表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/594

革命のその後


剣地:マージドイナカ山


 翌日。俺たちはマージドイナカ山へ戻っていた。シリヨク王国に捕まっていたモンスターたちは、皆解放されて山に戻ってきていた。


「いやー、一応我々も援軍として向かおうとしていたのですが」


「まさかナルセ殿が何もかも終わらせるとは思いませんでした」


「見かけによらず、素晴らしいスキルの持ち主ですね。お疲れ様です」


 エイトシターたちが成瀬をほめていた。成瀬はあれから、シリヨク王国で暮らしていた人たちからも慕われ、英雄扱いされているのだ。だが、当の本人は英雄扱いされるのが恥ずかしいと言っている。確かに、感情に任せて暴れただけだからな。


 で、革命後のシリヨク王国は、城で働いていた兵士が片付けを行っている。一部の兵士もあの王様の行動に反対する奴が多く、革命が終わった後は喜んで鎧を捨て、王様のことを罵倒していた。


 ラウドたちも今頃これからの王国についていろいろと話し合いをしているそうだ。フィロスが王を倒した後、民が一丸となって国を作ると言っていた。それからは、皆が協力して一つの国を作り上げるだろう。一人の強欲な男が国を治めるよりはましだろう。ちなみに、あの王様に付けられていた報酬金は、全てラウドたちに渡した。あの後いろいろ考えた結果、金があった方が復興に役に立つと考えた。


 だが、俺たちにはまだもう一つ問題が解決できないでいる。それは。


「あんた! ケンジにくっつきすぎよ!」


「お前の方がくっついているじゃろうが、文句言うな!」


 ティーアとヴィルソルについてだ。彼女らはこの戦いが終わった後、俺の部屋で住みたいと言っている。ティーアはもともとその予定できているし、ヴィルソルはマージドイナカ山のモンスターはラウドたちが引き入れると言っているから、我がこの場にいなくても大丈夫だと言っている。やっぱり魔王と勇者だからな、仲良くなれないかな。


「ケンジー、いつ町に戻るのー?」


 と、ルハラが聞いてきた。確かにしばらくロイボの町に戻っていない。俺がさらわれてから、ギルドの連中も心配しているだろう。勇者と魔王がそのまま嫁になりたいと言ってくっついてきたらまた笑いのネタにされるだろう。そう考えると、あいつらのことがどうでもよくなってきた。


「ケンジさん! シリヨク元王国からラウドさんがきました!」


 門番のモンスターの声が聞こえた。俺たちは急いでラウドの元へ行き、話を始めた。


「皆、いつまでここに?」


「えーっと……どうするケンジ?」


 ヴァリエーレさんが俺の方を見てこう言った。どうするか。今すぐにでも帰りたいけど、車ってあるのか?


「車ってある?」


「車はないが、それ以上にいいのがある」




剣地:シリヨク城


 その後、俺たちはシリヨク王国の城へきていた。革命の後なのか、中はとても荒れていた。


「うわー、汚い」


「掃除しているのか?」


「いや、革命後に兵士や民の皆が金になるものを全て取って行った」


「強奪されたわけね」


 成瀬が呆れてこう言った。ラウドは俺たちを城の地下へ案内し、扉を開けた。地下室は魔道兵器の保管所となっていた。


「すげー……これ皆兵器かよ」


「ああ。だが兵器はすべて解体して売却する」


「確かにそれが安心ですね」


 ヴァリエーレさんはそう言いながら、周囲を見回した。俺も辺りを調べると、バイクの様な物が置かれていた。


「これはバイク?」


「ああ。魔力で動くバイクだ。いくつか実験で乗り物も作ったらしい。他にもたくさんあるぞ」


 ラウドの言うとおり、バイク以外にも車や船などの乗り物が、あちらこちらに置いてあった。


「もし欲しい物があったら持っていくといい。報酬金を払うのは先になりそうだが、君たちには世話になったし、金以外でも何か渡したかったから」


「ありがとう! 俺、これにする!」


 テンションが上がった俺は、バイクを手にしてこう言った。昔からバイクに乗るのが夢だったんだよなー!


「何はしゃいでいるのよ。とりあえず車を貰うわね。このくらいの大きさだったら皆乗れると思うし」


 と、成瀬は車を触ってこう言った。その後、乗り物以外にも武器などがこの地下室に置かれていることが判明した。それを知り、俺たちは新しい装備や武器を貰った。これでギルド生活も楽になるだろう。




剣地:マージドイナカ山近くのギルド


 その後、俺たちはギルドへ顔を出しに向かった。革命後はかなり大騒ぎだったな。何故なら、誰も捕まえられなかった独裁者を俺たちが捕まえ、ここへ連れてきたのだから。


「あ! お兄さん! 今日はどんな用事?」


 受付嬢が俺たちを見て、真っ先にやってきた。


「いや、帰り道に通っただけです」


「あのクソデブ野郎、あの後問題とか起こしませんでした?」


 成瀬がこう聞くと、受付嬢は笑いながらこう話した。


「起こしたわよ。あの元王様、私をこんな目に合わせおって、いつか貴様ら全員を処刑台へ送ってやるって言っていたわよ。縄でぐるぐる巻きにされた状態でさ」


「まだ強気なのかよ、あのおっさん……」


「ある意味すごいね」


「まぁ一応元国王でしたからね」


 俺の脳内に、縄で縛られた状態で威張り散らすあの王様の姿が浮かんだ。まぁあんな状態でよく威張れるものだ。


 だけど、周囲を見回したけどあの王様の姿はない。どこに行った?


