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血染めの太陽殲滅戦


成瀬:血染めの太陽アジト近く


 ついに奴らのアジトの近くに到着した。


「気を付けて、私たちがきたって奴らも察していると思うから」


 ティーアは私とヴァリエーレさんにこう言った。ティーアの言うとおり、上の方から魔力の気配を感じている。


「真正面の戦いになると思うけど、何からやる?」


 ヴァリエーレさんが聞いてきた。私は魔力を発し、奴らのアジトを見てこう言った。


「私の魔力でアジトを壊滅させるのはどうでしょうか?」


「それいいね。どうせなら、先制攻撃を仕掛けよう!」


 ティーアは私の案に賛成してくれたようだ。ヴァリエーレさんも結構乗り気だ。さぁ、派手に行くわよ!


 魔力を解放した私はアジトの上に巨大な隕石を落とした。そして、次に巨大なビームを奴らのアジトに向かって放った。


「ナルセの攻撃であいつら慌てているよ」


 私の攻撃を受け、奴らは慌てているようだ。すると、奴らのアジトから警報らしき音が鳴り響いた。


「くるわ!」


 望遠鏡を見ているヴァリエーレさんがこう言った。下を見ると、手下連中がバイクに乗って私たちの所へ向かってきていた。


「雑魚は任せて!」


 ティーアは槍を装備し、竜巻を発生させて手下への攻撃を始めた。これなら、雑魚はすぐに片付くだろう。


「さーて、もっと派手に行きますか!」


 私はさらにビームの数を増やし、奴らに攻撃を仕掛けた。この攻撃で、奴らの大半は崩れただろう。その時、私の足元に何かが発射された。どうやら、相手の方にも私と同じ技を使う奴がいるのだろう。


「隠れましょう!」


 ヴァリエーレさんがこう言うと、私たちは岩場の陰に隠れた。私は顔を出し、先ほど出した隕石がどのあたりにあるか調べた。


「ナルセ、あなたが出した隕石は今どのあたりにあるの?」


「あと数分で奴らのアジトに命中」


「隕石が落ちたら攻めに行く?」


「もちろん。ちょっと待ってね、すぐ落ちるように変更するから」


 その後、私は隕石が早く落ちるように魔力を練り直した。すると、隕石の落下速度が加速した。それからすぐに隕石は奴らのアジトに命中した。


「よし、行こう!」


 隕石が奴らのアジトを破壊したのを頃合いに、私たちはアジトへ向かって走って行った。




 血染めの太陽のアジトは大混乱に陥っている。成瀬の攻撃を受け、今は成瀬が出した隕石のせいでアジトの大半が崩壊してしまった。


「皆無事か?」


「こっちは怪我人が多数出ている、助けてくれ!」


「誰か水の魔力を使える奴はいないか? 炎が上がって先に進めない!」


「壁が崩れるぞ、皆逃げろー!」


「床が崩れる、落ちないように気を付けろ!」


 あちらこちらから、団員の悲鳴が聞こえてくる。ヴォーデは何とか外に出て、成瀬たちの姿を探した。そんな中、一人の男があくびをしながらやって来た。


「いやー、大変なことになっているね。ヴォーデ」


「こんな時に呑気に寝ていたのかあんたは?」


 ヴォーデは苛立ちながら、あくびをした男性を睨んだ。その男性は笑いながらこう言った。


「ごめんね。暇だったからつい」


「まだ午前中なのに、よく寝られるな。ピスクさんよ」


 と、ヴォーデはピスクと言う男にこう言った。ピスクは謝りながら、外を見回した。


「で、君が目を付けている連中はどこなんだい?」


「知らねーよ。見失ったから探している」


「もしかしたら、この隕石もあの連中の仕業なのかね?」


「多分な。シュージィーを始末した時、あいつと戦った女のガキがやった可能性がある。見た目はガキだけど、とんでもねー魔力の持ち主だ」


 話を聞いたピスクは、体を震えさせながらこう言った。


「うわー、恐ろしい子がいるね。できれば戦いたくないな」


「何言っている。敵と戦わない選択なんてあるわけないだろうが」


 ピスクの発言に呆れたヴォーデは、望遠鏡を置いてどこかへ行ってしまった。


「どこ行くの?」


「下だよ」


 そう言って、ヴォーデは去ってしまった。ピスクはため息を吐いて小さく呟いた。


「慌てなくてもいいのに」


 ヴォーデは依頼者から成瀬たちがここへ襲撃しにくるのを話に聞いていた。だが、成瀬たちの戦闘力について、ヴォーデは何も知らなかった。


おいおい、どんなバケモンだ?


 心の中で呟きながら、ヴォーデは下へ向かっていた。途中、悲鳴を上げて逃げている部下を何人も見つけた。部下はヴォーデのことを気にせず、ただ逃げていた。そんな彼らを見て、呆れたヴォーデは大声でこう言った。


「逃げるな! お前らも血染めの太陽の一員なら、体張って奴らを始末しろ!」


「無理ですよ! 奴ら、俺たちより強いです!」


「仲間がやられちまいました、俺たちじゃあ戦えません!」


 逃げ腰の部下を見て、ヴォーデは舌打ちをして先へ向かった。


「役立たず共が」


 小さく呟いていると、遠くから人影が見えた。それと同時に、部下の声も。


「侵入者、よくもアジトと仲間をやってくれたな!」


「ぶっ殺してやる!」


 その直後、激しい電撃が部下を襲った。それを目撃したヴォーデは、慌てて部下の元へ駆けつけた。


「おい、今の音は何だ?」


 ヴォーデが倒れた部下に近付くと、彼に向かって電撃が襲い掛かった。ヴォーデは倒された部下を盾にし、電撃を放った主を確認した。


「やっぱりテメーか」


「あら、こんな所で会うなんて奇遇ね」


 攻撃の主は成瀬だった。後ろには銃を構えたヴァリエーレ、剣を構えたティーアが立っていた。


「この騒ぎもお前の仕業だな」


「さーて、どうだか!」


 成瀬はこう言うと、ヴォーデに向かって巨大な隕石を発射した。ヴォーデは隕石を回避し、きた道を戻って逃げ始めた。


「あ、逃げた!」


「待て! この野郎!」


 ヴォーデは一人では敵わないと判断し、ピスクにこのことを伝えて一緒に戦おうと考えた。ピスクと話した場所へ戻ったのだが、ピスクの姿はなかった。


「あの野郎、どこ行った?」


「何か用?」


 下を見ると、地面の上で仰向けになっているピスクを発見した。


「こんな時に寝るな!」


「戦いの前だし、少しリラックスしようと思ってね」


 そう答えると、ピスクは立ち上がり、軽くストレッチを始めた。


「君が戻った理由は理解しているよ。俺も戦うから安心して」


「はぁ……理解してくれてありがたい」


 その後、ピスクは腰の刀を持ち、ヴォーデと共に成瀬たちの元へ向かった。


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