私と探し物。
私はなぜ生きてるの?
私は探している。
それは生きる理由。
そんなの誰も知らない。
自分も知らない。
だから、探す。
探したって、見つからないのに……。
見つけていても見逃してしまう。
そんな小さなものを、こんな大きな世界から探すのは不可能に近い。
でも、私は探す。
知りたいから、生きている理由を。
「本当の自分を見たいなら生き抜け」
古き友人はそういった。
私は生き続けるその言葉を信じて。
でも、疑問もあった。
生きていたって、理由が見えるわけでも無いのに。
古き友人は知っていてのかな。
生きていたって、答えが出るのは一部の人。
私はその一部の人ではないから、絶対に見つからない。
もう、諦めよう。
私の生きる理由は、探しても見つからないから。
イイじゃないか、生きる理由なんか知らなくても。
私は、諦めた目で古き友人の影を見つめた。
「そうか諦めたか……」
古き友人は悲しそうにそう呟いた。