風の刃と炎の刃
ヴィルソル:イベント会場
今、ヴァリエーレが戦いを終わらせてケンジとティーアの方へ向かったか。我も目の前の相手をさっさと片付けて援護に向かいたいが、相手の槍がとても厄介で攻撃をかわすだけで精一杯だ。ところどころ隙があるのだが、それをカバーする戦い方を行っている。かなり強い奴と当たってしまったの。
「クッ、めんどい!」
我も槍を装備し、相手の槍をへし折ろうとした。じゃが、相手は攻撃を受け流すように槍を動かし、我の攻撃をかわしてしまった。
「なるほど……それなりに強いというわけか……」
我の言葉を聞き、戦っている相手は不気味な笑みを漏らした。勝てる相手ではあるが、それまでに時間がかかる。それまでにナルセかルハラ、頼りにするのが少々イラつくがジョンの戦いが終わればいいのじゃが。
ルハラ:イベント会場
私は魔力を開放し、ミネって人に走って行った。ミネの方も私が突っ込んでくると察したのか、両手にナイフを持って火の魔力を解放した。炎の威力が強すぎて、ナイフを纏っている炎が剣の刃みたいに長くなった。
「アーッヒャッヒャー!」
頭のねじがぶっ飛んだような笑い声で、ミネって人も私に向かって走って行った。しばらくし、私とミネは出会い頭に互いを斬り付けた。この攻撃は私の風の刃とミネの炎の刃が相殺しあい、激しい火花が散っただけだった。相殺後、互いに一旦一歩下がった後、魔力を練り直していた。うーむ。似たような動きをするなー。そもそも、ミネに合わせて動く必要はないな。私は軽く深呼吸して魔力を整えようとしたが、ミネは再び私に向かって走ってきた。
「好都合」
私はにやりと笑った。私が考えていたのは風で動きを封じる罠を作り、どさくさに紛れて床に設置しようとしたのだ。本来ならちょこまか動いている時に罠を作ってこっそり設置しようとしたのだが、ああやって何も考えずに真っすぐ突っ込んでくるようなら、私の近くに罠を仕掛けるだけでよい。突っ込むだけだから、簡単に引っかかる可能性があるからだ。
罠の存在を知っているかどうか分からないけど、ミネは猛スピードで私に近付いてきた。近付くにつれ、私はミネが罠を察知していないことを確信した。
「突っ込む前に周囲を見た方がいいよー」
接近してきたミネに対し、私はこう言った。その直後、設置した罠が発動し、風で作った鎖がミネの体を封じるように絡み、風の刃で傷を与えた。
「あがァァァァァァァァァァ!」
痛みを感じているのか、ミネは大声で叫んでいた。しかし、ミネから感じる魔力は強い。それもそのはず、ダメージを受けている状態でありながら、炎が纏ったナイフを振り上げ、私に斬りかかろうとしていたのだ。
「グッ!」
とんでもない人だ。罠にかかった状態で無理矢理私に斬りかかろうとした。ちょっとかすったが、大きな傷は受けていない。
「ウギャァァァァァァァァァァ!」
おいおい、無理矢理鎖を引きちぎって罠を解除したよ。そのせいで傷がたくさんできてしまったのに、まだ闘志はあるようだ。
「コロス……コロス……コロォス!」
闘志の他にも殺意があるようだ。仕方ない。すぐに倒してケンジたちの方へ向かうつもりだったけど……ちょっとだけお楽しみタイムを始めますか!
私は傷まみれのミネの体を癒すため、ミネの着ている服を引っぺがした。
「んがっ!」
操られている状態でも、下着姿になったのは把握できたようだ。すぐに服を取り戻しに私に向かってきたため、それなりに羞恥心は残っているようだ。
「あそーれっと!」
私は服を投げて隠した後、ミネを押し倒すように上乗りになった。
「グガッ! アアッ!」
「そんなに慌てなさんな。すぐに楽にしてあげるよ。いろんな意味でね」
私の笑顔を見たのか、ミネは怖いものを見るかのような表情をしていた。操られていても羞恥心はあるため、それなりに感情はあるようだ。だがしかーし! 相手を元に戻すためと私の欲求を解消するため、セクハラをするしか他にはない! ちょーっとだけ罪悪感を覚えたけど、ここはやるしかないよね。
「グッヒッヒ……さぁ、お楽しみタイムの始まりじゃァァァァァァァァァァ!」
叫び声を上げながら、私はミネの体を触りまくった。
数分後、私の欲求は満たされ、ミネは……多分元に戻ったのだろう。
「はぁ……はぁ……何で……こんな所で酷い目に……」
「あ、元に戻った?」
「戻ったわよ……噂通りのセクハラエルフね……勝てるわけないわ」
私の質問に答えを言えるため、元に戻ったのだろう。私はすぐに魔力で治療をはじめ、ナルセたちの戦いの邪魔にならないように会場から出て、ミネに話を聞いていた。
「どうして操られたの?」
「分からないわ。ペルって人がアジトにきて、変なことを言ってから意識が途切れたの」
やはりペルさん……もう奴が黒幕だからあいつにさん付けするのは嫌だな。呼び捨てでいいや。ペルが黒幕だったか。やっぱり、あいつは何らかの理由でガルートスを操った。多分……何かの計画のためでコマとして使うためだろう。
「操られている中、それなりに意識はあったから状況はそれなりに把握しているけど、ハーレムパーティーのケンジとティーアって名前だったかしら? あの二人を行かせて大丈夫なの?」
「え? どういうこと?」
「何も考えてないの? もっと深く考えなさいよ。ペルって奴は私たちガルートスを操るスキルか魔力を使えるのよ。二人がペルに操られたらどうなるか……」
そうか。一応ペルが怪しいと二人は思っているし、何らかの対策は……多分してあると思う。ただ、ヴァリエーレも今向かったところだから……うーむ、なんだか不安になる!
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