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「A」  作者: みんと*
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59/64

第59章

・



昏々と目を閉じ・・・ただ、その時を・・・待つ。





「あっちの世界は。いいものですよ。」



「・・・。」



「いいもの。らしいですよ。」・・・頭の、なかに声が。・・・する。・・・・





「言い換えたな。」・・・おれは・・・・・笑う。



「ふふ。」そして密やかに・・・いつもの、ように笑う。おまえの・・・声がして。





「痛みもなく、苦しくもなく。」



・・・キリストか。・・・・・





「ただ。あるのみ。」



「・・・・。」



「そこに、あるだけ。」



「自由・・・?」



「・・・。」



「そこって。自由?」



「それは。・・・・」



「・・・。」



「行ってみなければ。わからないですけれど。」



「・・・。」



「行ってみますか?」なぎが言う。



・



・・・おれ、は・・・・・



・



「・・・それなら。」



それなら。・・・・・



「行ってみるのも。・・・悪くないね。」



ただ天を仰ぎ答える。





「・・・また。」



「・・・。」



「会いましょうね。」



「・・・・・。」



「必ず、会いましょうね。」



「・・・。」



「・・・武士(たけし)?」



「いつ?・・・いつ会える?」



「・・・。」



「なんてな。ごめん。」



「すぐ。」



「え?」



「すぐ、だよ。・・・・」



・・・。



「すぐに。会えるよ。」



・



そう、言われて、おれは安心した。



その声を聞いて。



もし、この世に。



天使がいたら。・・・・ほら、・・・あれだ。・・・・



マリア様とか。



キリスト様とか。



そんな。存在がいたとしたら。きっと。・・・・



こんな、声してんじゃないかな。









・・・な。









・・・・な、・・・なぎ・・・なぎ・・・・さ、なぎさ。・・・・・・・・









ひとつ。



ひゅっと息を吸う。

















ピーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!、突然。耳の奥に、けたたましい、電子音が。鳴る。





瞳を閉じ。





最期に呼んだのは、おまえの、・・・名前。・・・・・





ごめんな、父ちゃん。・・・母ちゃん。ふとまた。それだけ、思って微笑んだ。




・

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