第47章
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・・・。おまえが、おれのすぐ横に座って。
「はい、あーーーん。」
自分まで、可愛く口をあける。
・・・そーゆーの。・・・まじで。
「もぅやめて、くれる。?」
「どうして?」
「どうしても。」
「あーん嫌い?」
・・・いや。
ぃやぃや、
そう言うことじゃ・・・なくて・・・・・
「・・・。おまえ、何かヘンだよ今日。」
「・・・。」
「さっきだってそのほら、・・・・」
「・・・。?」
「・・・ほら。キス、していいとかして?とか・・・言ってたじゃん。」
・・・して?とは言ってねぇか・・・・・
「そんな事、言いましたっけ。」
「・・・・・。」
まるで。さっきの、海辺の天使モードとは、まるきり違う涼しい顔して言う。
・・・おまえは、そうして、キスして?って言ったり言ってないって言ったり。
・・・してとは言ってねぇけど、・・・あれ、言ってたよな・・・・?
・・・天使みたいな顔して、おれの名前呼んだりしたり、したくせに、
「・・・・おまえ・・・ほんとうは悪魔だろ。」
「あっ、ははははは!!それギャグ?」渚が、
また大きな口をあけて笑う。
「はぁ?」
「よく、言うの、翼が冗談で。・・・・僕のこと、小さい悪魔だって。」
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「あはははは。」いかにも、楽しそうに。なぎがまた、腹を抱えて笑う。
・・・何がそんなに・・・おかしぃんだよ・・・・
「・・・小さい悪魔って。おまえ、どんな態度してんの?」あいつに。・・・おれは、面白くなくて。冷たい声出して言う。
「おまえ、テンションおかしいよ、今日ずっと、どうしちゃったの。・・・?」
「さぁ?って言うかまだ。・・わからないの。・・・?」
「何が?」
「今日の、僕は僕じゃない。」
「・・・・。」・・・・は?
何だその・・・なぞなぞは。
「白衣着てない。ほんとの・・・僕は、こんなものだよ?」
「・・・・。」
おまえが、おれを見てまた。楽しそうににこにこ笑う。
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・
「いいから、食べて・・・?」
なぎが、おれに箸を、手渡して、くれる。
・・・。
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「・・・食べられっかな。」
「食べられるよ。」
ごくっと喉が鳴った。ほんとにそれは。・・・ほんとにまるで。母ちゃんの作った。
ハムカツに、そっくりで。「嘘みてぇ。」もう、何年も・・・食べてない。
なぎが、微笑んで見守るなか。
・・・。
おれは、その箸を、握りなおして。それで・・・それを両方の親指と人差し指の間に挟んで。
一旦ぺこりと頭を下げると、・・・。ひとつ、つまんで。やっぱり、チーズの入ったやつにした。おれ。好きなもの先に、食べる、タイプ。
それを、ゆっくりと。少しだけ。口の中に、入れた。さくっとそれは。凄ぇ味わうより先に、とてつもなく・・・旨そうな、音がして。
「うめぇ、」
「ふふ。」
先に、それだけ言った。
口をもぐもぐと、動かして。
「美味しい・・・?」なぎが聞く。おれは、
口元を手で隠して。こくこく、うなずいて、見せた。
ほかほかと湯気をあげた、飯がある。
わかめが入った、シンプルな、味噌汁も・・・あって・・・・・
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・・・・。
まじで。同じなんだけど。
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「・・・これ全部食って、いいの・・・?」そうなぎに、聞いてみた。
「・・・。」
なぎがおれを、見つめる。
「全部は・・・・難しいかも。」
「だよな。」おれは、笑って。「聞いてみただけ。」
「たけし、」
「おれの母ちゃん、料理上手かったんだ。」
「・・・。」なぎがおれを、優しくみつめる。
「あ。ごめん。」
「え?」
「おまえが作ってくれた。これも。・・・・すげぇ、美味い。」
「ふふ。ほんと?」
「ほんと。」ほんと、びっくりだ。母ちゃんが作ってくれたのと。・・・・
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「いや、それより美味い。」
「お世辞はいいから。」
「いや、ほんと。おれ、お世辞なんて言わねぇよ。」
「・・・知ってる。ふふ。」
「・・・。」
・・・知ってるよ、たけし。
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