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高速道路での襲撃


成瀬:高速道路内のバス


 私とティーアはバスの上に立ち、飛んでくる連中の対処を始めた。


「気を付けてナルセ、いくらバズーカを防いでもバスに当たったら元も子もないから」


「分かっているわ。ティーア、飛んでくるバズーカ砲の対処できる?」


「やってみる。直接叩くのね。気を付けて」


「ええ」


 私はスカイウイングを使い、空を飛び始めた。


「あいつ、空を飛びましたよ!」


「スカイウイングでも使ったのだろう、その程度でうろたえるな!」


 敵の会話が聞こえる。私は両手に炎を発し、奴らに向けて放った。


「火の玉が飛んでくるぞ!」


「回避して隊列を整えろ!」


 奴らは一斉に散って火の玉をかわしたけど、読みが甘いわね。私が今放った火の玉は、追尾機能があるのよ。


「ひ……火の玉が付いてきます!」


「何だと!」


 奴らの悲鳴の後、火の玉が奴らに命中して爆発した。おっと、奴らをここで見逃すわけにはいかない。後でたっぷりと話を聞かないとね。


「えぇーい! リリオを狙う前に、あのガキを始末しろ!」


「了解しました!」


 どうやら、目的は私に変わったようだ。だけど、そんなスピードの遅いバズーカ砲じゃあ素早く動く私には命中しない。あいつら、本当に何も考えてないわね。


「くっそー! 当たらないぞ!」


「誰か、銃を持ってこい!」


「邪魔になるからってアジトに置いていったじゃないですか!」


「く……もういい! 接近して叩け!」


 奴らはバズーカ砲を捨て、私に近付いてきた。手には剣、槍、斧などの接近用の武器が握られていた。


「操作をしないと危ないわよ」


「ハッ、敵に心配される筋合いはない!」


「あっそ、じゃあ無事でいてね」


 私は敵の飛行物体に攻撃し、道路へ落した。


「ナルセ、ちょっとやりすぎでしょ?」


 遠くからティーアの声が聞こえた。流石に道路へ落すことはやりすぎたか。


「クッ……俺たちじゃあ勝てない」


「一旦逃げよう」


 奴らは悲鳴を上げ、私から逃げようとした。だが、突如大きな羽の音が響いた。それと同時に、男の怒鳴り声が聞こえた。


「バカ野郎! ターゲットを目の前にして逃げるバカがどこにいる?」


「シュ……シュージィーさん!」


 シュージィーと呼ばれた男は、他の連中とは違って大柄で、体中に弾薬を付けたベルトが縛られていた。


「バズーカで攻撃することしか考えてないからこうなる! いいか、一流はどんな時でも対応できるよう、複数の武器を装備するものだ!」


 部下にこう言うと、シュージィーはリボルバーを構え、続けてこう言った。


「いいか、俺たちの目的はリリオを殺すことだ。戦いじゃない」


 その直後、リボルバーから発砲音が聞こえた。狙いはバス……まずい! 弾丸はバスのタイヤに向かって飛んで行った! あのスピードじゃあ私の魔力は届かない!


「ナルセ、こっちは任せて!」


 ティーアが光の盾を出し、弾丸からタイヤを守った。よかった……何とかなった。


「ふむ。優秀な戦士がいるようだな。おい、俺はあの小娘を相手にするから、貴様らはバスを狙え!」


「はっ!」


 部下たちは返事をし、私を無視して一斉にバスへ向かって飛んで行った。私はその後を追いかけようとしたが、何故か右足が引っ張られた。


「何?」


 右足を見ると、足首付近に光る鎖が絡まっていた。鎖の元を見ると、シュージィーが手にしている鎖だったようだ。


「お前の相手はこの俺だ。悪いが、死んでもらうぜ」


 どうやら、本気で私と戦うようだ。


「一つ言っておくわ。私を本気にさせない方が身のためよ」


「小娘が上から言うんじゃねーよ!」


 その後、私とシュージィーはにらみ合った。




ティーア:バスの上


 奥の方にいるでかい奴が、ナルセと戦うようだ。あいつ、命知らずだな。痛い目にあっても知らないよ。


 おっと、私は自分のことを心配しないと。残りの連中が皆私の方に向かっている。数が多いけど、まぁ大丈夫だろう。


「なんか変な盾を出す前にやっちまえ!」


「バスごとやっちまえ!」


 連中のほとんどがバズーカ砲を手にし、銃口を私に向けている。まずいな。本当は飛んできたバズーカ砲を遠くへ飛ばしたいけど、ここは高速道路。下手すれば大惨事間違いなしだ。テロまがいのことが起きている時点で大惨事だけど。


「発射!」


 声と共に、一斉にバズーカ砲が発射された。私はバス全体にバリアを張り、バズーカ砲を防御した。


「何! バリアもできるのかよ!」


「何でもありか……おい、次の弾をリロードしろ! 早く!」


「そんなことはさせないよー」


 一斉にバズーカを撃ったため、連中は次の攻撃ができない。おかげで大きな隙ができた。この時を狙い、私は周囲に闇の矢を放った。


「なんか黒い矢が飛んできます! なんかやばそうです!」


「死ぬ気で避けろ!」


「あ……これ避けられない!」


 私が放った矢は、次々と連中に命中していった。ほとんどを打ち落としただろう、周りには何もいなくなった。


「ふぅ……どうにかなったかな……」


 これでしばらくは大丈夫だろうと思っていたけれど、横から魔力を感じた。横を見ると、飛翔物体に乗った剣士が姿を見せた。


「君たちに恨みはないが、これも仕事だからね」


 剣士は私が声をかける前にバスから離れた所に降りた。


「死んでもらおう」


 剣士はクラクションを鳴らすバスを無視し、剣を鞘から抜いた。まさか……あいつ、バスごと斬るつもりか!


「皆、外に出ろ! あいつ、バスを斬るつもりだ!」


 バスの中からケンジの声が聞こえた。その直後、剣士は剣を勢いよく振り下ろした。私は攻撃に巻き添えにならないよう、ジャンプしてバスから道路へ着地した。奴の攻撃の前に、皆は窓から脱出したみたい。リリオさんもクナブさんもトリュスさんも運転手もいる。無事でよかった。ただ……バスが無事じゃないみたい。バスはしばらく走っていると、二つに斬られてその場に倒れた。そして、爆発とともに大炎上した。


「勘のいい戦士がいるな。僕の攻撃を察知するなんて」


 剣士は私たちの方を見て静かにこう言った。


「貴様の相手は我がする!」


「いや、ここは二人で一気にやっちゃおう!」


 魔王とルハラが構えながらこう言ったが、ヴァリエーレが私を見て二人にこう告げた。


「ここはティーアに任せましょう。私たちは二人を守らないと」


 魔王とルハラは悲鳴を上げながらケンジに抱き着いているクナブさんと、こんな時でも静かにしているリリオさんを交互に見た。


「了解」


「勇者、必ずあのキザ剣士をぶっ倒せ!」


「分かっているって。私に任せて!」


 私は剣を取り、あのキザ剣士の前に立った。


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