「あのおっさん、どこですか? 姿が見えませんが」


「もう裁判所へ連れていかれたよ。今日の午前中には裁判所の人が連れて行ったさ」


「へー。もう裁判するのかー」


「あの人の場合は特殊でね。いつ捕まってもいいように裁判の準備はできていたの」


「じゃあ捕まるのを待っていたんですね」


「そう。本当はギルドの腕利きにやらせようと考えていたけど、あの国兵器があるでしょ、だからその兵器の犠牲になっちゃあ困るからねぇ」


 まぁ、いろんな事情があったってわけか。大体は理解した。話を終え、俺たちはマージドイナカ山へ戻った。


「さて、じゃあ明日には帰るか」


「そうね。ギルドの皆も心配しているだろうし」


「してないと思うよ。だって革命のこと、こんなに大きく書かれているし」


 ルハラが新聞を広げてこう言った。確かに革命のことが大きな記事になっている。しかも成瀬の写真付きで。


「きっと皆さん、また変なことに首を突っ込んだなと思っていますよ」


「ああ。そうだな。だけど、あそこが俺たちの帰る場所だからな」


 俺は背伸びをしてこう言った。その時、ティーアとヴィルソルが同時にこう言った。


「ケンジ、明日は早いから風呂に入って一緒の布団で寝よう」


「ケンジ、明日のために一緒に風呂に入って、一緒の布団で寝るぞ」


 同時に同じことを言ったことが気に障ったか、二人はまた喧嘩を始めた。


「うーむ、しょうがないな……」


 こうなったら仕方ない。解決方法は一つだけだ。


「皆、風呂に入るか」




成瀬:マージドイナカ山の温泉


 この山の温泉に入るのはもうないだろう。あったとしても何年先になるか分からない。だから、この気持ちいい温泉をしっかり堪能しよう。私はそう思っていたが、他の皆はそうじゃないみたい。


「勇者! 貴様はケンジにくっつきすぎじゃ! 離れろ!」


「あんたが離れなさいよ、魔王!」


 剣地をめぐり、ティーアとヴィルソルが喧嘩を始めている。困った剣地は私やヴァリエーレさんに助けてくれと目でサインを送っていたが、私もヴァリエーレさんもこの様子を見ることにしていた。


「おーい、何とかしてくれよー」


「いいじゃないの。モテモテで」


 私は笑顔でこう返した。その時、剣地の足元から泡が発生した。


「ちょっと剣地……」


「俺じゃない。というか、ルハラはどこ行った?」


 この直後、剣地の目の前にルハラが飛び出た。


「ぷひゅーっ、接近成功!」


 ルハラはそのまま剣地に抱き着き、キスを始めた。


「しばらくイチャイチャしてないから我慢の限界!」


「あっ! ルハラずるい! だけど私、まだ十四だからなぁ……」


「我もじゃ……くそう。せめて来月。来月になったら誕生日なのに」


「私も……うう。早く大人になりたい」


 ルハラに絡まれ、慌てる剣地を見た二人は、早く大人になりたいと泣き言を言っていた。




成瀬:マージドイナカ山入り口


 翌日。帰る日になった。剣地は過去のことを思い出すかのような目で、マージドイナカ山を見回していた。


「なんかここも名残惜しいな」


「じゃが、今後はシリヨク王国の人たちと共に仲良くやれるじゃろう。我は安心してお前の所へ嫁に行ける」


 ヴィルソルは剣地の腕を抱き、こう言った。それを見たティーアはムッとして、背後から剣地に抱き着いた。


「二人とも、そろそろ帰るわよ」


 と、車の運転席に座ったヴァリエーレさんがこう言った。私たちは車に乗り込み、マージドイナカ山のモンスターの皆、クーデター軍の人たちに見送られ、ロイボの町へ戻って行った。


 車は日本の車と同じように、クーラーもライトもラジオも付いている。全然変わんなくて少しほっとしていた。


「ちょっとラジオでも付けてみる?」


「そうじゃな」


 ヴァリエーレさんはラジオのスイッチを押し、ラジオを流した。今、ラジオではニュース番組が流れていた。そこで、私たちは今日の未明にシリヨク王国の元国王、マライザ・ビーエが処刑されたことを知った。


 この作品が面白いと思ったら、高評価とブクマをお願いします! 感想と質問も待ってます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