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花の散る頃に  作者: 兎 琴弥
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アサガオ

初めましてピクシブにて詩を投稿しています、兎 琴弥です。

今回はこちらのサイトにて小説を出させていただきました。

複雑な恋愛関係の描写を頑張って入れてみました。

見苦しい作品ではありますが、よかったら最後まで閲覧していただけたら幸いです。

貴方は、赤い糸の話信じますか。


僕は横丘市立横丘高校に通う16歳の普通な男子高校生。

名前は、朝顔あさが 紫苑しおん

身長は、高校生にしてはあまり高くない160cm後半。

顔は、中の下くらいでイケメンではなく、髪は黒で前髪が目の少し下になるくらい。


こんな地味な僕には自信なんてない。


でも自信がないながら僕は好きな人がいる。


性格は、明るくておっとりとして居て可愛く大人っぽくて優しい人。


みんなに親しまれてる学校一の憧れな存在の隣のクラスのあの子。


彼女の名前は酸漿ほおずき 恵梨香えりか


とても素敵な名前だろ。


 彼女の髪は肩に着くくらいの長さ。ミディアムボブで内巻きの髪の毛だ。彼女の髪からは柑橘系の甘酸っぱい良い香りがする。

僕よりか背は低いが高いほうだ。

すらっとしていて肌が白く、見入ってしまう程綺麗な硝子のように透き通った肌。


高嶺の花だから、雑草のような僕は惹かれた。


僕はその花を好きになったんだ。


きっかけは単純だった。毎朝彼女が、こんな僕に「おはよう。」と笑顔で尚、華やかに天使のような笑顔で挨拶したと思ったら何を思いついたか、顔を赤らめながらそそくさとその場を立ち去る。


その可憐さが、僕を虜にした。


そんな単純な理由で僕は彼女を好きになってしまったんだ。


本当に僕は馬鹿なのだろう。

そんな届かない人のことを好きになってしまったのだから


あの彼女の笑顔が忘れられない。


そんな毎日過ぎていく。


彼女は、毎朝毎朝僕に「おはよう。」と言ってくれる。それがとてもとても楽しみで僕は毎朝胸が張り裂けそうな思いをする。


でも僕は返事をすることなどできない。


もう彼女に嫌われそうで怖い。


でも一つだけ僕の心にはゆとりがあった。


彼女の親友でもあり僕の幼馴染、ひいらぎ 佳那かな

佳那とは、生まれた時からの幼馴染。

腐れ縁ってやつでクラスも一緒だ。


正直、佳那は可愛い。しかも甘い匂いがする。まるでイチゴを切ったときのように爽やかに広がる甘い香り。これが女の匂いなのかと思ってしまうくらいにくらっとする香り。

しかし少々子供っぽく、性格はきつめ。髪は金髪でツインテール。彼女は日本人とイギリス人とのハーフで蒼い目をしている。だが英語は話せない。


だからか佳那はすごくモテるそうだ。高校に入って両手の指では、数えられないくらい告白されたとかされてないとか。


でも僕は恋愛対象には見れない。


第一僕は恵梨香さん一択ですから。

それと佳那は僕が恵梨香さんのこと好きなのを知っているし。

しかも僕の恵梨香さんへの嘆きをうんうんと聞いてくれるとても優しい幼馴染だ。


だから僕は恋愛対象には見れない。


でも僕が恵梨香さんのことを話していると、佳那は笑顔だけどどこか悲しそうな顔をしている。なぜだろうか。


僕は、まだその時はなにもわからなかった。


ましてや、この状況を。


今日も佳那に僕の嘆きを聞いてもらう。きっと佳那は、僕の話を聞いてくれる。

でも毎日思うが佳那は何で僕の話を聞いてくれるのだろうか?

