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情報を求め、あちらこちらへ


ヴィルソル:セントラー城図書室


 我とナルセはセントラー城の図書室にきていた。リーナ姫に話をし、事情を把握した姫が数名の兵士を貸してくれた。セントラー城の図書室はかなり広く、その広さに合うかのように本も大量にある。この中の本を探すとしたら、かなり時間がかかるだろう。一日二日で終わらない。


「どんな小さな手掛かりでもいい、見つけたら我かナルセに伝えてくれ」


 我は兵士たちにこう言った後、本を調べ始めた。海の中の神殿だから海に関する書籍に書いてあるだろう。安易な考えだが、我はそう思いつつ本を調べ始めた。


「いろんな海の本があるわね……」


「そうじゃのう。書く人間の個性や感性が違うと、書くことも違う」


 我とナルセはこんな話をしながら本を見ていた。しばらくすると、兵士の一人が声を上げた。


「ヴィルソルさん、ナルセさん! 海の遺跡と書かれた項目がある本を見つけました」


「何じゃと!」


 我とナルセは急いでその兵士の元へ行き、机の上に広げてある本を見た。


「見てください、この幻の遺跡と書かれた項目です。説明によりますと、昔あらゆる知識を集めた何らかの道具を開発した人がいるらしいのです。その力がとても強いために他の人の手に渡る前に自身が持つ遺跡の奥深くに封印したようです。それが異常気象などによって海が急激に深くなり、結果その遺跡は海の中に沈んでしまったそうです」


「それが我らの求めている遺跡と言うのか。可能性は高いな」


「場所は……書いてない。コラムで書かれているだけなのね」


「はい。ですが、これに関する伝説が他に書かれているはずです。それを探しましょう」


「ああ。頼むぞ、皆!」


 我はそう言った後、続けて本を探し始めた。あの話を聞き、海の書がある確率がかなり上がった。少しでも情報を探さなければ。




ルハラ:エクラード


「急に戻ってきたと思ったら、海の遺跡のことを知らないかってねぇ……」


 フィレさんは驚きながら私とティーアにこう言った。


「そういうのは聖域に住む者が詳しいと思うが?」


「話したけど、分からないって言っていたのよ、師匠」


 ティーアの言う通り、私はエクラードに行く前に聖域に住む白い馬に海の書のことを聞いた。だけど、どこにあるのか分からないって答えが返ってきた。長年生きているって言っていたけど、知らないこともあるようだ。


「そうか……ふーむ。そうなるとわしも分からんのう。で、ヴァリエーレさんはどこにいる? この衣装を渡したいが」


 と言って、フィレさんは胸元がかなり開いているメイド服を手にしてヴァリエーレを探し始めた。わーお! この衣装をヴァリエーレが着替えたら、素晴らしいことになりそう!


「知り合いの所に行っているよ。ケンジと一緒にね」


 ティーアは返事をしながら、フィレさんが持つとっても素敵なメイド服をズタズタに切り裂いた。あー! もったいない!


「な! ああああああああああ! 何するのじゃティーア! この衣装かなり高かったのに!」


「そんなくだらない衣装に大金使わないでよね! あーあ、ここにきたの、大失敗だったかなー。師匠なら何か知っていると思ったけど」


「スケベな知識ならたくさんあるが、昔の伝説とかはあんまり知らんの」


 ズタズタにされたメイド服を見ながら、フィレさんは泣いて答えた。


「あーあ、一度ヴァリエーレにあれを着させてからズタズタにした方がよかったと思うけど」


「ルハラ、そんなことヴァリエーレに言ったら怒られるよ」


 ティーアは呆れたように私にこう言った。


「まー、久しぶりにエクラードにきたから皆に顔を見せる?」


「そうだね。それから図書館へ行って本でも読んで調べよう」


 泣き崩れるフィレさんを無視し、私とティーアは外に出て村の皆と話をした。それから図書館へ行って本を調べようとした。


「ちっちゃい図書館だねー」


 村にも図書館はあるが、イドナの村のように小さな図書館だった。セントラー城の図書室の方がでかいかも。


「仕方ないよ。森の中だし」


 中に入って本を読もうとしたが、どれもこれも古い本ばかりだった。一冊取って中を読んだけど、古代の文章が使われているせいか全く読めなかった。


「これ古代文章って奴? 何が書いてあるか分からないね」


「そうだった。私、この文字が読めなくてここの図書館にくることはなかったの……文章分かる人いるかなー」


「ここにいるぞ」


 と言って姿を出したのはフィレさんだった。驚いたティーアはすぐにフィレさんに近付き、話しかけた。


「師匠、いつの間に図書館に?」


「去り際に話を聞いていたからの。図書館に行くって」


「じゃあ、師匠なら古代の文章が分かるの?」


「もちろん。この本に書かれている内容を理解するために、古代文章を学んだのじゃ。まぁ、独学じゃがの」


 その言葉を聞き、私とティーアは同時に手を合わせてこう言った。


「お願いします師匠! お力を貸してください!」


「お願いします、何でもしますので」


「ん? 今なんでもするって言ったな?」


 この言葉を聞き、フィレさんはスケベそうな表情をして笑い始めた。それを見たティーアは横目で私を見て、小声でこう言った。


「変なことになっても、私知らないからね」


「あーあ……私やっちまった」


 後悔しても遅いか。フィレさんのことだし、どうせ何かスケベなことでも考えているのだろう。あのエッチなことを考えていると思われる表情を見て分かる。ま、いざとなったらナルセを呼んで変なことをしたら返り討ちになるってことを示さないとねー。とにかく、フィレさんが何て言うか。


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