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男子転生物語  作者: 幻夢
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違和感の正体

少し長くなりました

昨日は違和感を残したまま眠りにつき、次の日の朝空腹感で目を覚ました。しかし今日は朝から騒がしいな。何かあるのだろうか。とりあえず腹が減ったので泣くか。近くに人がいないので大きめに、


「おんぎゃあ〜!おんぎゃあ〜!」


足音がしてドアが開き誰かが覗き込んできた。


「お腹が空いたのでしょうか?坊ちゃま」


この声はエマさんか。


「う〜!」


「お召し物は…大丈夫ですね。ミルクをすぐに用意いたします」


「心ゆくまでお飲みになってください」


あぁ、母の乳も良いがエマさんのものも美味しいな。満足満足。


「げぷ」


「それでは私はこれにて退出いたします。」


エマさんはそう言い残して、いつもより早く部屋を出て行った。やはり今日は何かあるのだろう。腹を満たしたら眠くなってきたな…寝るか。


「〜お…れが…しの…」


知らない声で目が覚めた。これは誰だ?


「なんと愛くるしいことか。さすが私の息子だな。」


「ちょっと、息子を見たい気持ちはわかるけれど他にやることが山ほどあるでしょう?アレク。」


これは母の声か、とするとこの知らない声はもしかして…


「わ、わかっておる…しかしだな…せっかくこうして家に帰ることができたのだから父として一目息子を見るくらい…」


俺の父親か。アレクというのか。


「言い訳は求めておりません。あなたにはやることがまだあると先ほど言いましたね?」


「わ、わかった…」


尻に敷かれているな…

それにしてもやることがたくさんあると言っていたが何があるんだろうか。普段の公務は母がしてくれているはずだが…まあいずれ知ることができるだろう。今は赤ちゃんらしくしておくか。


「さて、わたくしもそろそろ公務に戻らなくてはね」


母親も公務に戻るようだ。両親ともに忙しそうにしているが、貴族としての位はどのぐらいなんだろうか。神様が言うには生活に困らないようにしてくれているらしいが…


(ふぉっふぉっふぉ。グッドクエスチョンじゃシティボーイよ。いや、今はカントリーボーイと言った方が良いかの?)


この声は…神様!?直接脳内に…!?


(そうじゃ。シティボーイの…リロの意識がはっきりとしてきたようだからの。声を届けさせてもらったのじゃ。)


なるほど。理由はわかりました。


(うむ。それで今回声を届けた理由じゃが…この世界についての説明をしようかと思っての。)


待ってました!ちょうど疑問がいくつか浮かび上がっていたところです。


(そうじゃろう。まず初めにこの世界はお主のいた世界とは全く違う世界ということを第一に認識してもらいたい。一番の違いはやはり魔法があることじゃな。)


魔法…!というと火を出したり水を出したりできる…?


(その認識で間違いない。様々な属性と種類に分かれておる。それらは後々話すとして、次にもうひとつ大きな違いがある。それは…)


それは…?



(この世界は女しか魔力を持っていない、ということじゃ)


え…?えええええええ!?そ、そんな…俺は…つ、ついてるから…使えないのか…魔法を


(こら、まじまじと自分のものを見るんじゃない。安心せい、お主は転生してきておるから特別じゃ。魔力を持っておる。それもたんまりとな。)


よ、良かった…魔法使える…!


(次の話に移るぞ。大きな違いはまだある。それは先ほどの話にもつながっておる。)


女しか魔力を持たないことですか?


(そうじゃ。女しか魔力を持てないことから、男は女よりも基本的に価値が低い。所謂女尊男卑じゃな。)


え。えぇ!?


(貴族の当主も当然女がするぞ。)


となると夫の方は何を…?


(遠征じゃな。モンスターの討伐であったり領内の見回りじゃ。貴族も平民も男は肉体労働が基本じゃ。魔法が使えないからの。)


なるほど、だから父は家にいなかったのか…ってモンスターもいるんですか!?……でも魔法が使えた方がモンスター討伐も早く終わるのでは?


(そうなんじゃが、いかんせん女尊男卑の考えのせいでモンスター討伐は男がやるものということになってしまっておる。)


なるほど…


(転生前に話したことを覚えておるかの?二話前を読んでもらえればより具体的に分かるのじゃが)


転生前?二話前?

転生前というと…イレギュラーの話ですか?


(そうじゃ。この世界におけるイレギュラー。それがこの魔力なんじゃ。本来なら男女平等に生まれつき持つはずであった。それが何の原因か、女しか持って生まれてこなくなってしまったのじゃ。それもここ200年の間でじゃ。)


200年…となると比較的最近の話ですね。


(うむ。ずっと原因を探しておるのじゃが…なかなか見つからん。それでお主をこの世界に呼んだのじゃ。)


思い出してきた。疑問があれば聞いて良いと言われていたな。赤ちゃんだからか精神が肉体年齢に引っ張られていたのか。


(この世界の基本的な説明はこんなもんかの。また何かあれば心の中でわしを呼んでくれれば応答できるぞ。)


わかりました。そういえば、神様のことは何と呼べば良いのでしょうか?いつまでも神様、だと少し失礼な気がして…


(ふむ。では"メイクリエス"と呼ぶが良い。)


わかりました!メイクリエス様と呼ぶことにいたします。


(礼儀正しい子じゃ。ついでに歩けるようになるまで時間を飛ばしてやろう。ずっと同じぼんやりとした景色というのも暇じゃろう。)


良いんですか!?ありがとうございます。


(なんてことはない。わしは神様じゃからのう。ふぉっふぉ。では、時間を飛ばすぞ。)


その言葉を最後に俺の視界は暗くなっていった。

世界の説明を挟むと長くなりますね

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