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「A」  作者: みんと*
50/64

第50章



「なんだ泊まってくるかと思った。」毅がまた。ちゅぅちゅぅジュースのパックを吸いながら言う。



「・・・・。泊まるわけ、ねーだろ。」



「どうして?」



「どうしても。」



「・・・どうして?好きなんでしょ、御園クンのこと。」



「・・・・・。」なんで・・・・・



毅に聞く前に、答えが出た。・・・・また、あいつか。



あいつの。入れ知恵か・・・・翼。





「・・・・。おまえには。」



「・・・?」



「おまえみたいな。お子ちゃまには。わかんねーよ。」



「なんだよーー!!」



「ふふ。」



「ボクなら。・・・。いくけどな。」



「・・・・。」



「絶対いくけどなーー!あーーもったぃないよなーー!!渚クン超可愛いじゃん☆」



・・・・。殺すぞおまえ・・・死ぬ前に。





「なにおまえそんな、元気になっちゃってんの?」



ふはははは、ふたりして、声をあげて笑った。



毅が言う。ストローを口にしながら。



「だってもう生きてるうち二度とないじゃん。」



「・・・。」



「そんなチャンス。」



「・・・だからおまえは。お子ちゃまだっつぅんだよ。」



「なんでだよー。」



「おれさ、・・・。」



「?」



「よく、言われたんだよ。あの頃さ、親が死んだあとさ、両親の分まで、生きなくちゃねって。」



「・・・・。」



「おれ、そのたび、思ったよ。分までって。何だよって。分までって・・・そう簡単に言うなよってさ。」





「誰だって。自分の一生、生きるだけで。精一杯なんだよ。」



おれだって。



この先を、この先をひとり。



生きてく覚悟するだけで。いまは、精一杯だ。



言うなよ、だから。



そんな無責任な事を。・・・・無責任に、言うなよ・・・・




「無責任って。最大の。罪だよな。」



「・・・・。武士くんって。たまに、すごく難しい事、言うよね。」



「難しいことなんかじゃねーよ。責任持つってこと。」



「・・・・。」



「自分の言うこと、やる事に。責任持つってことだけだよ。」



「責任って?どう持って、どうやるの?」



「・・・。」





「できる事しか。やんないって事さ。」



おれにしては。



かなり格好いい言い方で。そう、言ってみた。





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