第38章
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「少しだけ。時間を置いただけです。」
「・・・。」
「ただ・・・それがあなたの為にいいと思っただけ。お互いの見識が違うだけで、他には何の問題もないはずだから。」
「・・・・。」問題は・・・あるけどな。
オオアリだけどな。
おまえを・・・見つめる。
「毅のところにも行くだろうなって思っていました。だってあなたは・・・」
「・・・。?」
「ぃぇ、否定するから言いません。」ふ、と笑う。
「なんだよ、言えよ。」
「・・・内緒。」・・・そう言って意味ありげに、おれを、見つめる。その。・・・
顔と、密やかな、言い方に、勝手に心臓が、ドキっと大きく鳴る。
「あなたの事、待っていました。そうすれば自然に。あなたの方から僕のところに、・・・ここに、やってくるはずだから。」
「・・・・・・・。」
相変わらず。・・・・
すげぇよな。なにその・・・何なんだ?そのいつも、おれの事。
わかってるような・・・その、言い方。
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・・・・おれは。先に、冗談でも、キッツイ事言われて。
一瞬、それこそ息も止まるほどの、ショック・・・受けたのも忘れて。・・・
思わず、感心した。
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祭壇を、後ろに佇むおまえは。
まるで本当の・・・・神様か、仏さま・・・みたいで・・・・・
「だから。僕は少しも自信なんて。失ってはいない。」
「・・・。」
まっすぐ、こっちを見て言う。
確かにここは。おまえの、・・・なぎの。
ホームだ、まるでおまえまで、背景の。・・・・
神様の、一部のようだ、
「あなたを救えるのは僕しかいない。」
「・・・。」
「本当の意味で。」
・・・本当の、意味?
「・・・救ってもらう。必要なんてない。」
まるで熱にでも浮かされているかのように、そう、応えて言う。
どうして。こうなるんだ、いつも。
「たけし、」
「・・・・。」おまえに、名前を呼ばれるだけで。
どうしようもなく。またたまらない、気持ちになる。息も。つけなくなる。
おまえは。
おれを、救えるんじゃない、きっと・・・殺せる。
息の根を、止められる。おまえに見放されたら、もぅおれは、・・・きっと。・・・・
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死ぬ。
「たけし。」
「・・・。」
「本物の。・・・海見に、行きましょうか。」
「・・・・もぅ。何言われても。・・・・」
「ふふ。」
「さすがに、驚かねぇよ。」おれはやっと。息を吹き返して、笑って。
やっと現実に、還って来たみたいに・・・おまえに。そう、言った。
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