前へ目次 次へ 40/41 第3話|老執事の感慨 普段は前公爵と領地にいて、久しぶりにディートリヒを見る老執事の目が、思わず潤む。 「ぼっちゃまが…こんなに大きく…」 長年仕えてきた少年は、立派な当主となり、今や父となった。 執事の視線は、赤子を抱くディートリヒへ向かう。 小さな腕や足、柔らかな髪。 抱かれた命はまるで光を宿しているかのようだ。 両手で大切に抱かれる姿に、父としての迷いも決意も映し出される。 老執事は胸の奥で静かに涙をぬぐい、過ぎ去った日々と、これからの未来を思った。