表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
167/594

リゾート気分が終わる時


剣地:ワイハーン


 時は流れて最終日、俺たちは水着に着替えて浜辺にいた。


「さぁ、最後の日だし思いっきり遊ぶぞ!」


 俺はゴーグルを装着し、海の中へ飛び込んだ。俺の後に続き、ルハラとティーア、ヴィルソルも飛び込んでいった。


「怪我しないでねー」


 後ろから成瀬の声が聞こえた。それと、ヴァリエーレさんの微笑む声も。


「ぷっはー!」


 海に潜った後、俺は海面へ浮上した。ふぃー、久しぶりに泳ぐとやっぱ気持ちいいなー。


「ケンジ、一緒に泳ごうよー」


「ここら辺、深いから泳ぐのにうってつけだぞ!」


 と、ティーアとヴィルソルがこう言った。ほう。面白そうだな、行ってみよう! 俺は二人の近くへ行き、その場で潜った。俺の目に映ったのは、色とりどりのサンゴや泳ぎまわる魚。他にも、日本では絶対にないであろうと思う変な色のワカメがあった。やっぱり日本とペルセラゴンって違うよなー。そんな時、急に背中が重くなった。犯人は分かった、ルハラだ。俺は海面に浮上し、ルハラにこう言った。


「急に抱き着くなよ、ビビった」


「ごめん。ケンジの背中見たら発情してさ」


「お前、ほんとどこでもムラムラできるな」


「それが私だからね。海の中でイチャイチャする?」


「ははは、溺れるからしないよ」


「残念」


 その時、俺の顔に水が飛んできた。その方向を見ると、成瀬が水鉄砲を持っていた。


「面白い物を見つけたわよー」


「水鉄砲か、懐かしいな」


「へー、ケンジの世界にも水鉄砲ってあったのね」


 ティーアは成瀬が持つ水鉄砲を見てこう言った。その時、ヴァリエーレさんが何かを持って俺たちに近付いた。


「皆の分もあるわよ」


 その手には、俺たち人数分の水鉄砲があった。


「撃ち合いして遊ばない?」


「いいね! やろう!」


 と言うわけで、水鉄砲で遊ぶことになった。子供の頃よく遊んだけど、今になって遊ぶと懐かしい。


「こら待て、勇者! 魔王から逃げられると思うな!」


「へーん! 逃げるだけじゃないよー!」


「うわっぷ! 逃げながら撃つな!」


 ティーアとヴィルソルはなんだかんだ楽しんでいるようだ。で、ルハラの方は……


「ちょっとルハラ! 水着に向かって撃たないでよ、外れちゃうじゃない!」


「いいじゃないか、水着が外れて胸がポローン! それに、私たち以外誰もいないから乳を出しても問題ない! 大丈夫!」


「大丈夫じゃないわよ!」


 ルハラは水鉄砲を使って変なことを考えている。まぁ、いつも通りと言えばいつも通りだな。そんな時、また成瀬が俺に向かって水を撃った。


「またやったな!」


 俺は水鉄砲に水を入れ、成瀬に向けて放った。


「きゃー、やられたらやり返すわよー!」


 そう言って、成瀬は再び水を俺に撃った。あれ? 何か水の量が増えてねーか?


「あ! お前ずるいぞ、二丁ってありか!」


 成瀬は水鉄砲をもう一丁持っていた。こうなったら、やれるだけやってやる!


「やり返してやるぜ!」


 俺はガンマスターのスキルを利用し、成瀬に向かって水鉄砲を放った。成瀬の方は俺が放つ水を避けつつ、俺に反撃をしていた。修行の成果が出ているせいか、以前の成瀬の動きとはまた違う。というか、動きが早すぎる。


「チッ……こうなったら……」


 俺はやけになり、水を撃ちまくった。すると、成瀬の悲鳴が聞こえた。よっしゃ! 命中したぜ!


