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撫で撫でと、頭を撫でられることが気持ち良い
味噌汁や、焼けた魚の良い匂いが鼻孔を掠めてくるるるるとお腹がなった。その音ではっきりと目覚めた
「!?」
「くくく、お前は寝ていても腹は減るのかい?もうご飯は出来ているから食べようか?」
「か、かみさま…?」
ん?と彼の優しげな綺麗な笑顔に、寝起きの頭はパニックになる
えっと、人を喰らう龍神様の贄に………なったんだよねぇ
「ほら、座敷わらしが張り切って作った夕食を食べようでは無いか。」
「いえ!そんな申し訳っ」
ぎゅるるるるぅ、とタイミング良くお腹がなり
恥ずかしくて真っ赤になってうつむくと神様は盛大に爆笑した
「ははは!好きなだけお食べ。良い所無しのお前でもふくふくに太ったらもしかしたら私の食欲をそそるかもしれないからね。さぁどうぞ?」
盆に乗った美味しそうな食事を差し出されて
残飯やクズ野菜の端しか食べたことの無い私にとっては、それは見たことも無いような美味しそうな御馳走だった
せわしなく御馳走と神様を見比べるも、彼は微笑みを崩さず。
ゆっくりと味噌汁の入った椀を取り少しだけすすった
「…美味しい」
「そうか、座敷わらしも喜んどるよ。
いつもは生魚とかしか出さんアレがこんなに手の込んだ料理を出しおって……」
天井を睨み付ける神様に釣られて私も見上げるけれどソコには木目しかない。
きょとりとして視線を下げると、いつの間にか神様の前にも私と同じ食事が置いてあった
「どれ、私もいただこうか」
箸を使い器用に魚の身をほぐす神様は、普通の綺麗なお兄さんにしか見えない
味噌汁を飲みながらちらりと盗み見るとばっちり目があってにっこりと微笑まれた
「醜い上にガリガリの骨のようでは可哀想だからね。好きなだけ、たんとおあがり」