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第一話
部屋へ帰ると、皆すでに起きていた。この部屋は四人部屋だが、さっき俺を起こしてくれた国枝良介は外出していて、今は俺含め3人しかいない。
「シャワー、誰か使ってるか?」
「いいや。ただ早めにしとけよ? 良介が帰ってきた時にシャワーが開いてないと、かわいそうだからな」
「ああ、分かってる」
俺と話をしている男の名前は鈴木龍太郎、とてもいい奴なんだが、新人類になる時に髪が金髪になるという悲劇にあってから生来の目つきの悪さと相まって見た目が完全にヤンキーなのだ。おかげで友達が少ない。