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苦戦する海上戦


 マウンテンモンスターズの総舵手は冷や汗を流していた。今、操舵室にはキリアとミランがいる。


「すげぇ……なんだ、今の? 坊主の言うことを聞かなかったら俺たちは沈んでいたよ」


 成瀬の攻撃が放たれる前、ミランが総舵手に左にかじを取るように叫んだのだ。ふざけているのかと思っていたのだが、この行動を行ったおかげで成瀬の攻撃を避けられることができたのだ。


「油断しないで。奴ら、近付いてくるよ」


 と、ミランがこう言った。総舵手はミランの言うことを聞き、近くにあるマイクを取って叫んだ。


「全員戦闘準備を始めろ! 俺たちを狙う奴らがいるぞ!」


 その時、ミランが目をつぶって再び口を開いた。


「奴ら、大砲の用意をしている。それと、黒髪のお姉さんがまた魔力を開放している。さっきよりすごい攻撃を仕掛けるつもりだ」


「マジか。皆、敵はさっきよりやばい攻撃を仕掛けてくるぞ、バリアを張れ!」


 この声の直後、海賊船全体にバリアが張られた。マウンテンモンスターズの海賊船には魔力を溜められる装置があり、その中にある魔力を利用してバリアを張ったりスピードを上げたりしている。


「おお! 坊主の言うとおりだ、奴らが大砲や魔力を使ってきた!」


 シーアの海賊船から、大砲の弾や魔力が放たれた。だが、それらはバリアによって跳ね返されたり、かき消されたりしていた。この様子を外にいるジザードは目にして、大笑いしていた。


「傑作だぜ! 奴らの行動が手に取るようにわかるなんて!」


「お頭、あの坊主を仲間に入れて正解でしたね」


「おう! 俺たちは最高の仲間を手にしたぜ!」


 ジザードは近くにいる部下と笑いあっていたが、別の部下が慌てて駆け寄ってきた。


「笑っている場合じゃないですよ。奴ら、襲ってきます!」


 望遠鏡を手にし、シーアの海賊船が迫っていることを知らせにきたのだ。ジザードはにやりと笑い、こう命令した。


「接近戦となればこっちのもんだ! ガンガン攻めて攻め落とせ! 野郎ども、武器を持て! 魔力を開放しろ!」


 ジザードの命令を聞き、部下たちは各々の武器を取ったり、魔力を開放して武器を作ったりしていた。


「さぁ、かかってこい!」


 近付いてくるシーアの海賊船を見て、ジザードはにやりと笑った。




ルハラ:シーアの海賊船


 バリアも魔力も全然効かない。間抜けな名前とは裏腹にマウンテンモンスターズと言う海賊はかなりやるようだ。


「俺が先に行くぜ!」


 ケンジはスカイウイングを使い、空を飛んでマウンテンモンスターズの海賊船へ向かった。


「あ! もう先走らないでよ!」


 ナルセが慌ててケンジの後を追うように、スカイウイングを使って後を追った。他の皆も行こうとしたが、私は皆にこう言った。


「なんかどうも動きがおかしいからさ、皆はここで待っていてよ。私が行ってくるから」


「大丈夫なの、ルハラ?」


 ヴァリエーレは心配そうだ。私はヴァリエーレの胸を揉み、こう答えた。


「何かあったらケンジとナルセと一緒に戻ってくるから心配いらないよ」


「で、何で胸を揉みながらカッコつけているの?」


「揉みたいから」


 と、私はティーアに答えた。


「こんな時に何を考えているのか……」


「不安になってきた」


 ヴィルソルとシーアのぼやきが聞こえた。まぁ、揉みたくなったのは事実だし、私の性格だから仕方ない。多分。それよりも早く二人の後を追おう。私は風を使って空を移動し、マウンテンモンスターズの海賊船に乗り込んだ。女の人もいるかなーって思ったけど、いるのは野郎ばかり。


「今度はエルフのガキか!」


「さっきの化け物はどうした?」


「あそこで暴れギャァァァァァァァァァァ!」


 どうやらケンジとナルセはすでに暴れているようだ。元気そうでよかった。


「やっほー、無事でよかったよー」


 私は風を発しながら、周りの雑魚を片付けて二人と合流した。


「ルハラもきたのか」


「他の皆は?」


「船の護衛を任せたよ。こいつら強くなさそうだし、私たちだけで十分だよ」


 襲ってくる雑魚を倒しながら、私たちは会話をしていた。私たちの強さを見てか、周りにいる雑魚は悲鳴を上げながら逃げて行った。


「あ、逃げた」


「どうでもいいわ。面倒だからこのままこの船をぶっ壊しましょう」


「おいおい、物騒なことを言うなよ」


 ケンジの言葉の後、やたらと偉そうなおっさんが現れた。だが、私たちが注目したのはおっさんではなく、後ろにいる女性と子供だった。


「あ……あんたは!」


「嘘でしょ、何でこんな所に!」


 女性の声を聞いて私は驚いた。それもそのはず、彼女は私がイドナの村で戦った、キリアだったからだ。


「また私とやりにきたの? 何度でも何度でも遊んであげるよー。グヒヒヒヒヒ」


「あんたなんかともう戦いたくもない!」


 あらら、すっかり嫌われたようだ。この時、キリアの横にいる子供が叫んだ。


「あのお姉さんに気を付けて。魔力を使ってくるよ!」


「なっ!」


 言葉を聞いたナルセは驚いた。確かに今、ナルセは魔力を開放して攻撃しようとしていた。見たところ、あの子供には魔力も何も感じない。一体どうしてナルセが攻撃を仕掛けることが分かったのか?


 しかし、今はあれこれ考えている場合じゃない。さっさとキリアを押し倒してあれこれしよーっと!


「気を付けて! あのエルフの人、変なことを考えている!」


「うっしゃ、俺様に任せな」


 キリアと子供の前に、偉そうなおっさんが立ちふさがった。私はその場で止まり、ケンジとナルセの元へ戻った。うーん、これはちょっと戦いにくいぞ。どうして私たちの考えが分かる?


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