サキュバス姉妹の災難
エクラードから西の森に棲んでいるサキュバスは、迷った旅人を甘い言葉で誘い出し、その迷った旅人から魔力や体力などを奪って弱らせて殺し、奪った魔力などを姉妹でわけあって生活していた。彼女の噂を聞いた屈強な戦士が襲ってきたこともあったのだが、彼女らの催眠術の前では敵ではなかった。
自分たち姉妹は無敵。力を合わせれば、敵などいない。彼女らはそう思っていた。ルハラがくる前までは。
ルハラ:サキュバスの住処
「あっあァァァァァァァァァァ!」
次女のサキュバスは私のテクによって体力が抜けたのか、その場に倒れた。
「おーい。大丈夫かい?」
指で乳首をつねっても、あへぇとかしか言わない。はぁ。サキュバスだからこの手の攻撃には慣れていると思っていたのに、意外と弱いね。
「さーて、残ったのは君だけだよ」
私は自己流の構えで残った長女に迫った。私が近付くにつれ、長女は悲鳴を上げながら後ろへ下がって行く。
「止めて……もう満足したでしょ?」
「まだまだ。この程度で私が満足したと思わないでよ」
私の言葉を聞き、サキュバスの目に涙が浮かんだ。今がチャンスかと思ったけど、突如長女の表情が変わった。
「お姉さまをいじめるな!」
あららー。最初に絶頂した末っ子が私に抱き着いてきた。
「あらら。そんな恰好で私に抱き着くなんて」
「うるさい! いいか、それ以上お姉さまに近付いたら、お前の首をへし折るぞ!」
末っ子の腕は私の首元にある。ほう。変な動きをしたら首をへし折るつもりだね。力も入っているようだし、少し息苦しい。
「離れろ! 私の言うことを聞け!」
どうやら、末っ子は腕の力を込めるのに集中して、私が何をしようとしているのか予想していないようだ。
「ねぇ。私に攻撃をすることしか考えてないの?」
「はぁ?」
私が言った言葉の意味が分からなかったのか、末っ子は声を上げた。その瞬間、末っ子の表情が変わった。
「え……ちょ……」
「自分の身を守ることも考えましょうねー」
末っ子は私のくすぐり攻撃に襲われるとは思ってもいなかったようだ。そのまま末っ子は、私の指さばきに負けて私から離れて落ちた。
「お……お姉さ……ま……」
「ムロ!」
倒れた末っ子に近付こうとした長女に接近し、私はそのまま長女を押し倒した。
「離れて!」
「嫌だねー」
私は長女の胸元を触ってにやりと笑った。妹たちよりも胸はでかいね。
「やっ……止めろ、このセクハラエルフ!」
「いやー、でかい胸だね。こりゃあ……ムラムラが止まりませんなぁ!」
私はそのままセクハラを始めた。長女は悲鳴を上げながら、私を振り下ろそうと手足を動かした。しかし、力が弱くなっているせいか、振り回している手足のスピードは遅い。
「あっ……あっ……この……外道がぁ……」
「その言葉、聞き飽きたよ」
私がこう言った直後、長女は高い悲鳴を上げ、力尽きたように倒れた。
「ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……」
「謝るなら、私じゃなくてあんたらが殺した人に謝りな」
私は倒れた三姉妹を同じ場所に置いた。
「もう……許して」
「涙なんて……いくらでもあげるから」
「ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……」
私の攻撃で戦意を失った三姉妹を見ていたら、なんだかまたやる気がわいてきた。
「え……ちょ……何で笑いながら近づいてくるの?」
「その手つき止めて。見せないで。嫌な予感がする!」
「怖いよ、お姉ちゃん!」
「もう誰も私を止めることはできない! 私を興奮させたことを後悔しな、この淫乱姉妹!」
「淫乱なのはお前だ!」
それから数分以上、私は本能のまま三姉妹にいろんなことをした。あれをしてもまだ足りない。これをしてもまだ足りない。私が満足するまで、長い時間がかかったが、長時間やったせいか、かなり満足した。
「いやー楽しかったよ。もし、近くに来たらまたくるから」
私は瓶一杯に溜まったサキュバスの涙を持ち、三姉妹にウインクをして去って行った。そんな私の後姿を見たのか、三姉妹は涙声でこう叫んでいた。
「二度とくるな!」
ヴァリエーレ:エクラード北東の森
私が探しているのは、聖域にある水。小瓶一杯分の水があればいいとフォレさんが言っていた。聖域は北東の森のどこかにあると言っていたが、まだ見つからない。何か特殊な方法で行ける場所なのだろう。
「うーん。困ったわね」
私は辺りを見回しながら呟いた。ヴィジョンマップを見ながら歩いているものの、目的地まではまだ遠い。
「何かないかしら」
何か目印になるようなものはないかと調べた時、近くから足音が聞こえた。その方向を見ると、白く光っている馬がいた。
「モンスター?」
「違います。私は聖域へ導く者。何故聖域へ向かっているのですか?」
「私の夫がサキュバスに呪いをかけられているのです。その呪いを解くためには、聖域の水が必要なのです」
「そうですか。話は変わりますが、あなたはエクラードの民ではありませんね。何故か、あなたからエクラードの民しかない魔力を感じますが」
「えーっと、私の夫ですが、私以外にも嫁がいるのです。夫の幼馴染と、エルフの少女、魔王の少女、そしてエクラードの勇者と私です」
私の言葉を聞いた白い馬は、少し間を置いた後で私にこう言った。
「聖域へ向かう前に試練があります。それを乗り越える度胸があれば、私の後に付いてきてください」
「分かりました」
その後、私は白い馬の後を追って歩き始めた。歩く中、白い馬が私に話しかけてきた。
「もし、私を見失ったら、元居た場所に戻されますのでご了承を」
「他にペナルティはありますか?」
「ありません。何度も出も挑戦できます」
よかった。一回きりの挑戦じゃなかったようだ。そんなことを思っていると、私の目の前に鋭い角を額にはやした猪型モンスター、ホルンアグリオスが現れた。
「ホルンアグリオス! こんな所にもいるのね!」
私は武器を持って戦おうとしたが、白い馬は先へ歩いて行った。
「戦うのですね。ではお先に」
「そ……そんな!」
まずい、こいつに気を取られていたら、白い馬を見失ってしまう! ここはあいつを無視していこう。私はそう思い、武器をしまった後で走って白い馬の後を追った。
「追いついた……」
何とか白い馬の後についていくことに成功した。が、後ろにはまだホルンアグリオスがいた。しかも、私たちに狙いを定めて突進をしてきていた。
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