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聖域での修業


ルハラ:聖域


 瞬間移動した先は、プールのような場所だった。


「プッハァ! 何だ、ここ? 聖域だよな?」


 ケンジは水面に這い上がり、呼吸をしていた。ナルセたちも浮き上がり、陸面に向かって泳いでいった。


「はぁ……はぁ……酷い目にあった」


 ナルセはぐったりしていた。ヴァリエーレはティーアとヴィルソルを助けながら陸に上がり、白い馬を探していた。


「ちょっと? こんな目に合うなんて聞いてないけど!」


「すみません。少しやりすぎたようです」


 ヴァリエーレの声を聞き、白い馬が姿を現した。


「皆様のためにやったのですが、逆効果のようでした。すみません。まだ動けないほどの傷を負っているとは思ってもいませんでした」


 白い馬はお詫びを言いながら私たちに近付いた。そして、上がろうとしていたケンジを蹴って水の中に戻した。


「イッデ! ブハァ! 何すんだ! 馬刺しにして食っちまうぞ!」


「皆様、癒しの泉から上がらずそのままでいてください。しばらくしたら傷が治ります」


「夢で聞いた通り、この泉に癒しの効果があるのね」


「はい」


 そうか、この泉で怪我が治るのか。治るならここにいよう。しばらくし、私の体の調子が段々と良くなった。いつも通りの動きができるし、腕や足を動かしても痛みがない。


「やっほー! 傷みが消えた! 完全に復活した!」


 テンションが上がった私は、そのまま上がって走り回った。ケンジたちも具合がよくなったのか、泉から上がって体を動かしていた。


「すげー泉だな。一ヶ月かかる怪我が治ったよ。動いても痛みがない」


「すごい場所ね。今度怪我をしたらここにこようかしら」


 ケンジとナルセはこんな会話をしている。ヴァリエーレは白い馬に近付いて礼を言っている。そんな中、ティーアが白い馬にこう聞いた。


「ねぇ、ここで修行するって聞いたけど、暴れても大丈夫なの?」


「聖域には戦士の訓練場があるのです。皆様はそこで修行をしてもらいます。ですが、その前に着替えたらどうですか? 服を着ているとはいえ、透けて肌が見えていますよ」


 この言葉を聞き、ナルセたちは手で体を隠した。


「ちょっと剣地、見ないでよ!」


「大丈夫だ。成瀬の裸は見慣れている」


 この直後、ケンジはナルセの怒りでぶっ飛んでしまった。


 ナルセの怒りによって再び大怪我を負ったケンジがもう一度泉に入って傷を治した後、改めて私たちは修行をすることにした。案内されたのは普通の扉。その奥に修行用の部屋があるのかな?


「ここが訓練場です」


 白い馬が特殊な魔力かなんかを使って扉を開き、私たちを中に入れた。なーんだ、訓練場と言っても、中には何もない。ただ、変な空間であることは分かる。


「何だ、この部屋?」


「この部屋の先は強力な重力が発生します。これから皆様はそこで普段通りのトレーニングや日常生活を行ってもらいます」


「そんな内容で強くなれるのか?」


「不安だなー」


 ティーアとヴィルソルが部屋に入ると、その瞬間二人は倒れてしまった。


「な……何じゃ? 体が急に重く……」


「体が重いわけじゃないよ……重力が強すぎて動けないだけ……」


 倒れた二人を見て、ケンジはおどおどとしながら白い馬に尋ねた。


「なぁ、ずっとこんな部屋にいたら俺たち重さに耐えられなくて死ぬと思うけど?」


「何かあれば私が助けます。安心して修行してください」


 白い馬はそう言うと、私たちを部屋の中に押し込み、扉を閉めてしまった。重量がすごい。こんな中で過ごせるのかな?




ティーア:聖域の訓練場


 修行はこのことだったのか。滅茶苦茶強い重力の中で体を動かし、強くなること。


「ぐ……ぐぐぐ……」


 魔王は何とか魔力を開放し、立ち上がった。


「皆……魔力を開放すれば……何とか立つことができるぞ」


 魔王の言葉を聞き、ナルセは魔力を開放してすぐに立ち上がった。


「本当。だけど、こんなに魔力を使い続けていると、すぐになくなるわ」


「お前はゼロマジックがあるからいいだろー」


「魔力が無限と言っても、使えばそれなりに体力を使うのよ」


 ナルセはケンジに言葉を返し、歩き始めた。


「これならいい修行になるかもしれないわ」


「そうね……ぐぎぎぎぎぎ……」


 ヴァリエーレは気合で動いている。ある意味すごい。その逆で、ルハラは魔力を開放しているが、這いつくばって動いている。


「この方が楽」


「ちょっと、どさくさに紛れて足に抱き着くな!」


 ルハラは魔王の足に抱き着いている。セクハラしているルハラを見て、少し呆れた。その一方で、ケンジは苦しい顔をしながらも何とか立ち上がった。


「これやばいぜ……少しでも気を抜くとすぐに地面とごっつんこだ……」


 そう言いながら、魔力を操作しつつ動き始めた。


「とにかく……ここに何があるか調べないと……」


 そうだ。確かにこの部屋に何があるか調べないと。私たちは強い重力の中を歩き回り、中を調べていた。だが、皆すぐに力尽き、地面にごっつんこしてしまった。


「あ……これ駄目……」


 ケンジが苦しそうな声を出した直後、白い馬が部屋の中に入り、ぐったりとした私たちを魔力で持ち上げて癒しの泉に投げ込んだ。


「少し苦しい修行になりますが、これを乗り越えれば邪神並の強さを得られると思います。頑張ってください」


 とまぁ、白い馬は簡単に言うけど、この修行は今まで受けた修行より難しい気がする。


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― 新着の感想 ―
[一言] だがこのタイプの修行は終わったら終わったらで、今度はその超重力に体が慣れ過ぎて、最悪戦いになってもその感覚が抜けきれず、自分の動きや攻撃の軽さに振り回されそうなんですよね。
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