発覚
お久しぶりです。結構な数の人に読まれていて嬉しい限りです。これからも不定期ではありますが更新していきたいと思います。末長くよろしくお願いいたします。
時は加速し、今日は俺の一歳の誕生日だ。
メイクリエス様に歩くことができるようになるまで時を飛ばしてもらったが、まさか一歳の誕生日とは…思ったよりかなり早い。目の前にはちょうどケーキを模した離乳食のようなものがある。美味しそう。いつのまにかミルクも卒業か。あれはなかなか堪えるものがあったから嬉しい。
「お誕生日おめでとう、リロ。ここまで育ってくれて嬉しいわ。歩くのもかなり早いし、やっぱりリロは将来有望ね。いずれは伯爵…いえもしかしたら辺境伯への婿入りもできるかもね!」
辺境伯って…うちの位より二個も上じゃないか母上…買い被りすぎでは?
「ええ、リロ様は本当に優秀でございます。夜泣き等もあまりなく、きっと賢い子に育つかと。」
エマさんまで…そんなに優秀なのか、俺。というか夜泣きあんまりなかったんだ、俺。記憶ないから分からないけど、何かやっちゃいました?
「うーむ。まだ一歳で武の才能があるかまだ分からんが、男に生まれた以上最低限の武術は極めてもらいたいものだな」
父上…お手柔らかにお願いします。
「アレク?リロに大怪我なんてさせた日にはどうなるか分かっているのでしょうね?」
バチバチと母上の周りに電気のようなものが走る。これは…魔力か?というか怖いよ、母上。
「ま、待て、最低限と言っただろう、そんなに厳しい訓練はしないから、魔力を抑えてくれシャル!俺でも分かるくらいに漏れてるぞ!この家が無くなる!」
え、そんなにお強いのか母上。って知らない間にオーラみたいなものまで出てるじゃん。これは素人目でも分かる、見たらわかるやばいやつやん!
「あら、私としたことが。オホホ、つい力が入ってしまいましたわ。リロ、怖がらせてごめんなさいね。……リロ?あなたどこを見て……まさか」
「シャルロッテ様?どうかなさいましたか?」
「エマ、今すぐ魔力測定器を持って来てちょうだい。大急ぎで。」
オーラを見ていたのがバレてしまった……か?母上が見たことないくらい真剣な目でエマさんに魔力測定器を持ってくるように伝えた。
「まさかとは思うけれどね…」
「まさかって、シャル、もしかしてリロに魔力が見えるっていうのか?」
「ええ、気のせいかも知らないけどリロの目線が私の溢れた魔力に釘付けのように見えたから……」
「念には念を入れて、か。シャルの言うことだ、やってみる価値はありそうだな」
「あなたのそういう素直なところ、好きよ」
「きゅ、急にどうしたんだ…な、なんだか照れ臭いな、俺も愛してるぞシャル」
急に惚気が始まったんだけど……
「ご用意できました、シャルロッテ様。魔力測定器になります」
「ご苦労様、エマ。さっそく測りましょう」
ついに来た…思ったより早いがついに魔力を測れるぞ。
メイクリエス様いわくたんまりあるらしいが…
「リロ、ちょっと手を借りるわね〜」
そう言って母上は俺の手を握り、魔力測定器へとその手を伸ばした。
魔力測定器は2人がかりで運べるくらいの大きさで、中心には水晶玉のようなものが置いてある。そこに手を翳して測るようだ。
「行くわよ…びっくりさせちゃったらごめんね、リロ」
俺の手が水晶玉に触れるかギリギリのところまで近づいた瞬間、水晶玉がまばゆい光を放った。
長くなりそうなので一旦ここで切ります。