表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
373/594

難関は続く


 シーアは船長室で唸り声を上げていた。剣地たちから連絡がこないからだ。船員たちはその様子を窓から覗いていた。


「船長、不安そうだね」


「海に入って何時間は経過しているけど、連絡はないってさ」


「ケンジたちだから大丈夫だと思っていたけど……今回は海の底だし、命の危険があるかも」


「フェッフェッフェ、あんまり不安なことを口にしない方がいいぞ、お嬢さん」


 会話中にアラマー博士がやってきた。アラマー博士の両手には、釣り竿とクーラーボックスがあった。それを見た船員は、呆れた顔でこう言った。


「呑気だねー。ケンジたちが不安じゃないのかい?」


「不安さ。じゃが、わしらに何ができる? 帰ってくるのを待つしかない」


「そりゃーまぁ、そうだけどさ」


「釣りをするのは気を紛らわすため。何かをしないと、落ち着かないからのう」


 アラマー博士は近くに座り、釣り糸を垂らした。そんな様子の博士を見て、船員たちはため息を吐いた。


「ま、博士の言う通りだね」


「ケンジたちの無事を祈ろう」


「さーて、見回りでもしますかー」


 と言って、散り散りに去って行った。シーアは海の方を向き、剣地たちの無事を祈った。




ヴァリエーレ:海の遺跡


 ビークが倒れた後、私たちは先へ進んだ。しばらく歩いていると、また部屋が見えた。


「今度はなんだろう」


「ろくでもない罠の可能性が高いのう。注意しておけよ」


 ティーアとヴィルソルの会話が聞こえた。二人の言うとおりだ。この遺跡の罠は確実に侵入者を殺しにかかっている。しかし、いつになったら海の書の部屋に着くことができるのだろうか。


「行きましょう」


「うん」


「ああ」


 私たちは部屋の中に入り、すぐに武器を構えた。すると、入ってすぐに鉄格子が落ちてきた。


「さっきと同じだね」


「もう驚かんぞ」


「う……嘘でしょ……」


 私の声を聞き、ヴィルソルが私の方を振り向いた。


「何じゃ、まだ鉄格子の落ちてきた音で驚いたのか?」


「あ……あれ……」


 私は指を指して目の前の光景を二人に見せた。二人も目の前の光景を見て、目を丸くして驚いていた。


「あれは……ブレア!」


 そう。マスカレードファイトで私たちと戦ったセブンワーオン元社長、ブレアが現れたのだ。ブレアはあの騒動の後、処刑されたと聞いた。だが、あいつの体は全身真っ青。それに青いオーラを纏っている。


「見て二人とも」


 ティーアが上を見るように私たちを促した。あの青いオーラが私たちの周りで発していたのだ。気が付かなかった。いつの間に発していたのだろう。


「私たちの記憶をよんであいつを出したのね」


「じゃあ……もしかしたら……」


「過去に戦った敵が出てくるかもしれんの」


 私たちが話していると、ブレアの幻は私たちに襲い掛かった。あの時よりも私たちは強くなった。必ず倒してやる!




剣地:海の遺跡


 何とかデストロイサーカスのイサイラを倒した。倒したというか、ルハラのセクハラで倒れたというか……まぁ倒したと言っていいよね。


 俺たちは先へ進み、次の部屋へ向かっていた。どうせまた似たような部屋があるのだろうな。


「一体いつになったら海の書の所に到着するのかな?」


「まだまだかもしれないな。そもそも歩いている道が間違えているかもしれない。正解だと祈って歩こう」


「そうね。正解であることを祈りましょう」


 俺たちが会話をする中、あの青いオーラが急に現れた。それを見て、俺は嫌な予感がした。


「成瀬、ルハラ。走る準備をしてくれ」


「ええ、分かったわ」


「何がくるか察しているよー」


 俺の声の直後、後ろから大きな石が落ちてきた。そして、俺たちに向かって転がってきた。


「やっぱりこの手の罠か。原始的だな」


「改めて思うけど、この遺跡罠だらけだねー」


「のほほんと話している場合じゃないわよ。二人とも、危ないから下がって」


 と、成瀬は魔力を開放し、大きな闇を出して大玉に向かって放った。


「闇で大玉を飲み込む考えだね」


「うまくいくかどうか、一か八かの賭けだけど」


 成瀬が答えた後、大玉が転がってくる音が聞こえた。


「青いオーラが攻撃の邪魔をしているみたいね」


「成瀬、早くこい!」


「分かったわ!」


 返事をした成瀬は魔力を開放し、空を飛びながら俺とルハラの手を掴んだ。どうやら、部屋で発生している青いオーラがここにも現れ、成瀬の邪魔をしたのだろう。


「このままどうするの?」


「次の部屋まで飛ぶわ。捕まって!」


 その後、俺とルハラは成瀬の手を掴んだ。成瀬は俺とルハラの手を掴んだまま、空を飛んで次の部屋に飛んで行った。


 しばらくすると、次の部屋の入口が見えた。成瀬はその手前で俺とルハラを下ろし、部屋に入った。


「今度は何かなー?」


「アトラクションじゃないから。魔力を開放して武器を構えていましょう」


「成瀬の言うとおりだ。青いオーラが充満しているぜ」


 俺がそう言った直後、青いオーラが徐々に形を作って行った。その形を見て、俺たちは驚いた。その形はリーナ姫の命を狙った裏ギルド、クァレバのリーダーのレッジだった。


「私たちの記憶を探って作ったみたいだね」


「ちょっと待って、まだあるわ」


 成瀬がそう言うと、新しい青いオーラが発し、同じように形が作られて行った。その形を見て、俺は嫌な記憶を思い出した。あの姿はヒレラピの一人だったクナブだ。しかもすでにサキュバスになっている。


「俺たちの記憶を元にして作ったつもりか、あいつらはもう戦えないし、この場にいない。あいつらは偽物だ!」


 俺は銃を撃って偽物を攻撃したが、偽クナブはツタを発して俺が放った銃弾を防いだ。その隙にモンスタースキルの状態のレッジが迫ってきた。


「どきなさい!」


 成瀬が剣を振るってレッジに反撃をしたが、レッジは後ろに下がって攻撃をかわした。


「どうやら攻撃も力も同じのようだね」


「苦戦するな……こりゃ」


 俺はため息を吐いてルハラにこう答えた。


 この作品が面白いと思ったら、高評価とブクマをお願いします! 感想と質問も待ってます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