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「ねぇ神様。私ガリガリじゃ無くなったよ?まだ食べてくれない?」
あぐらをかいて寛ぐ神様の膝に頭を乗せてもたもたと転がりながら、ねだるように甘える
神様は本当に私を可愛がってくれて
似合わない、醜いと良いながらもすごく綺麗な着物やかんざしを沢山くれて
本当はもう一人でもご飯を食べられるのだけれど、もう癖になったからと未だに食事も彼の手から与えられていた
身体も、ふっくらと丸みを帯びてきた
あまり太ってる感じはまだ無いけれどそれでも骨が浮き出ることはなくなった
大好きな大好きな神様
甘えることは多々あったけれど、彼は私のたった一つのお願いだけは受け入れてくれなかった
「神様に食べられて死にたいの。もう食べ応えもきっとあるよ?」
「お前は醜い上に愚かだねぇ。こんなに食欲が萎える餌は初めて見たよ。ほら、転がるのなら膝にお座り?」
「食べて、くれないの?」
膝の上に素直に座り、神様の服の胸元を掴んでひっぱり精一杯甘えた声を出してねだる
太ったら食べられるようになるかもしれないって、言ってたのに
今の言葉はどうしても私じゃ餌にならないと言っていた
「お願い、後生だからもう他の願いなんかないから、お願いだから私を食べて?」
「私は嫌と言っているのに、お前はそれでも私にそんなに食べられたいのかい?」
「食べられて、神様のお腹を満たせたら凄く嬉しいの。神様が大好きだから、神様にお腹いっぱいになってほしいの」
「醜くて、どんくさくて、我儘なんて最悪だね。お前みたいな不味そうな餌じゃ私はいやなんだよ?」
必死にねだっても神様はどうしても是と言ってくれなくて
がっかりして凹んで神様の膝から降りると慌てた様子で後ろから腰を掴まれて再び彼の膝に引き戻された