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「A」  作者: みんと*
23/64

第23章


「おまえ、腹減らないの。」


「大丈夫です。」


「遠慮すんなよ。」


「ほんとに。・・・大丈夫だから。」



「・・・。じゃぁ・・・煙草、吸ってい?」もう手を。ピースのようにして見せる。


「そんなのダメに。決まってるでしょぅ、」呆れて、なぎが笑う。


「頑固だな。」


「あなたほどでは。」


「ふ、はは。」


「ふふ。」



 ・



・・・。僕は、決めた。


嬉しそうに。笑う、あなたの笑顔を見て。すぐに、心を決めた。



「たけし。・・・?」


「ん?」


「これ、見て、もえらえますか。・・・?」


「・・・。?」僕はポケットの中から、一枚の、紙を取り出す。



・・・あなたの。救いになればいい。


いま、生きている。一瞬でもいま、笑って生きている。・・・・その事を。


その意味を、わかって、生きて欲しい。


生きているから、こそ。笑っていられる、事。・・・・・


それを知って欲しい。そして、その先にこそ。・・・・



安らかな。


救いの道が、ある事を・・・・・・



「・・・。」


「僕が、・・・僕たちの。存在する、意味。・・・本当の、仕事。・・・」


「・・・・。」


「そのひとつが。これ、なんです。」




 ・



 ・


 


帰り道。お互いに。沸々とした。・・・重い、怒りを携えて、いた。


僕の差し出した、紙をじっと見つめた彼は。何も言わず。・・・僕もその。


彼の無言の抗議に対して。何も、言わなかった。今は。・・・待つ時だ。


これまでの経験から。それだけは。充分にわかっている。



 ・



「いつまで黙っている、つもりですか。・・・?」未だ無言で。自分で、車椅子ごと車輪を漕ぎ出し。車を降りようとする彼の、背中に向かって。そう問いかけた。


「・・・。」僕は彼の、傍に近付いて。


「これ。・・・」


「・・・。」


「よく、目を通して、見て。・・・もらえますか?」ぱしっと。


「・・・。」その手ごと、振り払われる。


「・・・・。」枯葉の上に。はらりと紙が落ちた。それを、一瞥して。



「ごめん。」


「・・・。」意外な、ひとことを残して。彼は車椅子を漕ぎ出して、そこから、立ち去ろうとした。






-------------------------------------



【※※持出厳禁※※】


終末期医療におけるターミナルケアによる自死防止プログラムについて


1・目次

2・自死ガイドライン

3・自死防止プログラムについて


・・・・・・・・



-------------------------------------



その紙を取り上げると、僕は。彼の。・・・あとを急いで、追いかけた。




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