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光と闇の武術


ルハラ:マカロニの船


 私は光と闇の魔力を発し、ミガーに近付いて行った。奴は私が光と闇を使った時からかなりビビってこちらを見ている。力の差を感じたのだろうか、もしくは光と闇の対応策がないのだろう。


「くっ……クソッたれ! こうなったらやけだ!」


 奴はそう言うと、周りに無数の折り鶴を生み出した。


「喰らえ、(そう)舞鶴(まいづる)!」


 葬舞鶴か。奴が名付けた技の名前か。ダサいな。奴が放った折り鶴は、船の床を傷つけながら私に迫っていた。ま、光と闇を放っているから、そんなのがきたって無意味だけどねー。そうこうしているうちに、奴が放った折り鶴が襲ってきた。だけど、光と闇にかき消されて消えた。


「なっ……」


「無駄だって察したね。じゃ、今度はこっちの番だよ」


 私は猛スピードで奴の懐に近付き、三発ほど腹を殴った。


「ガッハァッ!」


 三発とも急所に命中。奴がひるんだすきに私は奴のあごに目がけて蹴りを喰らわせた。強烈な一撃だったのか、攻撃を受けた奴は後ろに下がった。その隙を逃さす、私は右の拳に闇を発した。


「ほいやぁ!」


 掛け声とともに、私は右の拳を奴に向けて放った。命中箇所は右の胸、強烈な音が響いたから、ちょっとやりすぎたかと思った。


「あ……あぁ……」


 この攻撃で意識が吹き飛んだかな? だけど、まだ奴から魔力を感じる。まだ意識はあるようだ。


「これで終わりだと思った? まだ途中だよ」


 私はこう言うと、強烈な左アッパーで奴を空中まで吹き飛ばした。続けて、追撃をするために私は大きく飛び上がった。高く吹き飛ばしすぎたかな。下の船は小さく見えるし、遠くにはあいつらの船が見える。あんな所にいたのか。


「さ、フィニッシュの時間だよ!」


 光と闇を全身に発し、私は飛ぶように奴に攻撃を仕掛けて行った。しばらく殴ってはぶっ飛ばし、蹴ってはぶっ飛ばしを繰り返していた。


「これでおっしまい!」


 私は右足に光と闇の魔力を集中させ、奴を連中の船に向けて蹴り飛ばした。攻撃を受けた奴は猛スピードで連中の船にぶっ飛んで行き、そのまま船に激突した。


「ふぅ。これで少しは楽になるね」


 船を壊したから、これ以上連中の援軍はないだろう。少しやりすぎたかなって思ったけど、悪人連中が海で溺れようが危険な魚のおかずになろうが知ったことではない。私は船に戻り、マカロニさんの元へ向かった。


「おう、エルフの嬢ちゃんか!」


「無事?」


「おうよ! 俺の方は何とかすっから、嬢ちゃんは他の連中の援護に行ってやんな! 結構苦戦しているみたいだぞ!」


 と、マカロニさんがこう言っていた。ケンジたちがやばいのなら、早く援護に行かないと! 私は大急ぎで外に出て、状況を知るために見回した。どうやら、今はナルセとヴィルソルが変な男と戦っており、ヴァリエーレとティーアが剣を持った変な男と戦っている。で、ケンジは倒れている。ケンジは傷を受けているかもしれない。早く助けに行かないと。




