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扉の守護者


ティーア:海の遺跡


 さっきの道とは別の道を行った結果、私たちは次の部屋へ着くことができた。この部屋はさっきの部屋よりと比べるとかなり広く、周囲に大きな柱がいくつもあった。


「広い部屋じゃのう。ただ、ボロボロなのが気になるが」


「ヴィルソルの言うとおりね。少しでも触ったら崩れそう。柱も触ったら折れそうだし、変に触らないでね」


 魔王とヴァリエーレは不思議そうに周囲を見ていた。魔力の探知をすると、後ろからくるデストロイサーカスの戦士たちの魔力は減っている。多分、遺跡の仕掛けにやられているのだろう。


「あの石像の後ろが次の部屋かしら?」


「かもしれないね」


 私はヴァリエーレが見ている石像を見て答えた。大きな狼のような石像で、いかにも動き出しそうな雰囲気と威圧感と迫力があった。周囲には次の部屋へ行くような扉もないし、あるとしたら調べていないあの像の裏だけだ。


「最初の部屋のガイコツのことがあったし、あれも急に動くかもしれんの」


「気を付けて行こう。さっきみたいになったら大変だ」


 私たちは武器を装備し、いつ戦闘になっていいように歩き始めた。うー……すでに変な魔力がこの部屋に充満している。嫌な予感がしてきた。


「我の勘が当たってしまったな……」


「仕方ないわよ。何かあるか分からないダンジョンのようなところだから、ここ」


 その直後、青い魔力が部屋中に発生し、目の前の石像に取り込まれた。すると、石造の目が青く光出し、激しく揺れ始めた。


「やっぱりそうか」


 私はこう言いながら、皆と一緒に後ろに下がった。どうやらあの石像も何らかの仕掛けのようだ。石像だった狼は耳鳴りがするほどうるさい遠吠えを発した後、私たちを睨んだ。


「ここから先へは行かせん。どんな理由があっても行かすわけにはいかない」


 どうやら人の言葉は分かるようだ。古代人が作った物って言っても、使う言葉は現代とあまり変わらないらしい。よかった。


「あいつは何が何でも先へは行かせてくれぬようじゃのう」


「だったら、無理矢理にでも行かしてもらうわ!」


 魔王とヴァリエーレは戦う気満々。私も武器に魔力を発し、大きな光の刃を放って戦う気を出した。


「ほう。光と闇か。珍しいが……我に敵うと思うな!」


 狼は、遠吠えと共に口の中から強烈な吹雪を発してきた。光のバリアを張り、バリアの熱を上げて対処しているが、吹雪が強いせいですぐにバリアにひびが入った。


「クッ、こいつ意外と強いよ! バリアが割れそう!」


「吹雪は止まりそうにないの……」


「イルシオンシャッツの吹雪よりも強烈だわ。ヴィルソル、闇のバリアを私たちの周りに張れる?」


「もちろんじゃ。闇で吹雪を消すんじゃな」


「ダメージは受けると思うけど、最小限に抑えられると思うの」


「分かった。勇者、我が闇でバリアを張ったら、お前はすぐにバリアを解除しろ」


「分かった。任せたよ」


 私は魔王が闇のバリアを張り終えるのを待ちながら、ひびが入ったバリアで吹雪の防御を続けた。しばらくし、魔王が私にこう言った。


「闇を発する準備はできた。バリアを解除した直後に闇のバリアを放つ!」


「了解。それじゃあ行くよ……ハッ!」


 私がバリアを解除したのと同時に、魔王が闇で作ったバリアを張った。それから、周りに張ってある闇のおかげで吹雪のダメージは抑えられたが、少し凍傷を負ってしまった。だけど、狼から距離を広げることができた。


「運良く逃げたが、傷は負ったようだな」


「うるさいなー、あのワンちゃん」


「犬の石像のくせに生意気じゃ! 我らを倒してもご褒美の餌はやらんぞ!」


 私と魔王がこう言うと、狼は怒りを表すかのように吠えた。


「我は犬ではない! 遺跡の守護者の一人、ワーウルスだ!」


 何だ、ワーウルスって名前があるのか。でもま、狼も犬も似た種族だから別にいいと思うけどね。


「生意気を言う戦士だな。貴様らは凍ったままこの海を一生漂うがいい!」


 その言葉と共に、ワーウルスからとんでもない魔力を感じた。ただの石像だったはずなのに、どんな魔力を持っているの、こいつは? デストロイサーカスとも戦うかもしれないのに、これは苦戦するかもしれない。




成瀬:海の遺跡


 はぁ、まさかこんな間抜けなトラップに引っかかるなんて。一本道がやけに続くと思ったら、変な所で落とし穴があるなんて。


「はぁ、もっとちゃんと見渡せばよかった」


「成瀬ェェェェェ! ぼやく暇があったら早く上げてくれェェェェェ!」


「限界、もう腕が限界です! 早く助けて! 落ちちゃうよ!」


 私は魔力でできた剣を突き刺して落下するのを阻止した。だけど、下に落下していった剣地とルハラを助けるために、魔力で縄を作り、二人の体を縛っている。


「大丈夫よ。私の魔力で作った縄よ。そんな簡単に切れないから、安心してぶら下がってなさい」


「いや、安心してって言われても!」


「落ちた先に変な緑色の液体がある! 小石が煙を発して溶けているよ! 早く助けて! 溶ける! この液体って溶ける危ない液体だよ!」


「安心して、今すぐ引っ張るから」


 その後、私は二人をすくい上げ、穴から脱出した。


「はぁ……はぁ……死ぬかと思った」


「まだ若いのに死にたくないよ」


「私だって同じ気持ちよ。さ、早く先に行って奴らより先に海の書を手に入れるわよ。まだ先は長いから」


 私はそう言って歩こうとした。その瞬間、目の前から大きな岩が転がってきた。


「何で……」


「こうなるのォォォォォォォォォォ!」


 私たちは大声を上げながら、転がってくる岩から逃げ始めた。


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