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精霊の戦士たちへ  作者: 遠藤ゆきな
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第十二話 王都奪還 〈前編〉

オルタ・ミレット・ヴィネアと精霊の戦士バゼル・ライメイ・ディハールは

シエル城に潜入する。

目的は、この島の魔物全てを支配する、魔物を倒す事。


最初、アイラス大神官も同行する気であったが、バゼルに止められる。


バゼル「大神官様にもしものことがあったらいけません!」


アイラス「それは君達も同じことです!」


バゼルは目を閉じ、首を振る。


バゼル「精霊の力を持つ者は、他にもいます。 しかし、“神を復活させる”ことができるのは、大神官様だけです。

…どうか、神殿でお待ち頂き、我らがいない間、民を御守り下さい」


アイラス「……分かりました」


チカ「姐さん、私は」


ライメイ「チカもここの人達を守ってあげて」


チカ「はい。 お気をつけて…」


雷の戦士・ライメイは妹分のチカの頭をなでる。



魔物を倒しながら進んだ一行はやっと、城の入り口に辿り着く。


バゼル「…こっちだ」


土の戦士・バゼルは元々、城の兵士だったので、城内を詳しい。

使い慣れた、槍を持つ。


ディハール「随分、荒れ果てたものだ」


風の戦士・ディハールも城を訪れたことがあるのだろう。


二人は扉を慎重に開け、全員を入り口の大ホールに入れる。

奇妙なほど静かな城内。


ミレット「…何かが変だ」


オルタ「え?」


ミレット「魔物の気配がしない…?」


バゼル「確かにおかしいが、我々は、進まなくてはならない。

まず、玉座の間に向かう」


バゼルが足を踏み入れたとき、魔法の罠が発動する。


一同「!?」


全員を囲うように、床に黒い丸い輪が、現れる。


イリュー「そんなに、玉座に行きたいなら、連れていってあげるよ」


男の声がして、丸い輪が黒く光る。


オルタ「うっ!」


目を開けるとそこには、オルタ・ヴィネア・ディハールしかいなかった。


ディハール「これは… ライメイ殿達は…?」


イリュー「玉座の間だよ」


イリューが現れる。


オルタ「お前がこの城のボスだったのか?」


イリュー「いいや。 私ではない。

…しかし、お前がそっちの味方につくなら、この城が落ちるのは時間の問題。

せめて、使えるものは奪わせてもらうから。

…ちょっと、待ってな」


イリューは消える。

代わりに壁にさっきの黒い丸い輪が沢山、現れ、そこから魔物が出て来る。


魔物達「ガァルル!!」


ヴィネア「やるしかないわね」


三人は構える。



玉座の間に飛ばされた、ミレット・バゼル・ライメイ。


ライメイ「いたた、これは…?」


バゼル「どうやら、玉座の間に飛ばされたらしい」


ミレット「あれは?」


ミレットは玉座を指さす。

そこに小太りな男が座っていた。


マネ「私はマネ。 お前たちが探す、この城の支配者だ。

早速だが死んでもらう」


バゼル「俺達もお前を倒す」


三人は一定の間隔を取り、それぞれの武器を構える。


マネ「フッフッフ… 後ろにも気をつけな!?」


その瞬間、バゼルは全身を切られ、槍を手から離し、崩れ落ちる。

床に血がたまる。


ミレット・ライメイ「!?」


マネ「先生!! よろしくお願いします!!」


マネの前にカーマインの髪の少年が現れる。

少年は不敵に笑う。



オルタ達はやっと、現れた魔物を倒し終わる。


オルタ「ふー」


ディハール「俺達も玉座の間に向かうか?」


ヴィネア「…いえ。 宝物庫に向かうべきよ」


ディハール「どうして?」


ヴィネア「さっき、イリューが言ってたでしょ。 使えるものは奪うって。

宝物庫の物を魔王のもとへ運んでるのよ」


ディハール「敵の罠だという場合は?」


ヴィネア「……どっちにしても、アイツも倒さなくては平和が戻らないわ」


ディハール「…そうかい」


オルタ「宝物庫の場所は?」


ヴィネア「東の塔・三階よ」


ヴィネアの案内のもと進みだす、二人。

行く先々で遭遇する、魔物を倒す。


オルタ「ミレット達は大丈夫かな?」


ディハール「俺としては、また、お前達と一緒というのが残念だ」


オルタ「あの女の人はアンタに興味もないと思うけど?」


ディハール「うるさいな!?」


ヴィネアの的確な案内のお陰で、東の塔へ続く渡り廊下の屋上まで着く。


ヴィネア「あの塔よ」


ディハール「随分とこの城に詳しいな。 来たことあるのか?」


ヴィネア「まあね」


ディハール「……」


塔の階段を昇り、三階に着く。


オルタ「せーの!」


オルタとディハールは鍵を壊し、中に入る。


ディハール「? 誰もいないな…」


オルタ「だけど、棚は空きだらけ…」


オルタは宝ののっていた棚を見る。

ヴィネアは宝箱を物色する。


ヴィネア「!! あった…」


オルタ「何が?」


ヴィネア「…魔剣“クリムゾン”……!」


ドッシンッ!!


オルタ・ディハール「!!」


弾丸のような拳が、宝物庫の壁を崩す。

現れる、マルギッタ。

再びオルタに殴りかかり、その勢いのまま、壁を突き破る。

壁の瓦礫と共に落ちる、オルタとマルギッタ。


なんとか防御を取っていたオルタは立ち上がり、さっき通った渡り廊下で、

マルギッタと対峙する。

マルギッタは黒いチューブトップと腰に動物の皮で簡単な格好をしていた。


オルタ「前と服装違うな」


マルギッタ「人間の服は、動きづらいんだよっ!!」


マルギッタが殴りかかり、戦いが始まる。



マルギッタが壁を壊しすぎたせいで、塔の上が崩れる。

塔の瓦礫がヴィネアとディハールの頭に降り注ぐとき、

風が吹き、瓦礫は強風にさらわれる。


ディハール「…これが、俺の力」


ヴィネア「凄いわね」


宝物庫の天井がなくなり、空が見える。


イリュー「いやー。 昔の力が全て戻って何よりだよ」


イリューが残った壁の上に現れる。


イリュー「こっちに戻って来てくれるかい? ヴィネア?」

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