ヴァリエーレ:マカロニの船


 ティーアが援護にきてからは、二対一になって有利になったかと思っていた。しかし、そんなことはなかった。


「うわぁっ!」


 ティーアは男の剣に弾き飛ばされ、後ろに吹き飛んだ。私も軽く傷を受け、片膝をついている。


「大丈夫ティーア?」


「何とか。しかし……あいつ強いよ」


 ティーアは目の前にいる男を睨んでこう言った。私は何とか立ち上がり、雷の魔力を開放し、落雷であいつに攻撃を仕掛けた。しかし、奴は落雷を弾き、海に落とした。


「雷を弾き飛ばした!」


「俺くらいの剣の腕前になると、雷だろうが何だろうが弾くことができる」


 と、男は自慢げにこう言った。私はティーアに近付き、小さくこう言った。


「二人で仕掛ける?」


「そうだね。よし、行こう!」


 私とティーアは同時に走り出し、男に向かって剣を振り下ろした。しかし、男は剣を一振りして私とティーアを吹き飛ばした。


「グッ!」


「うっ!」


「おいおい、二人で仕掛けてこのざまか?」


 男は私たちを見下すかのようにこう言った。


「真のソードマスター、カゲロウ様には敵わないよな。ケッケッケ、土下座して俺の靴の裏を舐めたら許してやろうか?」


「ふざけんな!」


「裏ギルドの分際で!」


 ティーアが先に走り出し、カゲロウに斬りかかった。だが、奴は剣を使ってティーアが振り下ろした剣を防御した。奴が防御に専念している隙を狙い、私が上から奴に斬りかかった。


「ほらよ!」


 と、奴はティーアを振り払い、私の目の前に移動させた。危ない! 下手したら私の剣がティーアに命中していた。


「ケーケッケ! 雑魚が! 剣じゃあ俺には効かないのが分からねーのか? お前ら脳みそあるのですかぁ?」


 ムカつく声と言葉だ。何とかあの下品なことを言う口を黙らせたい。しかし、剣では奴には敵わない。剣の使い方もその対処法も奴は知っている。剣では敵わない……ん? なら、剣以外で攻めに行ったらどうだろうか?


「ティーア、確かあなたって槍と斧も使えるわね」


「うん。スピアマスターとアックスマスターもあるから使えるけど」


「考えがあるの。剣じゃ敵わないなら」


「他の武器で行くって考えだね」


 その後、私は銃を構え、ティーアは槍を構えた。


「ケッ、剣だと無意味だから武器を変えたってわけか? 安易な考えだな、オイ!」


 奴は強気になってこう言っていた。その時、ティーアの槍攻撃が奴を襲った。奴は剣で防御したのだが、防御されたと即判断したティーアが追撃を行っていた。


「グッ!」


 槍の攻撃に対処しきれないのか、ティーアの槍は奴の右腕に命中した。


「雑魚がふざけるなよ!」


 奴は服を破り、傷ついた右腕に巻き付けた。包帯のつもりだろうか。


「武器を変えても俺には意味がないのが……」


 私は奴の左肩に向けて銃を撃った。狙われているのが分からなかったのだろうか。奴は後ろに下がり、左肩を抑えて苦しみ始めた。


「ぐ……ぐがぐ……があああああ……」


 ティーアが奴の前に立っていたから、遠くにいる私が銃で攻撃をするとは思ってもなかったようだ。


「銃を使うのか……卑怯だぞ……」


「あら、戦いに卑怯も何もないわよ」


「裏ギルドのあんたが、一番理解しているはずだよね?」


 ティーアがそう言うと、傷ついて動けない奴に向けて攻撃を仕掛けた。


「グァァァァァァァァァァ!」


 槍で何度も突かれ、奴の体は傷だらけになった。そして、私が遠距離から銃を撃って奴に大きな傷を与えた。銃弾が命中した時、奴の体は大きく吹き飛んだ。


「やったかな……」


 ティーアがぽつりとこう言った。しかし、私はカゲロウという奴に変なものを感じている。ソードマスターのスキルを持っているようなことを言っていた。確かに剣を使って攻撃をしていたが、奴は魔力を使っていない。いや、魔力はあるのだが、使えないだけなのだろうか? 少し口調が幼いとはいえ、剣の腕は私やケンジ、ナルセ、ティーアと同じくらいだ。そんな奴が簡単に倒れるか? 何もかもが楽に行き過ぎている。私が深く考えているだけならいいけど。


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