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遺跡はどこだ?


成瀬:アラマー研究所


 ドッペルミラーの騒動が終わってからなかなか連絡できなかったけど、博士やドッペルの皆は元気のようだ。


 私たちは博士がいる部屋に入り、事情を説明した。


「海の中の遺跡を探すためか。海の書の話はわしも聞いたことがある。何でも知っているって噂じゃだと」


「俺たちは邪神の心臓を探すため、それがあるかどうかを確かめないといけないのです」


 剣地が説明をすると、博士は何かを考えた後、私たちの前に座った。


「探すのはいいが、その前に大事なことを忘れてないか?」


「大事なこと?」


「その遺跡がどこの海のあるのか、どの地域にあるのか分からんじゃろう。それに、海の中の遺跡はこの世界にごまんとあるかもしれんぞ。海の中は摩訶不思議。誰もが海の中に何があるとはっきりと証明したことがないのじゃ」


 そうか、日本の海と違い、ここは魔力が存在する異世界。何があってもおかしくない。


「それに、海中戦はかなりきついぞ。ケンジ、お主も体験したはずじゃ」


「そういえばそうだな。動きにくかったなー」


 剣地は思い出したかのようにこう言った。海の中で戦うってことを考えると、何か策を考えないといけないわね。


「とにかく今やるべきことは、遺跡の詳細を調べることじゃ。わしも協力する」


「教えてくださりありがとうございます」


 ヴァリエーレさんが頭を下げると、博士は笑いながらよさんかと言っていた。


「海の書の遺跡を調べるのは結構時間がかかりそうじゃ。わしの提案じゃが、何チームかに別れて情報を集め、しばらくしたらここに集合するのはどうじゃ?」


「確かにそうだね。この世界全域を調べると時間がかかる」


「その間に奴らが情報を得て、動き始めるかもしれないが……奴らも情報がないのは同じことか」


「さ、行動が決まったならすぐに動こう!」


 その後、私たちは二人一組に分かれて行動することになった。メンバーの分け方はこんな風になった。


 私とヴィルソル、剣地とヴァリエーレさん、ルハラとティーア。


 話を終え、私とヴィルソルは話を始めた。


「ケンジとヴァリエーレはシーアの所に行くと言っていたな」


「ルハラとティーアはエクラードに行くって言っていたわね。何かあるのかしら」


「勇者が何も考えずに動くはずはない。皆は何かあてがあるから動くだろうな」


「そうね。皆を信じるわ」


 そんな話をしながら、私とヴィルソルはリーア姫の所へ向かった。セントラー城の図書室をもう一度調べようと話をし、向かうことにしたのだ。




 とある町の港。家光は大海原を見て大きなため息を吐いていた。


「私としたことが……」


「広い海の中から遺跡を探すか……簡単だと思ったが、かなり骨が折れそうだな」


 ニートゥムは海を眺めてこう言った。家光はその場に座り、何かを考え始めた。


「すぐにアイデアが浮かぶのかー?」


「自分の脳を信じます」


 と、家光はニートゥムにこう言葉を返した。だが、その言葉とは裏腹に家光はなかなかアイデアが浮かばなかった。そんな家光の姿を見て、ニートゥムは声をかけた。


「図書館にでも行くか?」


「アオーラ王国の反乱者の孫と、戦争でたくさん人を殺しまくったあなた。そんな二人組を快く受け入れますか?」


「確かに……この前の胡散臭い武器商人でも呼ぶか?」


 ニートゥムがこう言うと、家光は少しうなりながら立ち上がった。


「仕方ありませんね、こう言う時は第三者の言葉も聞きましょう」


 その後、家光は携帯を手にしてジョンに連絡を始めた。ニートゥムの耳にはジョンの驚く声が聞こえたが、家光の話を聞いて了解の返事が聞こえた。


「今日の夜、この町の酒場にくると」


「そうか。じゃ、それまで俺は昼寝でもしているわ」


 と言って、ニートゥムは横になった。昼寝を始めたニートゥムの横に座り、家光はもう一度海を眺めた。


「この近くに遺跡があれば楽ですがねぇ」


 数時間後、二人はジョンが指定した酒場にいた。二人が入口に入ると、その近くにジョンが座っていた。


「遅いぜ、あんたら」


「初めての町だったので、少し迷いました」


「ならしゃーねーか。で、何のようだ? まだ準備はできてないぞ」


「もう一つ依頼をしたいのです。海に強い裏ギルドを知っていますか?」


 コウの言葉を聞き、ジョンは携帯電話を手にして何かを調べ始めた。


「海に強い裏ギルドねぇ。マウンテンモンスターズは捕まっちまったし、大体の連中はシーアだかって海賊が捕まえちまったが……お、こいつらはまだ捕まってないな」


「どこのどいつだ? その運がいい裏ギルドは」


「落ち着きなって。そいつらの名前はデストロイサーカス。それなりに大規模な裏ギルドだ」


「大規模ですか。革命の時に私のジジイが依頼したフレッドデルタやデーモンノイズ、傭兵軍団のフォリーティックより強いのですか? 奴らはハーレムパーティーの手によって全滅したのですよ」


「そいつらより規模は小さいが、所属している連中の強さはフレッドデルタとかその辺の裏ギルドよりも上だ。俺の知り合いの武器商人もデストロイサーカスの腕は評価している」


 ジョンの説明を聞き、家光はにやりと笑ってこう言った。


「是非、紹介してくれませんかね? 彼らにも私たちの手伝いをしてもらいましょう」


 家光の言葉を聞き、ジョンはしばらく考えた後、家光に向かってこう言った。


「快く引き受けてくれるかは、あんた次第だぜ。最初に俺の名前を出せ、そうすれば少しは相手も気が楽になるだろ。俺もデストロイサーカスとは何回か取引したからな」


「ありがとうございます」


 会話を終え、ジョンはデストロイサーカスの連絡先を家光に渡した。


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