化け物に光を当てた。光を受けた化け物は悲鳴を上げずにそのまま消滅した。塵も残さず。
「いい剣地? 体が再生する以上奴らを斬っても増えるかもしれないわよ」
「そうだな。こうなりゃ剣で戦うよりも魔力を使って戦った方がいいな」
剣地はそう言って剣をしまって闇を発した。しかし、その闇は小さかった。スカイウイングを長時間使ったせいで魔力がなくなったようだ。
「悪い成瀬、俺はサポートに徹する。スカイウイング使いすぎた」
「任せなさい。あいつら全員跡形もなく消し去ってやるわ」
私はそう言って、光を使って化け物に攻撃を仕掛けた。さっきの攻撃で私の光を受けたらまずいということを学んだのか、化け物たちは私の攻撃を避けた。だが。私が放つ光の軌道をあいつらは学んでいない!
「避けているだけじゃ無駄よ!」
私が放った光は途中で分裂した。化け物たちもこうなることは予想していなかっただろう。分裂した光は化け物に命中し、大きく破裂して化け物を飲み込んだ。
「すげーな成瀬。あの光でほとんどやっちまった」
「これでも手を抜いているのよ」
驚く剣地に向かって私はこう言った。さて、化け物の数が少ない時に心臓を狙わないと。私はそう思い、光の矢を作って心臓に向けて放った。が、急に現れた化け物が心臓の盾になるように現れた。
「なっ! 自分の身を犠牲にして心臓を守りやがった!」
「現れるタイミングはあいつらの自由なのね。かなり厄介だわ」
光の矢を受けた化け物は倒れていたが、少しして不気味な笑い声を発しながら立ち上がった。矢を貫いた部分は貫通して穴が開いていたが、すぐにあいつの体は元に戻った。やはり、光を使っても、確実に一撃で塵みたいにしないと倒すことは不可能のようだ。
「光でもちゃんと包まないと駄目みたいだな」
「しゃーないわね。剣地、心臓は任せた。私はあの化け物を相手にするわ」
「了解。化け物の相手は任せるぞ、成瀬」
「大丈夫よ。あんな奴らに私は負けないわ」
そう剣地に言い、私は魔力を開放した。それに合わせるかのように、化け物も大量に現れた。今度はさっきよりも数が多い。
「グギャッ! グギャギャギャギャ!」
「ゲヒャー!」
「ウッゲェェェェェェェェェェェ!」
号令に合わせるかのように、化け物たちは奇声を上げて私に襲い掛かった。私は奴らの攻撃をかわしつつ、光を発して奴らを塵にしていった。だが、いくら奴らを消してもまたどこからか現れる。剣地もバズーカやガトリングで心臓を狙うが、突如現れる化け物に攻撃を阻まれる。
「クッソー! どんどん現れるぞ、こいつら!」
「そうね、どうしたらいいかしら……」
その時、私はふとあることを思いついた。簡単なことじゃないか、何で最初に思い浮かばなかったのだろう。
「ちょっと待って、剣地。いい案が浮かんだわ」
「いい案?」
私は重力を操る力を持つ闇を発し、高い所に設置した。すると、私と剣地の周りにいる化け物たちがその重力に引っ張られ、次々と闇の方へ飛んで行った。剣地は飛んで行く化け物を見て、にやりと笑いながらバズーカを構えた。
「成瀬、ナイスだ。これなら邪魔をされずにぶっ放せるぜ!」
「剣地、キツイの一発やって頂戴」
「もちろん!」
剣地はそう言うと、バズーカの引き金を引いた。強烈な音が辺りに鳴り響き、轟音と共にバズーカ弾が発射された。私の重力の闇のおかげでバズーカ弾は邪魔されることなく、ボーンアレクスの心臓に命中した。この一発で心臓は大きな音を発しながら破裂した。
「よっしゃ! 命中! 心臓がぶっ飛んだぜ!」
「これで終わりね」
破裂した心臓を見て私と剣地はこう言った。闇にくっついている化け物は絶望したような顔をしながら破裂した心臓を見ていた。しばらくすると、化け物たちの体は徐々に悪い色になり、そのまま溶けるように消えた。さて、後はどうやってここから脱出しようか。
ルハラ:集落の外
結構強いな、ボーンアレクスは。頑丈だし、でかいし、角というとんでもなく恐ろしい武器もあるし。私は後ろに下がって呼吸を整えていた。だがその時、突如ボーンアレクスの動きが止まった。
「何? 何かあったの?」
「急に動きが止まったね」
ヴァリエーレとティーアがボーンアレクスの動きが止まったことを呟いた。空を飛んで攻撃を行っていたヴィルソルもその手を止め、ボーンアレクスの所へ近づいた。
「我がこれだけ触っても反応がない。毛の一本も抜いても反応せぬぞ」
「これって……もしかして……死んだんじゃないの?」
ティーアがぽつりと呟いた。私はボーンアレクスに近付いてヴィルソルと同じように触ったり毛を抜いたりした。これだけやりたい放題やっても反応はない。これはもしかして、中にいるケンジとナルセが何かをしたのだろう。飲まれても戦い続けるなんてすごい。
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