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鬼と歩む追憶の道。  作者: テテココ
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第297話 妙計。




「また来て!いつでもみんな待ってるから!」



 そんな言葉に送られながら、私たちは『大樹の森』へと帰って来た。

 エアも今回の事でまた一つ表情が変わったように思う。

 傍に居ると、エアの無邪気な笑顔の中には優しさだけではなく温かさが備わったような、そんな雰囲気を感じた。……とても良いものを得たのだろう。

 ちょっとした思い付きで赴いたわけだが、やはり来て良かったと思う。





 ──さて、そんな訳で早速帰って来た『大樹の森』ではあったが、ここでは今一つ大きな問題が発生していた。



 なんと、今回はイベントに集まっていた精霊達の人数がこれまでに類を見ない程に沢山居て、既に始まる前から大変な事になっていたのである。

 一見しただけで『大樹の森』はもう大渋滞を起こしている程だ。


 ……でも、どうしてそんな事になっているのか、その原因には直ぐに思い至った。



 恐らくそれは『第五の大樹の森』となった『空飛ぶ大地』をのんびりと色んな場所へと移動させているからであり、各地の精霊達はその『空飛ぶ大地』から『大樹の森』へと集まって来てくれていた訳なのである。



 もちろん、皆が来てくれる事自体は凄く嬉しいし喜ばしい事だ。

 だが、今回はそれがあまりにも想像以上で、『大樹の森』はもう足の踏み場もない程と言っても過言ではない位の状況となってしまっており、綿毛の精霊達の中にはぎゅうぎゅうになって身動きが取れず大変そうにしている者達なども多かった。

 当然、そんな光景を一目見て『……このままだと危ない』と思った私達は、すぐさま対処に走る事にしたのであった。





 ──そこで先ずはこの密集を解消する為、各自の来訪理由を慮りつつ、目的ごとに開催場所を分けてみる事にしたのである。



 つまりは、今回の各種イベントの開催地は『空飛ぶ大地』の方へとメインを移し、『大樹の森』には基本的に身体を休める事を目的にしている精霊達が『魔力の滝』でゆっくりと休めて寛げる様にしたのであった。



 そうする事によって、混雑をそこそこ緩和させる事には成功したのである。

 それから、これまでは冒険を優先させる為に出来るだけ日数をかけない様にイベントを詰め込んで開催していたのだが、今回は流石に期間を延長させてイベント期間を伸ばし、尚且つその期間の中日には身体を休めるための休日も設ける事にしたのであった。



 つまりはお祭りを数日やったら休日を挟み、休日が終わったらまたお祭りを数日開催すると言う運びにしたのである。

 そうする事によって、精霊達の身体のケアも確りと出来る様になり、各種イベントのスケジュール調整も十分な余裕を持たせる事が出来るようになったので、今後はかなり楽に運営進行できるようなるだろうと予想ができた。



 ……因みにこれは、私の事をエアや精霊達が心配してくれたが故での休日設定でもある。


 私は大丈夫だと言ったのだが、『ロムも休まなきゃだめだよ』と、エアが提案してくれたのであった。……や、優しい。



 それにバウや精霊達も全員が同意した為、反論する間もなく決まってしまったのだ。

 ……皆の温かい思いやりを感じて、私も思わずほっこりとしてしまった。

 折角の皆の慮りなので、その休日には私も確りと休む事にしよう。




 そして、その後の話し合いでは、準備をしなければいけない事があまりにも多いので、今回のイベントは試験的な開催にしようと言う話になり、本番は実りの季節に行う事にしようと言う方針に決まった。


 要は、イベント会場を『空飛ぶ大地』の方に移す事にしたので、その為に色々と整えなければいけない事が増えたのである。

 『大運動会イベント』の方は以前よりも場所がスッキリしたので比較的環境は良くなったが、それ以外の『収穫』や『指輪』のイベントに関しては、そもそもの場所がないので一から準備したり設備を作る事から始めなければいけない。



 その上、最近では特に人気となった『精霊対抗大魔法戦イベント』においては、森の中と言う身を隠せる絶好の環境が無くなってしまった為、その代わりとなるものを何にしようかと言う部分から精霊達とも話し合い、折角一から作るのならばと、『各属性によって得意不得意が出ない様に平均的な戦場』にするか、それとも逆に各種属性の環境に特化する様な『特殊な戦場』を製作するか、の二つでかなり話が盛り上がったのであった。




 ……その結果、とりあえず今回の場合は時間も無い為、『木に見立てた石柱』を私が魔法で製作し、森に見えるくらい密集させて魔法から隠れられるくらいの強度を持った石柱を浮かべる事でちょうどいい塩梅の戦場を即席で作る事にしたのである。

 そして次回の実りの季節を本番として考え、少し準備期間を多めに設けた後『特殊な戦場』を作る為に『炎の滝』や『氷山』などを設置して、より高度な戦場を舞台にしたイベントにしようと決まったのであった。……かなり時間はかかったが、とても有意義な話し合いが出来たのではないだろうか。




「……はいっ!ロム、私からも聞きたい事がありますっ!」



 ──すると、話し合いが一段落するまで頃合いを見計らっていたのか、そこで急にエアが手を挙げたのだった。……おや、いったいなにかな?気になった事があればなんでも言って欲しい。



「あのねっ!わたし達も今回から参加したいんだけどっ!ダメ?」


「……ほう」



 そう言うエアの腕の中にはバウが抱っこされており、自信がありそうな二人は揃って『ニヤリ』と不敵な笑みを浮かべていたのであった。

 




またのお越しをお待ちしております。

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