神との邂逅
チョベリグな神様です
「目が覚めたようじゃの。ナウでヤングなシティボーイよ」
ここは一体…確か俺は幼女を庇って…
「そうじゃ、なかなか立派な死に様じゃったよ」
立派な死に様って…まあ、社会貢献できてよかったかな…
というか、聞きたいことがたくさんあるん…ですが。
最初は声だけ聞こえていたものに対して応答していたが、だんだん視界がひらけてきたと思ったら、目の前にいかにも神様のような格好をした人がいたので慌てて敬語に直した。
「ふぉっふぉっふぉ。そんなことは気にならんよ。その気持ちだけで嬉しいものじゃ」
ありがとうございます。でも、やっぱり神様にタメ口をきくのは失礼だと思いますので、せめて丁寧語で行きたいと思います。あと、僕はまだ喋ってない「はずなのに、もしかして心を…あれ?」
「話せないことに少し違和感を覚えているようじゃから、話せるようにしておいたぞ」
「ありがとうございます!それで、僕はどうしてここにいるのでしょうか?魂の選別的な何かをするんですか?」
「うーむ、それがのぉ…お主は本来であれば、生前特に犯罪をしていたわけではないから天国に行く予定だったのじゃが…チョベリバなイレギュラーが起きてしまっての。」
「チョベリバなイレギュラー…」
「うむ、わしは君のいた世界以外にも、いくつか世界を管理しておるのじゃが、そのうちのひとつの世界が急激に不安定になっての…いや、世界が崩壊するとかそういう規模ではないから安心してくれ。不安定、といっても少し世界のバランスがおかしくなってしまっての…原因は…不甲斐ない、未だに分からないままなんじゃ…重大なものである可能性も捨てきれん以上、早急に原因を探ってはいるがの」
「そうなんですか…」
「原因を探っているといっても、わしが直接確認できているわけではないのじゃ。人伝てに聞いているようなものでな。わしが直接確認するとそれだけでその世界へ多大な影響を及ぼしてしまうからの…そして、そこで君の出番というわけじゃ」
「僕にできることがあればなんなりとお使いください」
「そうか。なに、君の出番とは言っても、世界を救えなどとは言わんからそう畏まらなくても良いぞ。君にはわしの目になってもらう。君の体を通して、件の世界の様子を見させてもらうぞ」
「なるほど、いわゆる転生というやつですか」
「そうなるな。向こうの世界でのサポートもわしに任せておくれ。君の体は特別に作らせてあるから、いつでもわしと会話できる。向こうでの飲みニケーション、もといコミュニケーションなどで不便を感じないように便宜を図ってやるぞ。君を取り巻く環境も、なるべく不自由がないようにしておいた。さて、説明はこれぐらいでいいかのぅ。そろそろ向こうの世界に生まれる時間じゃ。細かいことは転生したあとでもわしに聞けるから、思いつき次第聞いておくれ」
「わかりました!あたらしい世界、人生を堪能してきます!」
「うむ。達者でな」
―――これが神様との初邂逅だったな。
とても人当たりの良い神様だった。少し言葉の端々にバブルを感じるけど。
ナウな神様…?