俺たちが足を踏み入れた先は、ごみ屋敷でした
川多利宅。
俺たちが足を踏み入れた先は、ごみ屋敷でした。
「あの人片付け出来ない人だったのですか?」
「さあ?一度も来たことないから分からないけど、たぶんそう。よく彼の周りはごちゃごちゃしてたからねー。」
二人はスッと手袋をはめる、今から掃除するとか汚いからとかじゃなくて普通に俺達の指紋が付着しないようにしてるだけだから勘違いしないで欲しい、
一応被害者の家なんで。
そして俺たちはこの汚い部屋の捜索から、二時間ちょいかかって
やっと一つの手がかりを見つける。
「これは・・・何でしょうか?」
そう言って彼女の方を見ると、三裏警視長は怪訝そうに下の穴を見ている。
「どうしました?確かに普通じゃ無い空きかたですけど・・・これが何か?」
「何かいる・・・橘、それ持ってこの家から出て行って」
手をぐいっと引かれてから、押されてこの倉庫前の部屋を追い出される。
不思議に思いながら、彼女が心配で出ることを躊躇いながら手がかりを抱えて立っていると
彼女は振り返り
「あっやっぱ橘すまんが、感情を少し頂かせて貰う」
「え?」
ふっ。
とさっきまで不思議に思っていた事が嘘みたいに無感情へと変わる。
(あれ?なんかさっき、何を思って立ってたんだろ。・・・・あ、出て行けと言われたし離れるか。
でももし何かあれば・・・・)
胸ポケットにある拳銃を見る。
「・・・・・何も無ければいいな」
そして俺はこの家から出た。
「何者ですか?貴方・・・正直人ではないですよね?その機械じみた生物兵器みたいな姿。お世辞にもカッコイイとは言えません。何故なら私の好みじゃあないので」
穴の底の暗闇から何かが四つん這いで、登ってくるの影が見える。
徐々に姿を見せれば、言い当てた通り人間と機械を合わせた生物兵器の様だ。
背中には少し大きいボックス型のカメラを背負っている。
「・・・・・なるほど」
嫌な想像が出来たといつもの涼しい顔で思う。そう詳しく言うなら、もしもこの穴が最初からあったとしても無かったとしても
この化け物がずっとドコに繋がっているのかさえも分からないカメラを持って潜んでいたとしたら。川多利が誰かの監視対象になってたと言っても過言ではないじゃないですか!こんなのストーカー行為に該当しますね。
(いやそんな仮説はどうでもよくて、つまりこの監視対象が大事な所で。誰かに殺された事と何か関係があるのだろう。であれば、最初から誰かに狙われていた説が浮上してきました。さてアイツはコレを知っていたのでしょうか?)
「何者ですか?貴方は。そのカメラの先は誰と繋がっているのですかねー?」
問い詰める、警察官としての責務を果たすために・・・・あとついでに死んだ同期の為に。
「ギャルギャー」
カサカサ動いている虫が私に向かって飛びかかってくる様に、来たので
「ちょっと意味が分からないので、日本語でお願いします!!!!!!」
と言いながら
奴とは上手いこと避け、隙をついて、お得意の蹴りでカメラのコアを砕き機能を停止させる。
私の足からは僅かに血が垂れる。まあそんな事はどうでもいいや。
「ギャー」
「内心ため息だらけです、感情無くても体は感じるっていうのは、つくづく人間というのは面倒くさい生き物ですよね。肉体的にも精神的にも。さて話は変わりますが貴方の取り調べは、少々強引に行かせて貰いますのでご覚悟を」
ふっと冷たい視線を奴に向ける。