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海の書とご対面


剣地:海の遺跡


 いろいろあったが、海の書を探すのを再開しよう。ゴールらしきこの部屋を調べたのだが、本らしき物体はない。代わりにあるのは大きな青い宝石だけだ。


「この宝石が何かの仕掛けなのかしら?」


「かもな。とにかくもう一度この宝石を調べてみよう」


 そう言ってヴィルソルが青い宝石に手を触れようとした。その瞬間、宝石からまばゆいほどの青い光が発した。まぶしさのあまり、俺たちは腕で目を守った。


「何年ぶりだろう、ここに人がくるのは」


 宝石から声が聞こえた。驚いた俺は武器を構えたが、宝石は再び声を放った。


「慌てるな。私は敵ではない。お前たちが海の書と言っていた物だ」


「あなたが海の書……」


「うむ。だが、ちゃんとした名前は付けられている。私の名はフォーミュラー。私を作った人物はその名を与えてくれた」


 何だ、名前があったのか。俺たちは気を取り直し、フォーミュラーに近付いて邪神の心臓のことを聞いた。


「聞きたいことがあるのです。邪神の心臓はどこにあるかご存知ですか?」


「邪神……ああ、ウバルス・メーバンのことか」


「知っているのですか?」


「うむ。奴がまだ暴れていた時、常に奴の魔力を感じていた」


「悪い意味で有名な魔力使いだったみたいだね」


 ルハラの言う通り、邪神ことウバルス・メーバンはとんでもない魔力使いのようだ。こんな奥深い海の遺跡まで魔力を感じさせるなら、相当強くないとできないだろう。そんな中、成瀬が話を戻すように言葉を発した。


「私たち、邪神を復活させようとする奴と戦っているのです。そいつらより先に心臓を抑え、処理しないといけないのです。どこにあるか分かりますか?」


「ウバルス・メーバンの心臓はロメス村にある」


 うっし! 情報ゲットだ! 邪神の心臓はロメス村って所にあるようだ。場所が分かったし、すぐに行かなければ! と思ったが、ヴァリエーレさんたちはどこか浮かない顔をしている。どうかしたのかな?


「どうしたのですか? 心臓がある場所が分かったのに」


「ケンジは知らないか。ロメス村は幻の大陸にあるって言われているの」


 と、ルハラが説明をしてくれたが、俺と成瀬は幻の大陸と言うのがどういう大陸か見当がつかなかった。


「幻の大陸? 初めて聞いたけど」


「私が説明しよう」


 ここでフォーミュラーが話に割り込んだ。まぁ、知っている人が話をしてくれるならありがたいかな。


「幻の大陸はこの世界のどこかにあると言われる未開発の大陸のことだ。唯一お主たちが知っているのはロメス村のことだけだろう」


 そうなのか。この世界にもまだ調べられてない大陸とかあるのか。魔力とかそれを利用した道具がたくさんあるのに、調べるのが難しいのだろう。


「で、どこにあるか分かりますか?」


 成瀬がこう聞いたが、フォーミュラーは少し間をおいて答えた。


「幻の大陸の特徴としては、島が動いているのだ。その上、特殊な霧で包まれていて、人の目では確認することが難しいのだ」


 島が動く? 日本じゃありえないけど、魔力とかあるこの世界ならそう言うのがあっても驚かないだろう。しかし、見つけるのが難しいなら、時間がかかるだろう。


「分かりました。邪神の心臓の話、ありがとうございます」


 俺はそう言って頭を下げると、他の皆も頭を下げた。うーむ……心臓の居場所が判明したが、見つけ出すのに苦労しそうだな……。俺はそう思いながらきた道を戻ろうとした。


「あーあ、またあの罠がある部屋を戻るのか。辛いなー」


「しょうがないよ。でも、皆で挑めば守護者くらい倒せるでしょ」


 ティーアとルハラは戻る時にまた罠が発動するだろうと思っている。俺もそう思う。あのきつい仕掛けをまた解除しないといけないのか。そう思っていると、フォーミュラーがこう言った。


「戻らなくてもよいぞ。我が呪文でお主らを外に移動させてやろう。そのついでに、またここにこられるように転送の道具を渡してやろう」


 おお、ラッキー! 俺はフォーミュラーに近付き、またここへくるための道具を受け取った。これさえあれば、またここへくることができる。


「ではまた会おう。若き戦士たちよ」


 フォーミュラーがこう言うと、俺たちの足元に青い光が放たれた。俺たちはその光に飲まれ、シーアの海賊船へ転送された。


「うわっ! いきなり現れた!」


 食事をしていたシーアたちは、いきなり現れた俺たちを見て驚いた。その後、シーアやアラマー博士に海の遺跡の話を細かく教えた。




成瀬:セントラー城


 海の遺跡での冒険が終わった後、私たちはセントラー城にいるリーナ姫に報告しに向かった。話を聞いたリーナ姫は、難しそうな顔をしていた。


「幻の大陸に邪神の心臓があるのですね」


「今すぐにでも向かいたいのですが、場所が分からなくて……」


 ヴァリエーレさんがこう言うと、話を聞いていたオノブさんが声を出した。


「うっしゃ、わしの出番だな」


「ということは、オハリの皆さんで幻の大陸を探すのですか?」


「うむ。剣地たちはギルドの仕事で忙しいじゃろう。大陸を探し出すのに時間はかかる。ここはわしらに任せておけ!」


 ということで、オノブさんたちオハリの皆はすぐに旅立つ支度を始めた。そんな中、リーナ姫はオノブさんたちに近付いてこう言った。


「皆様、イエミツが後を追ってくる可能性があります。どうかお気を付けて」


「うむ。姫も変な輩に捕まらないように気を付けるのじゃ。うし! 行くとするか!」


 会話を終えたオノブさんたちは飛行船に乗り込み、旅立って行った。そう言えば家光とニートゥムが海の遺跡からどうやって出たか分からない。奴らのことだし、きっと抜け出した可能性はある。心臓の場所を知られてなければいいけど。


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