第23章
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「おまえ、腹減らないの。」
「大丈夫です。」
「遠慮すんなよ。」
「ほんとに。・・・大丈夫だから。」
「・・・。じゃぁ・・・煙草、吸ってい?」もう手を。ピースのようにして見せる。
「そんなのダメに。決まってるでしょぅ、」呆れて、なぎが笑う。
「頑固だな。」
「あなたほどでは。」
「ふ、はは。」
「ふふ。」
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・・・。僕は、決めた。
嬉しそうに。笑う、あなたの笑顔を見て。すぐに、心を決めた。
「たけし。・・・?」
「ん?」
「これ、見て、もえらえますか。・・・?」
「・・・。?」僕はポケットの中から、一枚の、紙を取り出す。
・・・あなたの。救いになればいい。
いま、生きている。一瞬でもいま、笑って生きている。・・・・その事を。
その意味を、わかって、生きて欲しい。
生きているから、こそ。笑っていられる、事。・・・・・
それを知って欲しい。そして、その先にこそ。・・・・
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安らかな。
救いの道が、ある事を・・・・・・
「・・・。」
「僕が、・・・僕たちの。存在する、意味。・・・本当の、仕事。・・・」
「・・・・。」
「そのひとつが。これ、なんです。」
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帰り道。お互いに。沸々とした。・・・重い、怒りを携えて、いた。
僕の差し出した、紙をじっと見つめた彼は。何も言わず。・・・僕もその。
彼の無言の抗議に対して。何も、言わなかった。今は。・・・待つ時だ。
これまでの経験から。それだけは。充分にわかっている。
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「いつまで黙っている、つもりですか。・・・?」未だ無言で。自分で、車椅子ごと車輪を漕ぎ出し。車を降りようとする彼の、背中に向かって。そう問いかけた。
「・・・。」僕は彼の、傍に近付いて。
「これ。・・・」
「・・・。」
「よく、目を通して、見て。・・・もらえますか?」ぱしっと。
「・・・。」その手ごと、振り払われる。
「・・・・。」枯葉の上に。はらりと紙が落ちた。それを、一瞥して。
「ごめん。」
「・・・。」意外な、ひとことを残して。彼は車椅子を漕ぎ出して、そこから、立ち去ろうとした。
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【※※持出厳禁※※】
終末期医療におけるターミナルケアによる自死防止プログラムについて
1・目次
2・自死ガイドライン
3・自死防止プログラムについて
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その紙を取り上げると、僕は。彼の。・・・あとを急いで、追いかけた。
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