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海での戦いは続く


ルハラ:海中


 ビーグオクトパスもいるというのに、別のモンスターがやってきた。海の中は本当に何でもありだ。テレビで見ていたら面白いけど、実際に起こると面白くもない。面倒なだけだ。


「皆気を付けろ! あれはマグーロシャーク! 猛スピードかつ、群れで移動しているからかなり危険なモンスターだ!」


 マグーロシャークか、これはまずい。ただ、こいつらを上手く使えばビーグオクトパスを倒せるかもしれない。


「ナルセ、方法は何でもいいからビーグオクトパスに血が出るくらいの傷を作れる?」


「多分。やってみるわ」


「成瀬、俺が援護するから安心しろ」


 その後、ナルセはケンジの援護と共にビーグオクトパスに向かって行った。


「せやァァァァァァァァァァ!」


 ナルセの攻撃はビーグオクトパスの触手をちょっと切断した。ケンジも続けて攻撃を仕掛け、ビーグオクトパスの体に傷を付けた。うん。血が流れている。


「何を考えておるのじゃルハラ? 教えてくれ」


「奴を攻撃してもまた再生するわよ」


「理解しているから大丈夫。まぁ見ていれば分かるよ」


 話しかけてきたヴィルソルとヴァリエーレにこう返すと、マグーロシャークの群れは急にビーグオクトパスに向かって方向を変えた。


「そうか。奴らはサメの一種だ。血の臭いを察したらそこへ突っ込む」


「ティーアの言う通り。それを狙っていたの」


 ビーグオクトパスに突進したマグーロシャークの群れは、次々とビーグオクトパスへ襲い掛かった。急に襲われたビーグオクトパスも驚いたような表情をしていたが、触手を操ってマグーロシャークの群れと戦い始めた。


「ここは逃げよう」


「だね。あんな連中に構っている暇はないよ」


 その後、私たちは再び潜って行った。しばらくモンスターとの遭遇はなかった。目の前に広がるのは青く綺麗な海の中だけ。


「綺麗ね……」


「観光できたかったな。リフレッシュにもなるし」


「またバカンスに行きたいねー」


「邪神の話が終わったら行きましょう」


 ケンジたちが会話をしている中、また赤ランプが点滅し始めた。あーあ、しばらく楽できると思っていたのに。


「そう簡単に奥へ行かせてくれぬようじゃ。戦いの準備をするか?」


「ん? いや待って。これ見て」


 ティーアは何かを指さし、私たちに何か見せようとしていた。んむ? ちょっとだけ色が違う場所がある。何か赤っぽい。まさか……。


「やべー! マグーロシャークが俺たちに向かってきているぞ!」


 うわ! これはやばい! マグーロシャークはビーグオクトパスを倒して私たちの方へ向かってきたようだ!




成瀬:海の中


 マグーロシャークの群れが突っ込んでくる。いざとなったら私の魔力砲を放とうと思っているが、奴らの動きはかなり早く、狙いが定まらない。


「奴ら、下に落ちてくるビーグオクトパスの血を辿って俺たちの所にきたのか?」


「血の臭いを好むモンスターじゃからの。奴らは獲物の血を一滴も残さず吸い尽くすぞ」


「えげつないモンスターだなー」


「話している場合じゃないわ。どうにかしないと」


 ヴァリエーレさんの言うとおりだ。マグーロシャークをどうにかしないと先へ進めない。だが、ルハラが何かに気付いたのか、私たちにこう言った。


「下から何かしらの反応あり。何かくるかも」


「おいおい、マグーロシャークの相手でてんやわんやで混乱しそうなのに、また何かがくるのかよ」


 ルハラの言うとおり、下の暗闇から二つの光が見えた。何あれ? なんか怖い。


「あの目はスイラーイカ! ビーグオクトパス並みの大きなイカだ。触手も生えるし、奴の口から吐く煙幕には毒がある!」


「物騒な海だな、ここ。生態系大丈夫か?」


 剣地はこう言うと、上から突っ込んでくるマグーロシャークの群れを避けた。


「サメにイカ、こんなに襲われたら命がいくつあっても足りないぞ」


「ん? あれってまさか……」


 上の方を見ているティーアが恐る恐るこう言った。上を見ると、大量の血が流れていた。あんな大量な血はさっきまでなかったはず。それを見た私の中に、嫌な予感が走った。


「まだビーグオクトパスが生きているの?」


「らしいね……」


 しばらくすると、傷だらけのビーグオクトパスが私たちに近付こうとしている姿が見えた。


「しぶといね、奴も」


「戦うしかないのか?」


 剣地が手の甲から刃を出してこう言ったが、ヴィルソルの叫び声が聞こえた。


「ケンジ、後ろに気を付けろ!」


「後ろ? まさか!」


 ヴィルソルの叫び声を聞いて後ろを振り向いた剣地は、伸びてきたスイラーイカの触手を切断し、後ろに下がった。


「後ろにサメがいるってことはないよな」


 恐る恐る剣地が後ろを振り向くと、そこにはマグーロシャークの群れがいた。


「やっぱりこうなったか」


「私に任せて、剣地!」


 やっと狙いが定まった。私は魔力を込め、両手から魔力砲をマグーロシャークの群れに向かって放った。右手の魔力砲は外したが、左手から放たれた魔力砲は群れに命中した。


「サンキュー成瀬」


「これで群れは倒したと思いたいけど……」


「まだ終わってないみたいね」


 ヴァリエーレさんの言葉の後、動かなくなったマグーロシャークに向かって、スイラーイカが触手を伸ばして食べ始めた。それと同時にビーグオクトパスもマグーロシャークに触手を伸ばして食べ始めた。しばらくすると、ビーグオクトパスとスイラーイカは獲物をめぐって争いを始めた。周りのマグーロシャークの群れも倒された仲間の仇を取るつもりなのか、私たちに狙いを定めて泳いでいる。この状況、一体どうすればいいんだ?


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