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空中でのリベンジマッチ


ヴァリエーレ:オハリの飛行船


 フォリーティックとの戦いから、二時間が経過した。目的地であるココチーノ山まではあと少しで到着する予定だ。しかし、ケンジとナルセは怪我を負っている。二人の傷が治ってから出ないと先へは行けないだろう。


「戻ったよー」


 二人の治療をしていたティーアが、部屋に戻ってきた。ティーアはソファに座り込み、大きく背伸びをしていた。


「なんか大分疲れているね」


「うん。結構魔力使ったからさ。もうへとへとでお腹がペコペコだよ」


「で、怪我は治ったのか?」


「大分ね。でも、まだ完全には治ってない」


「二人は今どうしてるの?」


「寝ているよ。さっきの戦いで疲れたみたい」


 ティーアは私の質問にこう答えた。寝ていれば、傷の治りは早くなるだろう。それまで、何かあったら私たちが戦わないと。


 そう思った中、急にサイレンが鳴り響いた。


「大変だ! へんてこな武装した連中が、こっちに向かってくる!」


 船員の言葉を聞き、私たちは急いで外へ向かった。後ろには、武装した飛行船がオハリの飛行船に向かって移動している光景が見えた。あの飛行船の紋章……まさか、フレッドデルタとデーモンノイズ! 私たちがここにいることが奴らに知られたようだ。


「さーて、張り切ってやりますか!」


「やーっと出番だね」


 ティーアとルハラは魔力を発し、遠距離から魔力を使って攻撃していた。


「さて、我も奴らに魔王の力を見せつけてやろう」


 ヴィルソルは闇の空間をいくつか発し、そこから闇の羽を飛ばし始めた。私はライフルを構え、敵の砲弾を狙って発砲していた。しばらくすると、敵の銃弾がこっちに向かって飛んできた。


「あぶなっ!」


 弾丸はヴィルソルの足元に命中した。少しでもずれていたら、ヴィルソルがやられていた。どうやら、敵の方にも優秀なスナイパーがいるようだ。


「皆さん、私も援護に回ります!」


 タトミさんが変わった銃を持ち、私の横に立った。


「変わった銃ですね」


「ええ。私たちが作った銃です」


 そう答えると、タトミさんはその銃に付いている紐に火を付け、狙いを定めた。すると、大きな発砲音と共に勢い良く銃弾が発射された。その銃弾は、離れた敵の飛行船に命中した。


「手を加えていますので、鉄ぐらいならこのくらい離れていても貫通します」


「すごい威力の銃ですね」


「ええ」


 すると、敵の飛行船から人が飛び降り始めた。一体何をするつもりだ?


「おい……あいつら空を飛んでいるぞ!」


「まさか、スカイウイング持ちか?」


 なんてことだ、敵の中にスカイウイングを持っている奴がいるようだ。それも大勢!


「ヴァリエーレ殿、私は銃で奴らを狙います。あなたは敵が接近した時のために、剣の用意をしてください!」


「はい!」


 私は狙撃をタトミさんに任せ、剣を装備して待機した。


「ルハラ、勇者。遠距離での戦いは我に任せろ。貴様らはヴァリエーレと共に強敵と戦え」


「いいの、魔王?」


「ああ! ここは貴様らに場を譲る。だから、負けるな!」


「オッケー。こうなった以上、張り切ってやるぞー」


 ルハラは両手を振り回し、気合を入れ始めた。ティーアは深呼吸をし、全身の魔力を溜め始めた。


 それからはヴィルソルとタトミさんの攻撃が続いていた。二人の攻撃は飛んでくる奴らに命中していったのだが、一部二人の攻撃を避けてこっちに向かってくる。数は五人ほど。


「何者かが接近したぞ!」


 ヴィルソルの声の後、その五人がオハリの飛行船に潜入してきた。


「へー、ここが私たちの相手する連中の飛行船か」


「強くなさそうだね。数も少ないし」


 最初にこう言ったのは、二人の少女。手にはハンドガンが握られている。あ、ルハラがやる気を出している。別の意味での。


「油断はするなよ。イア、アイ。こいつらはフォリーティックの連中を倒した奴らだ」


 武道着を着た成人男性が、イアとアイと呼ばれる少女にこう言った。その二人ははい。ゼラさんと同時に言っていた。この声の後、武装した二人の男が鼻で笑った。


「はん。フレッドデルタの連中もいるって聞いたから、強そうな奴かと思ったけど……」


「強くなさそうだな。おい、俺たちデーモンノイズの足手まといになるなよ!」


 変な武装をした連中は、デーモンノイズの一員のようだ。その二人の前に、タトミさんが移動した。


「品のない口は閉じていただこう」


 この直後、タトミさんはデーモンノイズの一人に剣で攻撃した。剣を振る勢いは素早く、目で追えなかった。


「な……に……」


 斬られた男は後ろに下がり、そのまま下へ落ちてしまった。


「コーザ! てめぇ……よくも俺の相棒を! あいつの仇は、このラッケがとる!」


 ラッケがタトミさんを襲おうとした時、ティーアが襲ってきた。


「んがっ!」


「お前の相手はこの私だ!」


 ティーアはラッケと戦うようだ。で、ルハラは……。


「ぐへへのへーい! 私といいことしない?」


「助けてイア、このエルフ怖い」


「私もそう、アイ」


 あの双子を追いかけまわしている。で……私の相手はゼラと呼ばれる男の用だ。


「あなたに恨みはないが……これも仕事です。覚悟を」


「意外と紳士なのね、あなた」


 私は剣を構え、ゼラにこう言った。




ティーア:オハリの飛行船、外


 ラッケと言う男……たまに戦う巨体の割に足が速い男だ。私は魔力を使って辺りを移動しているけど、奴は私のスピードに追い付いている。


「くたばれ!」


 奴は手にしたハンマーを私に向けて投げた。私は飛んでくるハンマーをかわし、闇の魔力でハンマーを破壊した。


「ケッ、テメーらのニュースは本当だったようだな」


「なーんだ。私たちのこと知っているのね」


「俺をバカにするなよ? これでも情報収集はちゃんとしている方だ」


 どうやら、あいつは私たちのことを知っているようだ。ちゃんとニュースとか見ているらしい。おっと、感心している場合じゃない。奴は棘が付いたヌンチャクを取り出し、振り回し始めた。


「俺の武器はハンマーじゃないぜ。こいつを使うのは……本気を出す時だけだ!」


「本気? へー、じゃあその本気とやらを見せてよ」


「見て驚くなよ」


 その直後、奴が手にしているヌンチャクの先端が消えた。いや、早すぎて見えないだけだ。先端は私の頬の近くにあった。間一髪で奴の動きに気付いたからよかったが、下手したら棘に命中してダメージを負っていた。


「チッ、避けたか」


 どうやら、奴の本気は私が思っていたよりも強いようだ。仕方ない、私も本気を出してあいつと戦おう!


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