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何だか様子がおかしいぞ


成瀬:デュークスーパースタービル宿泊室


 何とか今日一日を過ごすことができた。しかし、今回の依頼で戦うだろうガルートスはちょっとおかしい。今日も剣地とルハラがガルートスの団員と戦った。今は警察で取り調べをしているが、全員気が付いたら現場にいたと言っている。剣地とルハラと戦っていた時の記憶がないのかもしれない。剣地とルハラも少し様子がおかしかったと言っていたわね。


「ふーむ、何でリリオさんが狙われるか分からんのう……」


「だねー。戦っていた時とその前の記憶がないって言っているのがちょっと厄介だねー」


 ヴィルソルとルハラはクッキーを食べながら話をしていた。話を聞いていたヴァリエーレさんとティーアもガルートスのことを聞いて少し厄介そうな顔をしていた。


「あれこれ考えても答えは見つからないし、今はリリオさんを守ることしかできないね」


「ええ。何か分かるまで変に動かない方がいいわ」


 ヴァリエーレさんの言う通りだ。前は裏ギルドのアジトに乗り込んで壊滅とかやっていたけど、今は情報が欲しい。とにかくリリオさんを守りつつ、襲ってくるガルートスの連中を倒して捕らえ、話を聞きだそう。いずれ、話を知っている奴が出てくるだろう。そんな中、剣地はあくびをして立ち上がった。


「明日はイベントで外に行くらしいから、俺はもう寝るぜ」


「そうね。今日はもう遅いから早く寝ましょう」


「明日も早いしねー」


 と言うわけで、明日に備えて皆寝ることにした。確か、ヒレラピ護衛の時はイベントの時に襲撃があった。うーん……そんなことがあったからまた似たようなことがあると考えてしまう。何もなければいいけど。


 翌日。私たちはバスに乗ってイベント会場へ向かっていた。バスにいるのは私たちとリリオさんとトリュスさん、そして作詞家のペルさん。ペルさんも作詞の方ではかなりの有名人であるため、イベントに参加するそうだ。それなりにファンがいるらしい。まぁ、顔は整っているし、女性が見たら黄色い声を上げるだろう。


 しばらくし、私たちは無事にイベント会場に着くことができた。襲われなくてよかった。どうやら、ガルートスの連中は移動中に攻撃をすることを考えていなかったようだ。


「ふぃー、何もなくてよかったなー」


 剣地はバスから降り、背伸びをしながらこう言った。長時間のバスの移動だったせいか、ルハラは屈伸を繰り返していた。


「あー、足痛い。ずっと座っているのも問題だね」


「何時間も座りっぱなしじゃったからのう」


「途中でサービスエリアに立ち寄ったけど、まだ足痛いよ」


 ヴィルソルとティーアは足を回しながら痛みをほぐしていた。ヴァリエーレさんは私に近付き、話しかけた。


「変な奴は周囲にいないわ」


「そうですね。魔力も感じないし、今はいないみたいですね」


「ええ、今は」


 私とヴァリエーレさんはいずれ敵がくるだろうと思っている。リリオさんがイベント会場にきたことを察したファンの人たちが騒ぎ始め、徐々に集まってきている。この中に混じって襲う可能性がある。気を付けないと。




ヴァリエーレ:イベント会場


 今日行うイベントはリリオさんがメインではない。他にも参加する歌手の人たちがいる。


「おっ、あの人この前テレビで見たぞ」


 ケンジは目の前に歩いているロックバンドを見てこう言った。ルハラも有名なグラビアアイドルを見て興奮している。バンドのイベントだと思ったけど、場を盛り上げるためにグラビアアイドルを呼んだのか。スケベな男たちが喜びそうだ。ケンジはすぐにそっちの方をずっと見ている。ルハラがいつもスケベ方面で暴走しているけど、ケンジもそれなりにスケベなことを忘れていた。


「剣地?」


 ナルセがケンジに近付き、魔力と殺意を放っている。それを察したケンジは慌ててナルセの方を見つめてこう言った。


「い……イヤーナルセノホウガスタイルハイイシセイカクモイイデスヨー。アハハハハハ」


「心がこもってないわよ。それに棒読み」


 ケンジを攻撃し始めるナルセを止めるため、ティーアとヴィルソルが慌てて駆け付けた。


「止めんかナルセ!」


「気持ちは分かるけど、戦う前にケンジが再起不能になっちゃうよ!」


「ごめん、もう一発殴らせて」


 と言って、ナルセはケンジの腹にボディーブローを決めた。


「いててて……ごめんよ、成瀬……」


 ケンジは苦しそうにうめき声を上げていた。だが、その言葉を聞いてもナルセの機嫌は直らなかった。その後、私たちはリリオさんの所へ向かった。


「皆さん、広い会場になりますが護衛の方をお願いします」


「変な奴がいたらぶっ飛ばすよー」


「その前にルハラはグラビアアイドルに目移りしないでね」


 と、ナルセがこう言った。その時、スタッフの人が部屋に入ってこう言った。


「オープニングが始まりますので、一度ステージの方へきてください」


「分かりました」


 どうやら一度、参加者全員でオープニングをやるようだ。狙うタイミングとしては最適だろう。私たちは護衛の名目で裏に回ることを許可してもらい、リリオさんに同行した。


 ステージの裏側に到着し、私たちはそこに置いてあるカメラや望遠鏡などで不審者がいないか確認し始めた。しばらくすると、ヴィルソルが何かに気付いて声を出した。


「魔力を感じた。皆、武器を持って構えて!」


 その直後、観客席の方から悲鳴が上がった。何者かが立ち上がり、ステージの方へ向かって走ってきている。しかも、剣や銃などの武器、一部の奴は魔力を開放している。普通にイベントが終わってくれることを祈っていたけど、やっぱりこうなったか。すぐに終わらせてイベントを再開させよう!


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