毎回思う疑問だったから、試しに聞いてみた。

だけど佳那はただ


「幼馴染だからだよ。」


と悲しく、寂しげな顔で言う。

なぜかわからないが、僕の良心がもう佳那に相談するのはやめようと思った。


梅雨が過ぎた後の内水の薫る帰り道の出来事だった。


今日も夏の暑さにうろたえながら通学する。

夏の電車の中の異様な暑さは尋常じゃない。


そんなこんなで見慣れた学校が見えた。

正直通学するだけで僕はもう一日の終わりを感じるほど、疲れる。

でも今日も恵梨香さんが僕に「おはよう。」と言ってくれるのだろうと思うだけで元気がみなぎってくる。


だけど今日は彼女の姿を姿を見ない。


嫌われたのだろうと思いと窓の外を黄昏ながら眺めていた。

空はこんなに綺麗なのに何で僕の心は汚れているのだろう。


憂鬱になりつつもとりあえず教室はいるかと思った。と、ふと体育館裏に目が行った。

 

そこには、恵梨香さんと男子がいる。そこで二人で話していた。


ああ。この現実から目を背けたい。


でも、もしかしたらただの友達かもしれないかも。


こんなことを考えている僕にびっくりした。


友達でも何でもない挨拶されるだけの関係じゃないか。


でも僕は、その挨拶に返事もできなただの臆病者じゃないか。


憂鬱になりながらも教室に入った。

僕の様子に気が付いたのか友達に心配されたし、先生にも心配されたけど僕は頑張って授業を受けることにした。


僕は朝のことを気にしていて、何も集中できなかった。


朝のことを思いながら放課後僕は窓側の席なので、夕日が沈むのであろう時間帯に空を見つめていたら、どこか懐かしい匂いがした。誰だろう。すごく落ち着く匂い。


佳那だった。


「今日どうしたの?どこ見てんのよ?ちょっと今から時間作りなさいよ。」と言われた。


まぁ、暇だし恵梨香さんの一軒で気を晴らしたかったし。少し位良いかと思い快くOKした。


今思うとこれが間違いだったかもしれない。


夕日で真っ赤に染まりあがった教室で佳那が僕の席の前に立ち無理やり僕のワイシャツの袖を引っ張って、体育館裏まで連れて行かされた。


すると佳那は、頬を赤めながら、僕に話しかけてくる。


「あんたさ、恵梨香のこと好きなんだよね。」

当たり前の事を聞かれた。

僕は、うんとしか言いようがなかった、だって佳那は僕が彼女のことを好きなのを知っているのだから。


そしたら佳那はすごく悲しそうな顔をしながら涙を浮かべこう言い放った。


「紫苑。よく聞いてね。私あんたのこと大好きなんだよ。」佳那は僕の目をまっすぐ見て気持ちを伝えていた。

佳那は僕が好きな人がいるのを知っているのにわざと告白した。


きっと、朝僕の見ていた光景を彼女は知っているのだろう。

どう声をかけたら良いのか僕にはわからない。

本当にどうしたらいいんだよ。


いや、もしかしたら心のどこかで佳那が僕のこと好きだったのだろうと気づいていたのかもしれない。


でも僕は自分の気持ちで誤魔化していた。

そのせいで佳那に何も言ってやれない。


ただ茫然と立ち尽くしていたら

「ドンッ」と物音がしたがした。


そこには恵梨香さんがいた。

彼女は聞いていたんだろう。


もう僕はどうしていいかわからない。

彼女は無言で下を俯いたままだった。


目の前にはさっき涙ぐんでたのがウソみたいな、にこやかな佳那の姿があった。


そして佳那は僕にキスをした。


佳那の良い薫りが僕の鼻を突く。


キス越しに見える悲しげに下を俯きながら泣いている恵梨香さんの顔が見えた。


夕日の色に反射して涙が赤く見えた。


何も気づけなかった自分の心が夕日に照らされて、影が目立つ。


その夕日に照らされた何もかも赤い世界。そこで、全ての糸が切れた。


僕の中の夏はここで終わった。


でも、僕以外の時間は進んでいく。

最後までお疲れ様です。ありがとうございます。

続編ですが、次ぎ出す見込みは当分ありません。申し訳ございません。

いつ出すかわかりませんが乞うご期待。

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