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第39章
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「いくの?」
「行く。」
「まだ。・・・早いんじゃない。?」翼が、僕を見て言う。
「ううん。これ、見て。」ぴらりと。ポケットから取り出した。その、一枚の、紙を見せて。
「・・・・・。」
「もぅ・・・時間がない。」
「・・・。」
「今のうちに行かないと。」
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「意外と、早かったね。」ふぅ、と。翼が指の先を吹く。
「それにしては。頑張った方。」
「確かに。」翼が、立ち上がる。
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「気を付けて。」
「・・・。ぅん。」
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「・・・。」
「・・・。」
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「ナギ。」
「ん?」
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「幸運を、祈るよ。」
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「・・・。」
翼がそう言って。
おまじないのように。
僕に向かって、素早く指で十字を切ってくれる。
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「・・・。」
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僕、は・・・・・
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それに向かい。
そっと静かに、目を閉じ。
両手を握り。
いつものように、
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頭を垂れて。
祈りを捧げた。
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