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第4話|母と娘の静かな会話
暖かな昼下がり、リュシエンヌは母の膝に座り、ふと口を開いた。
「ママ、どうしてパパと結婚したの?」
リリアーナは微笑みながら髪を撫で、穏やかに答える。
「優しくて、私を大事にしてくれる人だからよ」
リュシーは頷き、小さな手で胸元のペンダントを触る。
その光景を見ていたディートリヒ――あろうことか、肩を震わせ、顔が熱くなる。
(う、うっ……まさかそんなことを聞くとは……!)
思わず赤子を抱えた手がぎこちなく震え、両頬が紅潮する。
まさに内心大悶絶!
誰にも見られたくない自分との戦いだ。
リリアーナは微笑みながら、そんな夫を横目で見つつ、娘にそっと囁く。
「そう、パパはあなたたちをとても大事に思っているのよ」
部屋には静かな笑いと、未来を担う小さな命のぬくもりが満ちていた。




