destiny7...君がただ、笑っていてくれれば
しばらく訳もなくあたしたちは笑い続けていた。お昼休みの終わるチャイムがなる頃、先生が何かを言おうとしたんだ。『あのさ橘さんさ..』
そのあとに続く言葉なんか聞きたくなかった!!だからあたしはこう言ったんだ。『まりあ』
『え..??』
『まりあって呼んでこれからは♪』
先生は少し不思議そうな顔であたしを見ていてたけれどまた笑って言ってくれた☆『OK♪まりあ──』
先生の優しく綺麗な少し低音の声からあたしの名前が聞こえる。ドキドキしてめちゃめちゃ嬉しくって。
『じゃあ失礼します』
『おう。授業遅れんなよ〜♪』
──出た瞬間あたしは走り出した。涙が次から次へと溢れ出してきて声が出てしまうほど泣き出していたから…。
先生に好き人─。
別れてしまったけれどもう何年も想い続けている大切な大切な彼女──。
フラれちゃった。あたし…フラれちゃったよ。あはは。笑える!屋上に一番近い階段。誰かが来ることはめったにない。だからここはあたしにとって最高の泣き場所。
この場所であたしは泣いて泣いて泣きまくった。
結局その日の午後は一つも授業に出なかった。あとで知ったけど舞はめちゃめちゃあたしのこと心配して探してくれていたんだってね。ごめんね…舞。ごめんね。それからありがとう!本当ありがとね舞。
梅雨が明け7月に入ると毎日とても暑い日が続いた。
先生の大好きな夏──彼女と付き合い出したのが夏だから想い出の夏だから──だから先生は夏が大好きだって言ったのかな。。。
あたしは先生が大好きだよ。先生の大好きな夏が大好きだよ。そんなことを考えながら今日もまたあたしは屋上の階段に来ていた。先生と初めて会った日のこと、初めて英語科準備室へ行ったときのことからたくさんおしゃべりしたこと。いろーんなこと想い出していたんだ。
──コト。『...???』
ふと足元に目をやると綺麗な革靴。長い足。ピンクとグレーのストライプのお洒落なネクタイ。先生と同じネクタイだなぁ。…って、先生!?
『授業さぼって何やってんすか〜!』
『あ、いや…あ...の』
『最近俺の授業もまともに出ないし〜』
『あっちょっとその…え〜っと...』
『あはは☆な〜にビビってんの(笑)!!まぁたまには許すよ!!』
先生...(^-^)
先生の可愛い笑顔──やばい泣きそうだ…。
『良い場所じゃん♪ここ。まりあの特等席なの〜(^3^)??』
『そう。』
『俺もたまに来ても良い〜♪?』
『だめ。絶対だめ。』
『じゃあたまには準備室とかも来てよ』
『…。』
『じゃあ分かった!せめて授業には来て!!』
『…。』
『…俺、まりあと話たいから…ここも準備室も授業もだめだったら全然話せない…じゃん。。。』
『先生...?』
『あっ!分かったじゃあてかあの、俺と話したくなかったらそれで良いから何もしゃべってくんなくっても良いからいいからだから…せめて、笑ってて。』
そう言いながら先生の顔がうっすら赤くなっていくのが分かった。何で先生はこんなに焦ってほっぺや耳なんか赤くしちゃって一生懸命に話ているんだろう…。可愛い──15歳も年上の人に対してこんなこと思ったら失礼なことなのかもしれないけれどこの時あたしは先生を見ながらそんなことをずっと想っていたんだよ。
先生の笑った顔が好き。
あたしもだよ先生。
あたしも先生が笑っていてくれさえすればそれでいい──。




