ボーンアレクスとの遭遇
剣地:集落
俺とルハラが寝ている間に話は進展していたようだ。確かに俺は寝る前にボーンアレクスって名前のモンスターを倒すことを承諾した。
「どんなモンスターかな? 見たことがないからちょっと緊張する」
俺の横にいるルハラが頭の上で腕組をしながらこう聞いてきた。俺は目が覚めた後で成瀬から話は聞いている。象に似ている大きなモンスターらしい。で、そいつが集落の外にいたロストジャスティスの連中を踏み潰したと聞いた。人を踏み潰すなんて……どんだけでかいモンスターだ?
「見たことないから分からねーなー。ヴィルソルも知らないって言っていたし」
「人を踏み潰すなんて、物騒なモンスターだねー」
「本当にそうだな」
俺とルハラが話をしていると、成瀬が部屋に入った。
「二人とも、一応支度をしておいて。今日の夜には出かけると思うから」
「夜か。確か、夜に動きが活発化するって言っていたな」
「被害が大きくなる前に何とかしないとね」
「ええ。私たちの働きにかかっているからね」
話をした後、俺とルハラは戦いの支度を始めた。ルハラはすぐに終わったが、俺はパーレストの戦いがあったせいで準備に手間取った。弾丸もあまりなかったし、愛用している剣も汚れたままだ。いくら神様から貰った剣でも汚れたままじゃあ威力が落ちる。俺はタオルを使って汚れを落とし始めた。そのついでに、砥石で刃を研いだ。
「ケンジ、私は外に出て皆と合流するよ」
「ああ。分かった」
俺の返事を聞いたルハラは外に出て行った。成瀬たちの方へ行ったと思うが、多分セクハラしに行ったのだろう。変なことにならなければいいが。しばらく剣の整備を行っていたが、外で成瀬の悲鳴と怒声が聞こえた。相変わらずルハラは……。ま、あいつらしいといえばあいつらしいが。
「ふぃー、やーっと終わった……」
整備が終わったのは砥石で剣の整備を始めて一時間が経っていた。立ち上がって軽く運動していると、再び成瀬が部屋に入った。
「整備終わった? ルハラのセクハラが終わらないのよ」
「今終わった。すぐ行くよ」
その後、ルハラたちが部屋に戻ってきた。皆戦いの準備は終わっているようだが、かなりの重装備だ。
「結構ごつい装備だなー」
「聞いたことがないモンスターが相手じゃからの」
「緊急時のために装備はたくさん用意しないと」
軽鎧を装備したティーアとヴィルソルがこう言った。その時、ヴァリエーレさんが俺用の軽鎧を持ってきた。軽いけど、かなり頑丈だ。幻大陸でしか取れない鋼や鉄で作られているのだろうか。
「この鎧を着ておけ。ボーンアレクスの角は防げると思う」
同じような装備をしたヤーウが部屋に入ってこう言った。ルハラの格闘技のような技を使うヤーウでも、剣や槍を装備していた。
「準備ができたら行くよ」
「ああ。もう準備はできている。すぐにでも行けるぜ」
俺は軽鎧を装備し、ヤーウに答えた。
ティーア:集落の外
ジャングルだけあってか、夜はかなり暗い。ナルセが明かりで火を灯してくれているが、それでも足りないくらいだ。
「結構暗いなー」
「電気が通っていないジャングルだからね。そりゃ暗いわよ」
ケンジとナルセがこう言いながら歩いている。ルハラは辺りを見回しながらヴァリエーレの胸を揉もうとしている。あ、ばれてヴァリエーレに手を叩かれた。
「バレバレよ」
「ちぇー」
ルハラは悔しそうにした後、口笛を始めた。そんな中、魔王が少し呆れてこう言った。
「オノブさんたちも手伝ってくれればいいのに」
「仕方ないよ。オノブさん、酔っぱらって倒れたから。ニッコーさんとタトミさんが看病で動けないし」
私は集落を出る前にオノブさんの部屋に寄った。オノブさんは酔っぱらって倒れており、ニッコーさんとタトミさんが看病をしていた。そのせいで、オノブさんたちは今回戦えない。
しばらく歩いていると、小さな音を耳にした。魔王も聞こえたのか、その場に立ち止まった。
「何かいる」
「うん」
「やっぱり。地響きを感じた」
ケンジが剣を構えてこう言った。ナルセたちも戦いの準備をしている。皆あの音を耳にしたのか。
「構えて皆。すぐ奴がこっちにくる!」
ヤーウは緊張しながらこう言った。ロストジャスティスを相手に戦って勝利したヤーウだったが、そんなヤーウでも恐怖のあまり緊張するのか。だとしたら、ボーンアレクスはとんでもなく強いのだろう。
しばらくすると、闇にまぎって更に濃い闇が現れた。ナルセが魔力の火で明かりをつけると、そこには巨大な象が立っていた。
「で……でけぇ……」
「嘘でしょ……もしかして……これが……」
「そう。ボーンアレクスよ」
皆、ボーンアレクスの姿を見て茫然としている。私だってあんな大きい象を見たことがないし、相手にしたことがない! 角が頑丈で恐ろしいと聞いたけれど、あいつの鼻も恐ろしい。鼻息が暴風みたいだし、歩くことに軽い地震のような揺れが起こる。
「気を付けて! 襲ってくる!」
ヤーウがこう言った後、ボーンアレクスは大きな声で叫んだ。うるさい、うるさすぎる! 暴走族のバイクの音や大砲の音と比べ物にならないくらいうるさい! もしかして、幻大陸に住んでいる人は皆こんなのを相手にして戦っていたの? そりゃあヤーウみたいに強いわけだ!
「ティーア! 鼻が迫っているぞ!」
ケンジの声が聞こえた。私は高く飛び上がってボーンアレクスの攻撃をかわした。ギリギリ当たりそうになったけど、かわすことができた。しかし、ボーンアレクスの鼻は周囲の木を軽々となぎ倒してしまった。今からこんなのを相手にするのか、勝てるかな、不安になってきた。
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