「ちょっと……何するのよ……」


 あり? 何か様子が変だ。俺は成瀬の方を見ると、成瀬はずれかかった水着を手で押さえていた。あ……この展開は……。


「この変態野郎!」


 成瀬の叫び声の直後、俺の頭上に巨大な隕石が落下した。




ヴァリエーレ:帰りの船


「あの……どうかしましたかお客様?」


 船員が心配そうな表情で。爆発アフロになったケンジにこう聞いた。


「何も聞かないでください」


 と、ケンジは答えていた。ナルセは少しやりすぎたとちょっと反省していた。まぁ……ケンジが無事ならいいかな。


 その後、私たちは帰りのバスの中で情報収集をしていた。ほぼ一週間私たちはテレビや新聞を見ていない。この期間の間に何かがあったのか分からないのだ。


「アオーラ国で革命があったらしいね」


 と、ティーアが新聞を見てこう言った。


「いつあったの?」


「五日前。大臣のイウチって人が起こしたって」


 革命か……何でそんなことを起こしたのだろう。アオーラは特に問題も起こしてはいない、平和な国のはずだ。王様も特に変な政治思想は持っていないのに。


「前国王のムタネは公開処刑され、ムタネに味方する大臣も皆処刑されたらしいね」


「うわー、結構えぐいことする大臣だね」


「ほんと、革命なんて起こして何をする気なのかしら?」


 ルハラとナルセが呆れてこう言った。


 数時間後、私たちは船から降り、バスを経由してロイボの町に戻ってきた。


「いやー、何か帰ってきたって気分だなー」


 ケンジは背伸びをしてこう言った。その後、皆に挨拶をしようと思い、私たちはギルドへ向かった。すると、受付嬢が慌てて扉を開いた。


「ケンジさんたち、丁度良かった!」


「何かあったのですか?」


「緊急の依頼です! 依頼人は、セントラー王国です!」


 セントラー王国? リーナ姫の身に何かあったのかしら? 私たちは話を聞くために、ギルド内へ入った。ギルドの中は騒然としていた。それもそのはず、長椅子の上には傷だらけの兵士が横になっていたからだ。


「大丈夫ですか?」


「今治療したから何とかなった。とりあえず、話はできるようだ」


 ギルドの人が私たちにこう言った。すると、傷だらけの兵士がゆっくりと私たちの方を振り返った。


「お……お久しぶり……です」


「何が起きたのですか?」


 ケンジが慌てて兵士に元へ駆けつけた。その後、ナルセとティーアが兵士を治療しながら、話ができやすい状況を作り始めた。


「実は、先日革命が起きたアオーラ国が、セントラー王国へ侵略しにきたのです」


「侵略! あの国が?」


 なんて話だ、アオーラ国がそんなことをするなんて……。


「奴らは不意を突き、攻めてきました。我々も対処しましたが……不意を突かれたせいか兵士たちは皆戦える状況ではなく……殺されてしまった……」


「そんな……」


「それで、姫は無事か?」


 ヴィルソルがこう聞くと、兵士は苦しそうにこう答えた。


「リーナ姫は……奴らに連れてかれてしまい……行方は分かりません」


「そうか……話は分かった。アオーラ国からリーナ姫を助けろということだろ?」


 ケンジは全てを理解したのか、こう口を開いた。


「はい。情報は……これだけです」


 と、兵士は軽鎧から布の切れ端をケンジに渡した。それには、紋章のような物が付いていた。


「これは?」


「裏ギルド、デーモンノイズの紋章です。奴らはアオーラ国の近くで活動しています。もしかしたら、裏でつながっていると思います」


「分かった。すぐにリーナ姫を助けに行くから、そこで待っていてくれ!」


 会話後、私たちは立ち上がり、リーナ姫を助けに向かった。


 この作品が面白いと思ったら、高評価とブクマをお願いします! 感想と質問も待ってます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