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神扉と能力者  作者: 倉庫番の中村さん
3/4

スンッとした部署チェン

「あーつまりね、警視監が呼んでたよって事」

「あーなるほど、ありがと」

すぐに踵を返す彼女を見て

(凄い疲れてるけど、大丈夫かな?)

と不安がる私がいるの。



スタスタ

トントントン

「警視長の特殊犯罪課の、盟章 三裏です」

「どうぞー♪」

普通に軽かった。

ガチャッ

「やあ待ってたよ、盟章 三裏。さあ座りなさい。君には大事な話というか頼みがあるからね」

「?」

言われるがままに座る。この黒い皮の高級なソファーに。

(ああめっちゃいい、このまま寝たい)

コクッコクッ

「盟章 三裏?どうしたの?まだ何も言ってないのに頷いて・・・もしかしてお疲れさん?」

ハッと意識が現実に戻る。

「いえ何でもありません。それで話と言うのは?」

「実は、部署を全部変えた」

「スンッ、同期から聞いたので存じております」

「スンッ、なんだ面白くない、ゴホンっ・・・というわけでコレ」

スッと渡される、見覚えの無い部署が書かれた鍵。

「これは?」

「次の仕事場」

「・・・・はい」

「簡単に言うとね、君にはもっと深い所まで、そう(正義)が届かない深海()に光を届けてあげて欲しい。これは他の人には頼めない。勿論タダじゃな」

「(なんとなく) 分かりました」

最後まで言いきる前に彼女が立ち上がった。

「貴方が仰るのであれば警視長の名に恥じぬよう頑張らせて頂きます!!」

「う・・うん。ありがとうね盟章 三裏。一応メンバー集めといたから、仲良くしてね。まっ!すぐに仲良く出来ると思うけど」


「分かりました、では失礼します」

と言って、君が去っていったこの部屋で一人

窓から青い空が見える、そういえば今日は雨が降るとか降らないとか。


「これが成功したら、僕の立場をあげてもいいよ。だから頑張ってね正義感が強い魔法使い」


ぼそりと呟かれる言葉は、偽りでは無い。自信を持ってそう言えるだろう。



コツコツ

今までの荷物を段ボールにまとめて抱え込み、新しい部署へと向かう。

「此処か・・・・ずいぶんボロボロだ」

ガラッと開ければ

「三裏警視長!」

と聞き覚えがある声が聞こえるが山盛りの荷物で見えない。

「橘か?すまんがこっからじゃあ見えない」

「でしょうね」

という事で荷物を置き、お互い顔を合わせる。

「君()此処にいるなんて、少し安心しましたよ」

「三裏警視長残念ですが、もでは無いんですよ。俺も正直心配なんですが」

何が言いたいのか?

「えっまさかメンバーって・・・・橘だけ?」

うんうんと頷かれ、目を閉じ右手で両目を隠す。

「人件費削減ですかね?」

「俺に聞かないでください。あっ!きっとあれでしょ!誰も適正にならなかった」

「あーなるほどーもうそれでいいや。じゃあ早速だけど橘!に言いたい事がある。この事件を解決するにあたって重要な事だから・・・心して聞いて」

「はい」

彼女の口から淡々と告げられる、昨日会っていた人(川多利 順)の死亡事実。

最初は余裕だった表情が段々と、絶望に染まっていく。

「なんであの人が殺されなきゃいけないんだよ!」

感情に飲まれて今を見失う彼とは反対に冷静な彼女は次のやるべき事をとらえていた。

「私は必ず真実を見つけて敵を取るだけ。そう例え人を越えた、能力者だとしてもね」

「それっでどういうことですか?」

泣きながら問われても、私はワラって誤魔化すだけ。


「・・・・三裏警視長のいじわるー」

「ははっ、ひどいなーってどっちがひどいのかってね・・・・

さて、これからアイツの家へ家宅捜索だ、探してる間にまた泣かないでよ?橘」

話をそらして

最後は冗談交じりで笑ってやれば、

泣きませんよ、とか慌てるものだと思ってたのに、

「事件が終わるまで泣く気はありませんから、ぐす」

と真面目な答えがやって来てさ、

「今泣き止めば、さらにご立派なんですが」

とだけ貴方を慰めたつもりで言ったのですが、よく私は何気ない一言で他人を怒らせる事がありまして少々不安なのです。


「・・・・泣いてないっす」

「そういう事にしときましょうか、さあ行きますよ」

良かった。

反応は読めても気持ちは読めないもの、最初からなのか

神扉をくぐった時に失ったモノなのかは、もう分からないです。


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