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海の上の大捜索


ルハラ:シーアの海賊船のシャワールーム


 あれこれ考えた結果、頭が疲れてしまったようだ。一応ヴィルソルの案を皆が聞き、私のスケベな性格を利用した攻撃で心をよむ少年を対処するようだ。まぁ、あの歳の子供には、私の考えることは過激かもね。変なトラウマになりそう。


「ルハラ、相手は男と言っても子供だから、あまり過激なことを考えないでね」


 うっ、思っていることをナルセに言われた。


「大丈夫だよ。まさか、ナルセも心をよめるスキルとか持っているの?」


「持ってないわよ。そんなスキル」


「そんなスキルがあっても便利じゃなさそうね」


 私の隣でシャワーを浴びているヴァリエーレがこう言った。私はヴァリエーレがいる個室に侵入し、何でと言いながら乳を揉み始めた。


「ちょっと、これじゃあ答えが言えないじゃない」


「ヴァリエーレならできるよー」


「もう、こんな時にふざけないで」


 その後、ヴァリエーレは私をどかし、話を始めた。


「心がよめると言ったら、他人の本音がのぞけるようなものよ。本当のことを知った時、心をよんだ人は果たしてその人と仲良くできるかどうか」


「ちょっと難しいかもね」


 ティーアの声が聞こえた。私たちの話を聞いていたようだ。


「本音を知った時、私だったらちょっと……」


「便利そうな能力だけど、意外と厄介なものだね」


 私はそう言って元の場所に戻り、シャワーを浴び続けた。本当はもっとヴァリエーレにスケベなことをして頭をスッキリしたいけど、今は体を休めるのが先だ。今日は疲れた。


「さて、私はもう寝るよ。先に戻るねー」


 先にシャワーを浴び終え、着替えて寝室に向かった。その途中、シーアの部屋からケンジたちの話声が聞こえた。


「何話しているの?」


「今までのことじゃ」


「俺たちの身に何があったってことをシーアに説明中だ」


 ケンジとヴィルソルがこう答えると、シーアは私の方を見て口を開いた。


「なんだかんだ大変なことになっているねー」


「だねー。シーアと一旦別れた後はドッペルミラーの事件があったし、邪神の体に戦って死にかけたしねー」


「あの時は本当に驚いたのう」


「俺は三度目だったぜ。最初は転生した時、二回目はヒレラピのクナブの呪い、それでこの前」


「ケンジ死にかけすぎでしょ」


「一度死んだし」


 そんな感じで私たちは笑いながら話していた。話し込んでいたら、あっという間に時間が過ぎていた。




ティーア:シーアの海賊船


 翌朝。私たちは食事をした後、マウンテンモンスターズの海賊船を探し始めた。戦って逃げた後、マウンテンモンスターズの行方が分からないのだ。


「皆! 奴らの姿を見つけたすぐに連絡して!」


 船のてっぺんにいるシーアは私たちにこう言った。ルハラを除く私たちは望遠鏡を使い、魔力を開放して奴らの魔力を探査していた。ただ、ルハラはいざという時のために別室に待機してある。今頃エロ画像を見てにやにやしているのだろう。こうするのも理由がある。心をよまれた時にルハラの強烈なイメージを相手に流し、驚かすという作戦だ。


「うまく作戦が動けばいいんだけどなー」


 私は望遠鏡を覗きながら呟いた。あの心をよむ少年と言うのが、ピンポイントでルハラの心をよめればいいが、ルハラ以外の人の心がよまれたら意味がないような気がする。


 ま、こんなことを考えるより前に進むことを考えなければ。マイナスなことを考えるよりポジティブなことを考えよう。きっとうまく行くさって。


 数時間が経過した。時間が経ってもマウンテンモンスターズの海賊船の姿は見つからない。どうやらセンサーにも引っかかっていないようだ。


「何も引っかからないね」


 シーアが私の所に降りてきてこう言った。私は望遠鏡で周囲を見て返事をした。


「こっちも見つからない。どこかに行ったのかな」


「それか、ケンジとナルセが暴れたから船にダメージを負って、その修理でどこかに行っているのかな」


 シーアの言葉を聞き、私はあの時のことを思い出した。そうだ、ナルセが魔力を放って奴らの船に傷を付けていた。


「その可能性が高いね。あそこから近くの町ってどこか分かる?」


「うーん、確かあそこの海域で近い町は……ジャラケだ。確かあそこには小さいけど船の工場がある! うん、行ってみよう!」


 会話後、シーアは急いでジャラケと呼ばれる町へ船を移動させた。今いる場からジャラケ近くまでは一時間ちょっとかかった。


「皆、もう一度よく周りを見回して。奴らがいるかもしれないから!」


「シーア、奴らの海賊船を見つけたぜ!」


 と、望遠鏡を覗いているケンジが叫んだ。その声を聞いた私たちは急いでケンジが指さす方向を見つめた。遠くだけど、そこには船らしきものが見える。望遠鏡を覗くと、奴らの海賊旗が見えた。


「見つけた! 皆、今から奴らに接近するからどこかに掴まっていて!」


 シーアはこう言うと、操舵室に向かった。何をするのだろうと思っていると、近くの船員が私にこう言った。


「何かに掴まっていた方がいいよ。船長、ジェットロケットボタンを押すと思うから」


「何で船にそんなもんを付けている?」


「高速移動の時に便利だって船長が言っていた」


 その時、急に重力を感じた。何かに引っ張られるようだ。どうやら、ジェットロケットのボタンを押したようだ。ああ、この感じは確かマカロニさんの船に乗った時に感じたものだ。ああ……最近の船ってとんでもないものを搭載しているなぁ。


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