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海上戦の結末


 シーアは望遠鏡を覗き、剣地たちの戦いの様子を見ていた。ミランの悲鳴はここまで聞こえたため、ミランの力を抑えることには成功したと確信している。だが、マウンテンモンスターズの海賊船に用意されている大砲がこちらに向かれたのを見て、シーアは急いで部下に命令をした。


「バリアの用意をしろ! あいつら、私たちを撃つつもりだ!」


 その後、部下たちは慌てて船にある魔力で動く機械を操作し、バリアを展開できるように準備をした。すると、マウンテンモンスターズの海賊船から大砲が発射される轟音が響いた。


「弾がくるぞ! バリアを張れ!」


 シーアの言葉を聞き、部下たちは船の周りにバリアを張った。そのおかげで発射された大砲を防ぐことができた。だが、次の弾を用意していることに気付いたシーアは、再び叫び声を上げた。


「気を抜くな、次の弾が飛んでくるぞ!」


「了解しました!」


 部下たちは大声で返事をし、バリアを維持した。この様子を見たジザードは、舌打ちをして呟いた。


「チッ、意外とやるようだな。抜け目がない」


「お前は抜け目だらけの大間抜けだけどな!」


 近くにいた剣地が剣を構え、ジザードに斬りかかった。それに合わせるかのように、ティーアも剣を持ってジザードに斬りかかった。


「ふん、そんな攻撃が俺様に効くかよ。ふん!」


 ジザードは体内の魔力を放出し、近寄ってきた剣地とティーアを弾き飛ばした。しかし、頭上から成瀬とヴァリエーレが襲い掛かってきた。


「これで……」


「終わりよ!」


 二人が本気で自分を始末すると察したジザードは、後ろに飛んで二人の攻撃を回避し、アックスバズーカを装備した。反撃しようと思ったのだが、ヴァリエーレとティーアが持つ魔道武器を見て呟いた。


「俺様と似た武器を持っている奴がいるのか。こりゃ、やばそうだな」


「船長! 助けてください!」


「こいつら、強すぎます!」


 後ろから部下の悲鳴が聞こえた。後ろを見ると、再び暴れているヴィルソルと、それに合流したルハラの姿が見えた。このまま反撃をしても逆に意味がない。そう思ったジザードは大声で叫んだ。


「何が何でもそいつらを追いだせ、一旦逃げるぞ!」


「そうはさせるかよ!」


 剣地がジザードに接近し、再び斬りかかろうとした。しかし、ジザードはアックスバズーカを振り回して剣地を後ろに殴り飛ばした後、アックスバズーカを銃のような形にし、剣地にバズーカ弾を撃った。


「こんなの、俺に効かないぜ!」


 剣地は飛んできたバズーカ弾を弾き飛ばそうとしたが、剣地が対処する前にバズーカ弾は爆発し、剣地を再び吹き飛ばした。


「グウッ!」


「剣地!」


「隙あり!」


 後ろにいた銃を持った男が、剣地に駆け寄った成瀬たちに銃を撃ち始めた。


「ナイスだ、シベ!」


 ジザードが叫んだ直後、剣地は立ち上がり、ヴィルソルとルハラに向かってこう叫んだ。


「一旦引くぞ……いつつ……」


「ケンジ、大丈夫か!」


「怪我したの? 飛ぶから捕まってー」


 その後、剣地たちは空を飛んでシーアの海賊船へ戻って行った。戻って行く剣地たちを見て、ジザードはため息を吐いた。


「戻ったのはいいが……これじゃあな……」


 周囲を見回し、ボロボロになった船と船員を見て小さく呟いた。




成瀬:シーアの海賊船


 思わぬ相手の反撃により、剣地が軽く怪我をしてしまった。今、剣地はティーアの治療を受けている。


「痛そうだなー」


 剣地の背中を見たシーアが呟いた。大きな怪我ではないものの、ぶつかった衝撃で少し剣地の背中の一部が青く腫れていた。


「大きな傷じゃないけど、動かすとちょっと痛いな」


「痛みはすぐに収まるから大丈夫だよ」


 ティーアはこう言って治療を続けた。私は前にいるマウンテンモンスターズの海賊船を見て呟いた。


「今なら魔力でドカンとやれば沈みそうだけど」


「止めておけ、相手が警戒しとる」


「だね」


 ヴィルソルの言葉を聞き、私は攻撃を止めた。あいつらの海賊船の中に入って戦っていたが、どうしても腑に落ちないことがある。


「どしたの? ナルセ?」


「何か浮かない顔をしているわよ」


 私の表情を見て不安に思ったのか、ヴァリエーレさんとルハラがやってきた。


「あそこで魔力を開放しつつ、魔力の探知をしていました」


「何で?」


「強い敵がいるかもしれないでしょ。あんなに大きい船だもの、きっと強い奴がいると思ったから」


「ナルセが思っていること分かった。あれだけバカ騒ぎしたのに、強い奴が出てこなかった」


「ヴァリエーレさんの言うとおりです」


 私とヴァリエーレさんの会話を聞いていたルハラは、目を丸くして驚いた。


「え? じゃあ何で出てこなかったの?」


「そこが分からないのよ。最後の最後まで出てこなかったか、あるいは……」


「面倒だから戦うのを拒否したか」


 ヴィルソルがこう言った。人の性格はいろいろある。中には自分たちの船が危険な状態でも面倒だから戦わないって人もいるのだろうな。


「にしても、次の戦いの時には奴らも出るかもしれんぞ」


「次の戦いはちょっと真面目にやらないとまずいね」


「戦いの時はちょっとではなく真剣にやれ」


 と、ルハラはヴィルソルのツッコミを受けていた。このまま行くと、次の戦いで奴らを追い詰めることができる。だが、その時に奴らは強者を出す可能性が高い。奴らがどのくらい強いか分からないけど、本気で戦わねば。


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