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「A」  作者: みんと*
47/64

第47章



・・・。おまえが、おれのすぐ横に座って。



「はい、あーーーん。」



自分まで、可愛く口をあける。



・・・そーゆーの。・・・まじで。



「もぅやめて、くれる。?」



「どうして?」



「どうしても。」



「あーん嫌い?」



・・・いや。



ぃやぃや、



そう言うことじゃ・・・なくて・・・・・




「・・・。おまえ、何かヘンだよ今日。」



「・・・。」



「さっきだってそのほら、・・・・」



「・・・。?」



「・・・ほら。キス、していいとかして?とか・・・言ってたじゃん。」



・・・して?とは言ってねぇか・・・・・



「そんな事、言いましたっけ。」



「・・・・・。」



まるで。さっきの、海辺の天使モードとは、まるきり違う涼しい顔して言う。



・・・おまえは、そうして、キスして?って言ったり言ってないって言ったり。



・・・してとは言ってねぇけど、・・・あれ、言ってたよな・・・・?



・・・天使みたいな顔して、おれの名前呼んだりしたり、したくせに、




「・・・・おまえ・・・ほんとうは悪魔だろ。」



「あっ、ははははは!!それギャグ?」渚が、



また大きな口をあけて笑う。



「はぁ?」



「よく、言うの、翼が冗談で。・・・・僕のこと、小さい悪魔だって。」





「あはははは。」いかにも、楽しそうに。なぎがまた、腹を抱えて笑う。



・・・何がそんなに・・・おかしぃんだよ・・・・



「・・・小さい悪魔って。おまえ、どんな態度してんの?」あいつに。・・・おれは、面白くなくて。冷たい声出して言う。



「おまえ、テンションおかしいよ、今日ずっと、どうしちゃったの。・・・?」



「さぁ?って言うかまだ。・・わからないの。・・・?」



「何が?」



「今日の、僕は僕じゃない。」




「・・・・。」・・・・は?


何だその・・・なぞなぞは。




「白衣着てない。ほんとの・・・僕は、こんなものだよ?」



「・・・・。」



おまえが、おれを見てまた。楽しそうににこにこ笑う。







「いいから、食べて・・・?」



なぎが、おれに箸を、手渡して、くれる。



・・・。





「・・・食べられっかな。」



「食べられるよ。」



ごくっと喉が鳴った。ほんとにそれは。・・・ほんとにまるで。母ちゃんの作った。



ハムカツに、そっくりで。「嘘みてぇ。」もう、何年も・・・食べてない。



なぎが、微笑んで見守るなか。



・・・。



おれは、その箸を、握りなおして。それで・・・それを両方の親指と人差し指の間に挟んで。



一旦ぺこりと頭を下げると、・・・。ひとつ、つまんで。やっぱり、チーズの入ったやつにした。おれ。好きなもの先に、食べる、タイプ。



それを、ゆっくりと。少しだけ。口の中に、入れた。さくっとそれは。凄ぇ味わうより先に、とてつもなく・・・旨そうな、音がして。



「うめぇ、」



「ふふ。」



先に、それだけ言った。



口をもぐもぐと、動かして。




「美味しい・・・?」なぎが聞く。おれは、



口元を手で隠して。こくこく、うなずいて、見せた。



ほかほかと湯気をあげた、飯がある。



わかめが入った、シンプルな、味噌汁も・・・あって・・・・・





・・・・。



まじで。同じなんだけど。





「・・・これ全部食って、いいの・・・?」そうなぎに、聞いてみた。



「・・・。」



なぎがおれを、見つめる。



「全部は・・・・難しいかも。」



「だよな。」おれは、笑って。「聞いてみただけ。」



「たけし、」



「おれの母ちゃん、料理上手かったんだ。」



「・・・。」なぎがおれを、優しくみつめる。



「あ。ごめん。」



「え?」



「おまえが作ってくれた。これも。・・・・すげぇ、美味い。」



「ふふ。ほんと?」



「ほんと。」ほんと、びっくりだ。母ちゃんが作ってくれたのと。・・・・





「いや、それより美味い。」



「お世辞はいいから。」



「いや、ほんと。おれ、お世辞なんて言わねぇよ。」



「・・・知ってる。ふふ。」



「・・・。」




・・・知ってるよ、たけし。




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