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遺跡の場所判明


ルハラ:エクラードの図書館


 あーあ、ヴァリエーレはフィレさんを攻撃したらいつもの衣装に着替えちゃった。もったいない。こっそり写真撮っておけばよかった。


 そうだそうだ、今は発情している場合じゃない。そのあとで私たちは図書館に移動し、改めてフィレさんに古代文章の解読をしている。


「解読が終わったぞー」


 机にいるフィレさんがこう言った。その言葉を聞いた私たちは急いでその場に向かった。


「あくまで可能性の話じゃが、この本によると海底遺跡は何万年も前に天変地異で海へ沈んだ。その場所がヒシヤマと言う地域の近くらしいのじゃ」


 ヒシヤマ。聞いたことがある。セントラーから行くと丸一日はかかる超が付くほどの田舎。だが、それなりにも町はあるし、港もある。


「よーし! 場所も分かったし、皆に連絡をしよう!」


 話を聞いたティーアはすぐに携帯電話を手にし、ケンジたちに連絡を始めた。場所が分かったので、私たちはすぐにこの場から出ようとした。だけど、フィレさんが私たちに声をかけた。


「待つのじゃ。噂に聞いたのじゃが、ニートゥムの奴が邪神を復活させようとするバカの手助けをしていると聞いたが……本当か?」


 この言葉を聞き、ティーアの動きが止まった。そりゃー止まる。これまでニートゥムの奴と何回も戦い、イエミツの奴と一緒に行動していることを私たちは知っている。


「あの……師匠……」


「言わなくてもいい。その顔と反応を見れば分かる。奴の噂は真実か」


「はい。ケンジとナルセ、そして魔王が戦って撃退しました」


「バカな奴じゃ、本当に……ジェロディアを手にしても勇者にはなれぬというのに……」


 フィレさんは大きなため息を吐いた後、私たちの方を見てこう言った。


「もし、今度あの大バカ野郎と遭遇したら殺すつもりで戦ってくれ。今の奴は危険すぎる。いずれこの世界を脅かす存在になるかもしれん」


「でも、ジェロディアを使ってもあんまり我を奪われてないですよ」


 ティーアの言葉を聞き、フィレさんは今までにないほど真剣な目をして言葉を放った。


「今は奪われない。だが、いずれジェロディアは完全にニートゥムの意識を奪うじゃろう。そうなれば、確実にとんでもないことが起こる。ジェロディアは人を斬ることが快楽だと思っている。あいつのせいで、多数の人間が斬られてしまうじゃろう」


「はい……分かりました。次に会ったら殺すつもりでニートゥムと戦います。皆にもそうするように伝えます」


 ティーアはこう言った後、私とヴァリエーレに行こうと言った。


 聖域へ向かう中、ヴァリエーレはティーアに話しかけた。


「ちょっと本気なの、ティーア? これまで私たち、人を殺したことないのに……もし、悪人でも殺したら私たちは……」


「分かっている。私でも分かっているよ。でも……私たちがやらないとニートゥムは自分で理解できないの。自分がバカだって……」


 ティーアは少し興奮しながらこう言った。私はティーアの尻を触り、何とか落ち着かせようとした。


「何するの!」


「落ち着きなよ、ティーア。フィレさんにあんなこと言われて気持ちが揺らぐのは分かるけど。人を殺してくれって頼まれないしね」


 私の言葉を聞き、ティーアは少し考え始めた。まだ答えが見つからないティーアを見て、ヴァリエーレはこう言った。


「とにかく今はそのことを考えるのは止めましょう。考えるのは、ニートゥムと戦うことになってからよ。改めてニートゥムの態度を見て、どうするか考えましょう」


「うん……そうだね、今はそのことを考えるのは止めるよ」


 ティーアはそう言って立ち上がった。だけど、たとえニートゥムのような残虐野郎でも殺すのはためらうなー。私や皆はニートゥムのように心は腐ってないし。ま、今はヴァリエーレの言う通り考えるのを止めましょう。




成瀬:セントラー城


 やーっと調べ終わった。私とヴィルソルは城の外へ出て、外の空気を吸うことにした。


「お疲れ様です、ナルセ様、ヴィルソル様」


 リーナ姫は私たちと一緒に行動している。危ないじゃないかと思ってヴィルソルが警告したが、姫はたまに外に出ているらしい。それに、今は私とヴィルソルがいるから心配ないと。


「ナルセ、軽くでもいいから魔力を放っていよう。そうすれば変な輩は出てこんはずじゃから」


「そうね」


 私とヴィルソルはリーナ姫を守る目的で軽く魔力を発した。だが、それが強すぎたのかちょっと周りの物を吹き飛ばしてしまった。


「あらら……」


「お二人とも、強くなりましたね」


 姫は少し笑いながら私とヴィルソルの姿を見ていた。そんな時、町の人たちの悲鳴が聞こえた。何事かと思い、私たちは急いでそこへ向かった。


「何かあったのですか!」


「あれ見てください、海賊船です! どこの海賊か分かりませんが」


 海賊船がここにきた? なんか怪しい。というか、嫌な予感がする。私たちは急いで港の方へ行き、その海賊船を調べた。


「あ、あれではないですか?」


 リーナ姫が海賊船を見つけ、指を指した。私とヴィルソルはその方を見て、やっぱりと呟いた。


「あれ、知り合いの海賊です」


「海賊のお知り合いですか。皆様、私が知らない間に結構知り合いが増えていますのね」


「まぁ、そんな感じじゃ」


 私たちが事情を説明し、シーアが悪い海賊ではないことを町の人たちは把握し、すぐに元に戻った。確かシーアの所には剣地とヴァリエーレさんがいるはず。何かあったのかしら?


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