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怪しい影


ルハラ:デュークスーパースタービル内


 新曲の収録は長時間続いた。そのためか、ケンジとナルセは眠ってしまい、ヴァリエーレも少し眠そうだ。ヴィルソルがあくびをしながら時計を見て、驚いた。


「うえっ、もう三時間過ぎ取るぞ」


「それだけ時間がかかるのね……疲れるよ、これ」


「まだ終わりそうもないねー」


 私がこう言った直後、スタジオの扉が開き、中からリリオさんやペルさんが現れた。


「お疲れ様です。ではまた明日、こちらに伺います」


「はい。よろしくお願いします」


 リリオさんとペルさんがこう会話をした後、ペルさんは去って行った。その音を聞いたのか、ケンジとナルセは目を覚ました。


「あれ、いつの間にか眠ってたみたい」


「いつの間に……寝顔見られたかな? 恥ずかしいな」


「起きたか二人とも、今収録が終わったところじゃ」


「結構時間がかかったからね。神経使ったから疲れているんでしょ」


 私たちはこんな会話をしていると、リリオさんが声をかけてきた。


「今から食事に行きませんか? トリュスさんがレストランを予約したのです」


 どうやらトリュスさんがレストランを予約したようだ。食事はどこかで済ませようと思ったけど、おごってもらうならラッキー。それに、リリオさんの護衛もできるし。


 その後、私たちとリリオさんはトリュスさんと一緒に予約したレストランへ向かった。レストランへ着き、私たちは目を丸くして驚いた。とても普通のレストランとは思えない豪華な外見。それをさらに美しくなるように照らされるライト。どこからどう見たって超豪華なレストランだ。


「あの……本当にここでいいのですか?」


「はい。会長がハーレムパーティーに再び依頼をするし、なんか申し訳ないからその礼を兼ねて予約してくれたのです」


「会長が予約したのですか」


「ええ。ディナーコースを頼んだと言っていました」


 リリオさんとトリュスさんは動じずに店内に入って行ったが、私たちはぎこちない動きで店内に入って行った。中に入って、私たちはさらに驚いた。中にいる客はスーツやドレスなどを着ている。レストラン内を見渡しても私たちのような近くにあるチェーン店で販売されているような服を着ている人は存在しなかった。


「こんな安い服で目立ってないかな……」


「ルハラも動揺しているね……私は勇者で有名だから、変な噂が流れそう……」


 私とティーアはかなりドキドキしている。だが、それよりもヴァリエーレも動揺しているようだ。


「普通の服できちゃったけど、何か言われないかな……」


 そう言えばヴァリエーレは有名どころのお嬢様だった。確かに変な噂が流れそう。ヴィルソルとケンジ、ナルセが一言も発していない。どうやら、緊張しすぎて真っ白になっているようだ。


「皆様、こちらになります」


 そんな中、ウェイターが私たちを席に案内をしてくれた。私は固まっているケンジたちを引っ張り、席へ向かった。




ティーア:レストラン


 いやー、超高級と言うだけあって料理は豪華。普通に見えるコーンスープや鶏肉のソテーなどの普通の料理がいつもと違った味わいがする。というか、かなりうまい。いい食材を使っているのもあるだろうが、味付けも最高だ。きっと腕のいいシェフが作っているのだろうなー。


「いやー、うまいな、ほんと」


 ケンジはステーキを食べながら感激している。ナルセも魚料理を食べながらおいしいおいしいと何度もつぶやいている。さっきまで固まっていたのに。


「すまないが、残った料理はこのタッパーに入れても大丈夫か?」


 魔王はタッパーを店員に見せながらこう言った。何でタッパーなんて持っているのか分からない。ヴァリエーレが慌てて魔王が持つタッパーを隠し、小さな声で何か言った。みっともないことは止めなさいとでも言っているのだろう。でも、持って帰れるならそうしたいなー。


 食事を楽しんでいると、窓から何者かがこちらを望遠鏡のような物で覗いている姿を見つけた。


「ちょっと外行ってくる」


「不審者か?」


「うん」


 私は武器を持って外に出て、望遠鏡の男を捕まえようとした。だが、私の姿を見た不審者はすぐに車に乗り込んで逃げてしまった。逃がしてたまるか、私は闇を発して車に向けて飛ばし、行く手を阻むように壁を作った。その後、車と闇の壁が激突した音が聞こえた。私はすぐに車へ向かい、不審者を捕らえようとした。だが、不審者はその前に何としても車から出ようとしていた。逃がさないよ!


「はぁっ!」


 私は光を発し、不審者の足を掴んだ。掴んだことを察した私は光を引っ張り、不審者を引き寄せた。


「何を見ていたの?」


「お前には関係ない! 早く開放しろ!」


 不審者は私に向かってこう言ったが、涙目になっていた。私には敵わないって思っているのだろう。


「何でここにいるか、何を見ていたか正直に話した方がいいよ」


「お前には関係ない!」


「あまり強情張らない方がいいよ」


 私は不審者にそう伝えた後、後ろに飛ばした。そこには魔力を解放したナルセが立っている。私はナルセが後からきたのを察していたのだ。


「さぁ、お話してくれませんかねぇ?」


 ナルセから放たれる強い魔力と殺意を見て、不審者は悲鳴を上げながら涙を流し始めた。まぁ、これだけ強い魔力と殺意を目の当りにしたら誰だって驚くだろう。


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