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それは奴との最終決戦を意味する


成瀬:ニッコーの飛行機


 ついに幻大陸を見つけることができた。だけど、あのオノブさんでさえ驚くようなことが現地で起きている。ただの大陸ではない。これまで依頼や邪神関連でいろんなことをしてきたけれど、それらよりもはるかに危険なことが起こるかもしれない。いや、必ず起きる。私はそう思っていると、剣地がニッコーさんにこう聞いた。


「ニッコーさん。家光は俺たちの行動に気付いたのですか? 海の遺跡から出てきてから、奴らの姿を見てないから不安で……」


「私たちの行動に気付いた可能性はあります。私も話は聞きました。海の遺跡で奴らと派手に戦ったようですね」


「ええまぁ」


「奴らは傷を治すために海の書から話を聞かずにそのまま遺跡から戻ったのでしょう。あいつの孫です。何かしらの方法を取ってあるのでしょう」


「悪知恵は働くやつじゃからのう」


 と、ヴィルソルは呆れたようにこう言った。その言葉を聞いたニッコーさんは頷いて口を開いた。


「これは私の考えですが、奴らは私たちの行動を見て、異変があったら動くようにしているのでしょう。それなら、海の書に話を聞くよりも楽ですから」


「もしかしたら、追尾されている可能性も?」


「はい。あります」


 ニッコーさんは運転しながらヴァリエーレさんの質問に答えた。そうか、わざわざ海の書に話を聞かなくても、私たちかオノブさんの後を付ければ幻大陸に着くことができる。家光のような卑怯者ならやりかねない。


 今残っている邪神復活のアイテムは心臓一つだけ。私は今回の戦いで家光との決着がつく。そんな気がしてきた。




 剣地たちがニッコーの飛行機に乗り込んで幻大陸に旅立った日。遠く離れた大陸にあるホテルに泊まっている家光はイヤホンを付けて何かを聞いていた。家光はいざという時のために、こっそりとオノブの飛行船に超小型の高性能隠しカメラを仕掛けていたのだ。


「ほう。幻大陸を見つけたようですねぇ……」


 そう呟いて、家光は紅茶をすすった。そんな様子を見たニートゥムは、獣のような声を上げてこう言った。


「呑気な奴だな……相変わらず……」


 そう言った時、再びニートゥムは声を上げてこう叫んだ。


「さぁ、さっさと奴らを殺しに行こうぜ! この町の連中全員殺しても俺の気は収まらない!」


「はぁ、またジェロディアに体を乗っ取られたのですか。面倒ですねぇ」


 家光はそう言ってニートゥムの体を乗っ取ったジェロディアに近付き、頭にチョップをした。


「グッ……すまない。助かった」


「最近多いですよ。一日に何度もジェロディアに体を乗っ取られています」


「ああ……あの野郎、隙を見て……俺の体を……乗っ取るつもりだ……ハァ……ハァ……」


「落ち着いてくださいね。下手したら、またジェロディアが大勢の人を斬ってしまいます。やーっと血の臭いが消えたっていうのに、また体に付着してしまうではありませんか」


 家光はため息を吐いて、廊下の惨状をニートゥムに見せた。ニートゥムの体を乗っ取ったジェロディアは、本能のままホテルのスタッフや客、そしてホテルがある町の住人を一人残らず斬ってしまったのだ。家光は止めようとしたのだが、無駄だと思って止めたのだ。連絡をする人物がいないためか、マスコミはこの惨状を知ることもなかった。


「さて、私たちも動きましょう。ずっとここにいたらあの人たちに場所を勘付かれてしまいます」


「おい、どこへ行く?」


「この世で最強、そして最悪の裏ギルド、ロストジャスティスのアジトです。これまでいろんな裏ギルドの連中を雇ってきましたが、ことごとくハーレムパーティーにやられてしまいました。今回は確実に奴らの息の根を止めなければなりません」


「理解していると思うが、ティーアは俺の獲物だからな」


「私は知っていますから大丈夫。その話はロストジャスティスの皆さんにしてください。今からアポを取りますので、しばらく静かにしてください」


 そう言って、家光は携帯電話を取り出して電話を始めた。その数分後、家光はにっこりと笑いながらニートゥムにこう言った。


「今日会ってもいいそうです。早速行きましょう」


「ああ……グッ!」


 ニートゥムは苦しそうに胸を抑えた。家光はあらまぁと呟きいた後、失礼と言ってニートゥムを殴り、気絶させた。その後、ニートゥムの腰にあるジェロディアを自身の腰に刺した。。


「向こうで暴れられては困りますのでね。しばらく休んでいてくださいね、ジェロディアさん」


 家光はジェロディアに向かってウィンクをしてこう言うと、部屋から去って行った。


 ロストジャスティスのアジトは家光とニートゥムが泊まっているホテルの隣町にある。家光は近くにあった血が付着していない車の扉を開け、中にいる血まみれの運転手を地面へ蹴り落とし、車のエンジンをかけて出発した。


 出発して数十分後、家光は隣町に到着した。門をくぐろうとすると、前にいた警察官が家光の乗る車の前に現れた。


「すみません。隣町のナガネ町からきたのですか?」


「はい。何か問題でも?」


「実は、ナガネ町の市長や警官隊、及びナガネ町から連絡が途絶えたと通報が入ったのですよ」


「ここ最近、ナガネ町からくる人がいなくなってしまってねぇ。何か知っているかい?」


「いや、私は何も知りませんよ」


 家光はそう言ってごまかしたのだが、警官は家光が乗る車に少し血があることを見つけた。


「その血は何ですか?」


「蚊を潰した時に出たのですよ。大量に血を吸われました」


「ごまかさないでくださいよ。これは明らかに刃物か何かで斬られて出た血ですよね。少し、署でお話を……」


 警官がそう言って近づこうとした時、急に警官の腹から刃物が現れた。刃物が引き抜かれると、警官は力を失ったようにその場に倒れた。その後ろには、血塗られた剣を持った男がいた。


「ロストジャスティスの人ですね」


「ご名答」


 家光は男の答えを聞くと、にやりと笑った。


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