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成長を感じる時


ルハラ:会場外


「そらァァァァァァァァァァ! そらそらそらそらそらそらそら、どらァァァァァァァァァァ!」


 ザンガは勢いに任せてパンチやキックを繰り返している。当たれば威力はでかいと思うけど、勢いに任せた攻撃は意外と簡単にかわせる。炎を発した時は強いだろうなと思ったけど、いざ戦ってみれば勢いだけで戦うアホだったみたい。


「何故だ? 何で俺の攻撃が当たらない!」


 うーわ、何で自分の攻撃が当たらないか考えだしたよ。とことんアホだな。


「当たり前でしょー。あんたの攻撃、隙が多くて簡単にどんな攻撃がくるか分かるよ。予想して動けば避けられるよ」


「何だと? この俺を……バカにするな!」


 私の言葉を聞いた奴は怒り出し、更に炎を発した。確かに炎の勢いはすごいけど、これだけすごい炎だと、消費する魔力もとんでもない量だろう。


「俺の炎で貴様を消し炭にしてやる、覚悟しろ!」


「とにかく、カッコつける前にどうやって攻撃が当たるのか考えたら?」


「黙れ!」


 奴は私に近付き、接近戦を挑もうとした。奴が格闘技メインで戦うなら、私に近付くしかないよね。だけど、そうやすやすと敵に近付いて接近戦を挑むバカはいない。


「待て! 貴様、逃げるな!」


 私は後ろに下がり、奴から離れて行った。奴は私が逃げ出したと思っているけど、逃げ出すなんてことは考えてはいない。


「さーて、こっちも動きますか」


 私は風を発し、奴に向けて放って行った。飛んでくる風が目に見えないように細工してあるから、奴はそれを避けることができずに攻撃を受けて行った。


「うがぁっ! 貴様……真面目に戦え!」


「これでも真面目に戦っているよー」


 いちいち戦っている相手に喋るか普通? その言葉に反応する私も私だけど。ま、話をする余裕はこっちにはあるからいいけど。


 しばらく風で攻撃していると、更に怒り出した奴は発している炎を強くした。


「貴様だけは許せない! この俺をバカにしたことを、あの世で後悔させてやる!」


 うわー、悪役の言うセリフだねー。私は呆れていると、目の前に奴が移動してきた。


「死ね!」


 強烈な一撃が私を襲おうとした。だが、奴の攻撃はさらに大振りになっていた。私は横に移動し、難なく奴の攻撃をかわした。


「何だと? クソが!」


 奴は腕を横に振り、私を狙って攻撃をした。だけど、攻撃速度はさっきと同じ。私はジャンプして攻撃をかわした。


「クソが! クソがクソがクソが!」


 怒り出した奴の頭に狙いを定め、私は空中からドロップキックをお見舞いした。強烈な一撃が奴に決まったせいで、奴は地面に倒れた。


「ガハァッ! 何で……この俺が……エルフの子供に……」


「あのさー、はっきり言っていい?」


 私がこう聞くと、奴は私を睨んだ。私は少しにやりと笑い、奴にこう言った。


「あんた、弱すぎるよ」


「これ以上俺を侮辱するな! 女のくせに! エルフのくせに! 下等種が俺を見下すな!」


 ふー、すっきりした。プライドが高い奴を相手にするには、そのプライドをバッキバキにへし折ることが大事だ。反撃が少し怖いけど、確実に私を狙う。


「今度こそ……貴様を……ぶっ殺してやる!」


 奴は叫び声を上げながら、私に近付いた。パンチで攻撃するつもりだろう。私は奴の攻撃を待ち、攻撃を待った。そして、奴の右腕が私に近付いてきた時、奴の右腕を掴んだ。


「何!」


「痛いのは一瞬だよ」


 そう言うと、私は奴の右腕をへし折った。ファイティングソウルがあるおかげで、相手の骨をどうやって折るか理解している。


「腕が……俺の腕が!」


 自慢の腕を折られ、奴は相当悲鳴を上げている。さーて、攻撃の手を休めちゃいけないね。


「次は足だよ」


「なっ!」


 私は地面にしゃがみ、奴の左足の骨を折った。骨を折った瞬間、奴はバランスを崩して倒れた。


「あ……ああ……クソ!」


 何とか立ち上がろうとしているけど、左足が折れたせいで動くことはできない。私は奴に近付き、勝ち誇った顔でこう言った。


「エルフを甘く見ないでね」


「グッ……」


 その後、私はマギーアドレインで奴の魔力を吸収した。全ての魔力を吸収されたせいか、奴はその場で倒れた。


 いつもエッチなことしか考えてないけど、ブレアとの戦いの後であることについて真剣に考えていた。今後、どうやって敵と戦うか、どうやって皆を守るか。考えた結果、私はある考えを導き出した。私はエルフで、か弱き美しい女の子。ブレアのような筋肉モリモリマッチョマンの変態と戦う時、確実に反撃を受ける。あの時、奴の攻撃を受けて意識を失いかけていた。じゃあ、どうやって力が強い奴と戦うか。それは、相手の攻撃の選択を狭めること。例えば、武器を持っているなら武器を奪う。力があるなら骨を折らせて使えなくする。


 実際にザンガと戦っている時に、この考えでやってみたけど……私に合う戦い方だったようだ。よし。これからこの戦法で戦い抜こう。そう思うと、私は感じた。自分が何か成長しているなって。




成瀬:イベント会場裏側、二階


 剣地と一緒にヒレラピの二人を探しているが、二人はなかなか見つからなかった。控室にもいなかったし、もう会場の裏でスタンバイしていて、その時に奴らが襲ってきた。そして、安全な所に隠れたのだろう。


 走り回っていると、途中で血染めの太陽の一員が私と剣地に襲い掛かってきた。


「ターゲットがいたぞ!」


「何が何でもぶっ殺せ!」


「テメーらは黙っていろ!」


 剣地の拳銃が、血染めの太陽の一員を襲った。奴らは情けない悲鳴を上げ、その場に倒れて行った。


「これで何度目だ?」


「数が多すぎるわね……二人が無事だといいけど」


 私と剣地は二階の中央部に来ていた。そこには、いくつか部屋がある。だが、どれもこれも鍵が閉まっていたとか、奴らの襲撃で破壊されていて調べられない部屋があった。


 そんな時、剣地がある部屋をノックした。


「誰かいるか?」


「その声……ケンジ!」


 中からクナブさんの声が聞こえた。よかった、ここにいたようね。


「クナブさん、リリオさんはいますか?」


「ええ」


「二人とも無事か……よかった」


 剣地がほっとしていると、突如何者かが剣地を襲った。


「剣地!」


 私は剣地の方を振り返ろうとしたが、敵の攻撃が私を襲っていた。私は魔力の盾を作り、攻撃を防御した。一体こんなことをする奴は誰?


「ふひひひ……こんな所にいたか」


 この声は聞いたことがある。確か、高速道路で戦ったシュージィーという奴だ!


「あんたはあの時の肥満体!」


「肥満体言うな! その生意気な口、今度こそ永遠に開かなくしてやるぜ!」


 この前戦った奴とまた戦うのか。そう思っていたが、この前よりも奴の魔力が上がっていた。こいつ、最初から本気で戦うつもりだ。


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