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「A」  作者: みんと*
38/64

第38章


「少しだけ。時間を置いただけです。」



「・・・。」



「ただ・・・それがあなたの為にいいと思っただけ。お互いの見識が違うだけで、他には何の問題もないはずだから。」



「・・・・。」問題は・・・あるけどな。



オオアリだけどな。



おまえを・・・見つめる。




「毅のところにも行くだろうなって思っていました。だってあなたは・・・」



「・・・。?」



「ぃぇ、否定するから言いません。」ふ、と笑う。



「なんだよ、言えよ。」



「・・・内緒。」・・・そう言って意味ありげに、おれを、見つめる。その。・・・



顔と、密やかな、言い方に、勝手に心臓が、ドキっと大きく鳴る。




「あなたの事、待っていました。そうすれば自然に。あなたの方から僕のところに、・・・ここに、やってくるはずだから。」



「・・・・・・・。」



相変わらず。・・・・



すげぇよな。なにその・・・何なんだ?そのいつも、おれの事。



わかってるような・・・その、言い方。





・・・・おれは。先に、冗談でも、キッツイ事言われて。



一瞬、それこそ息も止まるほどの、ショック・・・受けたのも忘れて。・・・



思わず、感心した。





祭壇を、後ろに佇むおまえは。



まるで本当の・・・・神様か、仏さま・・・みたいで・・・・・




「だから。僕は少しも自信なんて。失ってはいない。」



「・・・。」



まっすぐ、こっちを見て言う。



確かにここは。おまえの、・・・なぎの。



ホームだ、まるでおまえまで、背景の。・・・・



神様の、一部のようだ、




「あなたを救えるのは僕しかいない。」



「・・・。」



「本当の意味で。」




・・・本当の、意味?





「・・・救ってもらう。必要なんてない。」



まるで熱にでも浮かされているかのように、そう、応えて言う。



どうして。こうなるんだ、いつも。





「たけし、」



「・・・・。」おまえに、名前を呼ばれるだけで。



どうしようもなく。またたまらない、気持ちになる。息も。つけなくなる。



おまえは。



おれを、救えるんじゃない、きっと・・・殺せる。



息の根を、止められる。おまえに見放されたら、もぅおれは、・・・きっと。・・・・







死ぬ。



「たけし。」



「・・・。」



「本物の。・・・海見に、行きましょうか。」




「・・・・もぅ。何言われても。・・・・」



「ふふ。」



「さすがに、驚かねぇよ。」おれはやっと。息を吹き返して、笑って。



やっと現実に、還って来たみたいに・・・おまえに。そう、言った。



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